私が私を手助けしてあげるために『「首尾一貫感覚」で心を強くする』
「守備一環感覚」はSense of coherence SOC」と呼ばれる概念です。
Coherenceは「一貫性」と訳されるけれど、
読後に感じたのは、この3つの感覚を使って、「納得できる」状態になる、ということでした。
ここで大切なのは「自分が」心から納得できる状態なのであって、たとえそれが善意の励ましや助言だとしても、人から「納得させられる」のではないということです。
著者自身は議員秘書を経験し、土下座を何回も見たそうです。
本著で紹介されている秘書たちへのインタビューから、一見受け入れ難い環境も、その人自身が、なんらかの納得感を持って状況を受け入れ、能動的に対処するとこができれば、困難を乗り越える、または人生の糧にすることができるのだと感じました。
私たちは、毎日の小さなモヤモヤから、人生の局面での大問題まで、困難に遭遇したとき、そう簡単に達観して「メタ認知」できません。
そんなとき、このメソッドを使って、自分のそばにもうひとりの自分が立って話を聞いてあげる。
そして、たとえば「あー、いまわけわかんない(=把握可能感が足りない)から困ってるんだね」とか、「意味あるとは思えなくて(=有意味感がない)しんどいんだね」と優しく話しかけてあげる。
すこし気が楽になるのではないでしょうか。
自分で自分を助けてあげられる方法を持っておくと心強いです。
ただ訳語が難しく、直接、英語の
comprehensibility
mamanageability
meaningfulness
を読む、調べるのも一考かと思います。