一年後に辞める小学校教諭(あと339日)
明日は歓迎集会。
バタバタと過ぎ、子どもに気合を入れたり、ほめたり、慌ただしい一日だった。
放課後、隣のクラスの子が、朝からいなくなっていると聞く。
探しに出ようと隣の担任に言うと、警察が捜査中なので待っているとのこと。
そうは言ってもと、管理職に指示を仰ごうとすると、誰もいない。
聞くと校長は警察に。
教頭と教務は、教育事務所から指導主事が来ていて、その対応をしているとのこと。
先日の学力テストがどうだったのか、聞き取りがあっているとのこと。
ん?なんで?
子どもが朝から来てないのに、そんなことしてる場合か?
「子どもがいなくなったので、時間が取れない。
またにしてほしい」ではダメなのか?
自分がそう思うくらいだ。
その子の担任は、なおさらそう思うだろう。
ねぇ、どっち向いてるの?
学力がいらないとは言わない。
でも、子どもの居場所がわからないなんて、もしかしたら命の危険もありうることだ。
それなのに、指導主事にへつらってる場合なんだろうか?
だんだん腹が立ってきた。
隣のクラスの子の弟もいなくなっているらしい。
弟の担任は、心配で泣いていた。
そのうち、校長が戻り、現状をうかがう。
校長自ら、子どものために動いてくれていることだけが救いだろうか。
聞き取りが終わり、部屋から出てきた教務が近づいてくるなり、一言
「お咎めはありませんでした」
なんだろう、この虚しさ。
我々は、子どもの点数を上げるために教師をしているわけではない。
今は、いなくなった子の捜索に全力を尽くすべきじゃないのか?
子どもの命と点数、どちらが大事なんだろうか?
こんなんだから辞めたくなるんだ。
数時間後、子どもは無事に保護された。
でも、モヤモヤは今も残ったままだ。