見出し画像

旅は演劇に似ている

この前の日曜日、横浜に演劇を観に行った。

演劇と旅は似ていると思った。

演劇と言っても、いろいろある。

旅と言っても、いろいろある。

私が一番好きな旅は、昔の街道筋を歩くスタイルだ。

いま普通に人が暮らしている生活道になっているところもあれば、バイパスができて寂れているところもある。

バイパスの一部として跡形もなくなっている所もあれば、自然歩道として土の道で、峠を越すところもある。

ただひたすら歩く。

観光地を巡るわけではないので、何があるかもよくわからない。

感動することもあるが、ただひたすら排気ガスと車の騒音と、ガソリンスタンドと自動販売機しかないところを、ヘッドホンで音楽聴いて歩き続ける時もある。

それを楽しいと思うか、二度とやりたくないと思うかは人それぞれ。

普段の生活から離れ、一人になって、何気ない非日常の中に、ささやかでも何かを見つけた時の喜びは何ものにも代えがたい。

そして、私は旅行記を書くのが好きだ。

一日の出来事を、自分の記憶の中の画像として頭の中で集めて、強い印象の画像を元に文章にする。

文章を書き、自分の文章を読んで、自分が何を考えていたかを知り、さらに、それをSNSにあげると読んで、リアクションをくださる人がいる。

だから、旅は捨てる部分がないほど楽しい。

演劇。

演劇にも、いろいろあるが、演劇と映画の違いの一つは、のぞき見をしている感覚があることだ。

映画だと、スクリーンの向こうに世界があって、何度も演技をし直して完成させているので、現在進行系ではない。

しかし、演劇は目の前で生身の人間がうごめいているので、まるで、そこで起きている出来事を集団でのぞき見している感覚になる。

演劇の中にはセンセーショナルで観客を一つの方向に持っていくものもあるが、私の好きな演劇は、割とたんたんと時が過ぎて、感想を観客に委ねるタイプだ。

まるで、街道筋を歩いている時と同じように、その舞台の設定の何気ない日常の中の小さな非日常で起きることを、観客一人ひとりに投げかけるような演劇。

そこで感じたことを、SNSに書いてリアクションを楽しむ流れは、旅と似ている。

ところでnoteには、「全体ビュー」というのを確認できる場所がある。

自分のアップした投稿が、少なくともタイトルだけでもどれくらいの人が見たかという数字。

毎週、毎月など、期間ごとの全体ビューも確認できる。

今日確認したら、全期間の一位が福島の浜通り旅旅行記で、二位はこの前の日曜日の横浜での観劇の感想でした。

旅と演劇の話題が、トップを占めて、こんなところからも、自分にとっての旅と演劇は近いんだな、と思った。

旅も演劇も、個人がどう感じたっていいジャンルだ。

それをSNSに書くときには、関係する人に敬意を払うことができれば、自由に書いていいものだと思う。

旅も演劇も非日常だ。

感じるものも、その人なりでいい。

なんて自由な世界なんだ。

急に結論になるが、旅と演劇が似ているならば、そして人生が旅ならば、

人生は演劇なのである。

あなたは主役だ。

酔っ払ったサイゼリヤにて…



この記事が参加している募集