
単元内自由進度学習(中学校編)のはじめ方③
英語科の場合
単元を通して子どもにどんな力を身に付けてほしいか、それによって学習内容が決まってきます。例えば、私の場合、教科書の本文内容を最低限理解してほしいと思っているので、翻訳する課題は用意しています。また、音読もできるようになってほしいので、音声を録音したものを提出するという課題も設定しています(ロイロノートで提出することになっています)。面白いもので、子どもは単語の正しい読み方を一生懸命確認しながら、各々が発音練習する姿が見られます。下手に一斉授業で “Repeat after me.”なんてやるよりも、よっぽど効果があると思います。現に、子どもがそうやって言ってくれました。あれはあんまり意味がないと。全く意味がないとは思いませんが、英語の指導はこうあるべきだという固定概念を壊すことも大事です。そうでないと、いつまで経っても単元内自由進度学習に足を踏み込むことはできません。
さて、これだけだと【知識】しか評価できません。他にも、例えば新出文法について参考書を作るつもりで、解説する課題を設定することもあります。【技能】の評価につながります。その他にも、子どもが即興で英語のやり取りをできるように、動画を用意しています。動画の内容は、私が英語で質問し、少し間を空けるといった、そんなシンプルなものです。子どもはその空いた間の部分に答えを録音(動画の音声に上書きするイメージ)して提出するといった感じです。【思考・判断・表現】の評価につながります。というか、教科書を読み込めば、いろいろなヒントがあります。そして、取り組むべき学習内容を終えたら、チェックテストを受けることになっています。チェックテストは、標準的な内容のもので、これに合格したら、発展課題にいくことができるといった感じです。この発展課題に取り組める力がある子どもこそ、【主体的に学習に取り組む態度】の評価につながるものだと私は考えています。逆に一斉授業で、【主体的に学習に取り組む態度】をどのように評価するのか、教えていただきたいものです。まさか挙手の回数やノートの提出状況で評価するわけがないはずです。
今回、3回の記事を通して単元内自由進度学習について書きましたが、一番大事なことは、「子どもは有能な学び手である」という教育観を教師がもつことです。この覚悟がなければ、やっている教師側がつらくなってきます。しかし、子どもは本当に楽しそうに学習に取り組みます。もちろんふざけたり遊んだりする子どもも中にはいます。でも、長い目で見て、今はできていなくても、例えば卒業までに成長してくれたら上出来だ、そんな気持ちで取り組んでいけるとよいと思います。
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