ホワイトカラーと和紙
徒然なるままに、なんか書く。
うちの店は日月曜日と連休だ。
日曜日は、夕飯が私の係りなので、少しだけ昼に自転車に乗って、早めに帰って家事をする。
15年ほど前に建てた、我が店舗兼自宅。
店舗の壁紙が結構汚れてきている。
随分前から、安い和紙でいいから張り替えたいと思っていて、今日はそれを買いに銀座の伊東屋に行った。
十階建てくらいの大きなビルで、お客さんで溢れ、半数以上が外国の人だった。
和紙は八階。
手漉きがメインだけど機械漉きもあり、安いものは150円くらいからあって、意外だった。
私は450円のもの(サイズの単位はなんだろう、バスタオル位の大きさだったかな)を2枚、試しに買った。
機械織りの安いものは、少しコピー用紙のような安っぽい光沢がありこれでは意味がない。
自分が買ったものは、光沢が抑えられていて、少し見た目に柔らかさがあり、それでいて和紙和紙していなくてちょうどいい。
◇ ◇ ◇
「ホワイトカラー消滅」という本を読み終えた。
世界が大きく変わり、日本の人口構成も大きく変わっている現在。
過去を振り返り、現在を考察し、未来のありようを語る。
高度経済成長の頃は、人口も増え、産業も発達し、バブルに向けて人が足りない状態だった。
バブルが弾け、日本の得意な産業が停滞し始め、シェアを失い、労働人口は余り始める。
賃金を上げない代わりに、雇用を守ることで、乗り切る日本。デフレにより物価も下がっていったため、賃金を上げなくても痛みの少い不況時代を送った。
現在、一気に労働人口が減り、円安によってインフレが高まってきた。
どうするか。
当然、時間当たりの労働効率を上げていかなくてはならない。
AIが肩代りできるものはどんどん任せて、AIを活かせる少数で企業を回していく。
ホワイトカラーの人達は、自分がどれくらい稼げる人間なのかを、意識して行動すべき。
例えるなら、小さな駅の駅長のように、その駅に関することはすべて頭に入っている位の経営感覚と現場感覚が必要だ。
もともとホワイトカラーの人は、それなりの大学に入れる学力があったわけだから、語学なら外国語の会話力、会計方面なら数学など、基礎からもう一度学びなおしたうえで、これから必要となる新しい応用能力を身につけていくことで、新しい時代に対応し、新しい仕事や職場に挑戦すべし、と。
ローカルで働く人たち、エッセンシャルワーカーは、これからより人手不足に悩むだろう。これはチャンスでもあり、基本給は上がっていき、新しい中間層が生まれる可能性がある。
アドバイスドエッセンシャルワーカーになれ、と言う。
うまく言えないので、興味のある人は是非本を手にとって。
自分の印象をまとめると、日本人は勤勉で、複雑なことを上手く通常の仕事の中に落とし込んで、作業していくことができる国民性を昔から持っている。
この国民性を活かしつつ、変えるところは、どんどん変えていく。変えることに抵抗する既得権益は徹底的に潰していくべきだ、と。
バブルや高度経済成長の栄光や思い出に浸ることがなく、デジタルに違和感のない若い世代にとっては、結構面白い時代が来るんじゃないか、と思った。
シルバー民主主義も終焉を迎えそうだ。
混乱と混沌が待っているだろうが、いよいよ複雑な世界の中で、勤勉性を活かしながら、新しい時代を作っていって欲しい。
それを面白く眺めながらの、老後を過ごしたい。