先生たちの仮想リレー対決をしよう~中学3年生/理科/運動~
先日、ある後輩と話をしてまして、
今度「運動」のところの授業をするのだとか。
授業の相談を直接されたわけではないのですが
こんな授業昔考えてたんだよねーというのを話しました。
そこからもう少し具体的にしたものを書いておこうかな、なんて。
〇よくある記録タイマーを使った実験
(この項は通常の実験の話しか書いてないので
特にイメージがはっきりしている人は飛ばしてもらっても結構です。)
記録タイマーという実験装置があるんだけど、
1/60秒または1/50秒ごとに点を打つ(記録する)というもの。
中学校の実験や教科書などで見たことがある人はそれなりにいるはず。
この装置は、タイマーに記録用のテープをセットして、
そのテープに点を打つ。
このテープを実験用の台車の後ろにくっつけて台車を進めると、
その移動に合わせて紙テープが引っ張られる。
引っ張られるとテープの位置も一緒にずれていくので、
テープの点を記録される位置もずれていく。
点は一定時間毎に記録されているので、
そこから運動の速度の変化などがわかる、というもの。
まあ、もちろんこれをこのままするという話ではない。
ただ台車が進んでいく様子を観察しながら、記録をとる。
というのはまあしていることは端的でわかりやすい。
原理原則を知る実験において重要なことである。
〇運動の様子を知りたくなる時
しかし、それ以上に私が重視したいことは、
そもそもその運動の様子を知りたいと思えるか、ということ。
目の前で台車が移動して、その様子を見ながら記録を取り、
ここは加速しているとか、ここは等速であるとか。
まあそうなんだけど、
正直なところ目で見た様子そのもの以上の実感はなかなか得られない。
等速であるとか加速しているということ自体にあまり関心が向かない。
なので、運動の様子を知りたい、想像したいと思えるようなことがしたい。
そこで、学校のいろんな先生に登場してもらおうということを考えた。
いろんな先生が運動している様子なんて、
(その先生のキャラクターや学校の様子などにもよるかもしれないが)
ただ走るだけといってもそういつでも見られるものでもない。
いろんな年齢や体力、運動能力の先生がいると思われるが、
先生の見たことがない一面、というだけでも
ちょっと心をくすぐられるものがある。
〇先生たちのデータ集め
では何をするのかというところから話を進めていくと、
まず先生方にお願いして、記録タイマーのテープを背中につけてもらって、
例えば20メートル程度走ってもらう。
実際のところ走ってもらわなくてもいいとは思っている。
小走り程度でも、歩いても、スキップでも逆立ちでもいい。
オプションもあってもいいかもしれない。
長靴やヒールを履いてもらったり、重い荷物を背負ってもらったり、
ボールを用意してドリブルしてもらったり、
そのあたりのパフォーマンスの仕方はそれぞれの先生なりに
アレンジしてもらうのが楽しいだろう。
できれば、合わせて記録を取った時の格好の写真や、
意気込みなどのアンケートもとっておきたい。
そのようにして一定距離分の記録テープを
できるだけ多くの先生から集めておく。
〇子どもたちのイメージの中でのリレー対決
先生方のチーム分けを事前に学年団や担当教科などで分けておくか、
あるいは授業中に子どもたちとやりとりしながらチーム分けをする。
私のデータ集めの方針からすると、
必ずしも全員が全力疾走したわけではないことは
予め伝えておいたほうがいいだろう。
時間があるなら選手(先生)を紹介するパワーポイントをつくっておいて、
走った時の格好や意気込みなどと合わせて紹介していくと
より想像が膨らむだろう。
そして、どちらのチームがより短い時間で走破したのか、
先生たちのリレー対決を仮想でシミュレーションする。
チームを決めたら、それぞれの先生の記録テープを渡して
子どもたちでタイムを考えて出してもらう。
必要があれば、簡単に記録テープの見方は触れておいてもいいだろう。
実際に普段接している先生のデータであることで、
ただ読み取るだけではなく、運動の様子をより具体的に想像できるだろう。
この先生は走るのがとても速い、元気だ。
この先生はがんばってたけど途中でバテてしまったなぁ。
この先生は何かしながら走ってる気がする。
この先生はただ歩いてるだけじゃないか。
いろんな先生がどのようにしてその20メートルを移動していったのか。
それを記録テープから想像する。
タイムももちろん出してもらうが、
それ以上に各先生が具体的にどんな様子だったかも是非当ててもらいたい。
あるいは、テープに番号だけ振って、
何番がどの先生か当ててもらうというのもやってみたい。
また、時間が取れるならば出したタイムの答え合わせはすぐにせず、
リレーの順番も決めて、テープを前で同じ秒数ずつ巻き取っていきながら、
今どこで抜いた、今どんどん離されてる、今〇秒差ですねなんて
実況しながらやるともっとリアリティがあって楽しいだろう。
そして両チーム走破し終えてから、改めてタイムを報告してもらう。
特に、抜かれたタイミングやバトンタッチの差の秒数などは丁寧に
触れると細かい見当もしやすいだろう。
運動会の部活動リレーみたいなところで
先生チームも混ざって走ってるような感覚で、
先生たちの仮想リレー対決を演出したい。
〇思い浮かんでいる細かい注意点など
・当然ながら、この授業は走るのが速い遅いで先生に優劣をつけることが
目的ではないので、そうならないように配慮する。
データ集めで走ってもらう時に、アレンジを入れた先生も入れたいのは
意識をそちらに向きにくくしたいという狙いもある。
あくまでも記録テープのデータの読み方を考えたり練習したりすると
ともに、データから運動の様子を想像できるかも、ということを感じて
もらうことが重要で、そこに楽しみがないと、速さ以外に意識が向きにくく
なるように感じる。
・記録テープをつけてもらうときに、テープの引っ張られる方向が
できるだけ水平になるように机の上か何かにセッティングしたほうがいい。
・特に全力疾走のデータを取る場合、テープが切れやすい気がするので
接続部分をセロハンテープなどで補強し、
テープがスムーズに流れるようにトイレットペーパーみたいに
回転するようにしておいたほうがいい気がする。
・アレンジした運動をする際に、移動が進まない、方向が逸れる
などが起こりうる気がするので、テープが同じところに止まっていたり
するタイミングがないか気を付けておきたい。
・また、例えばボールをドリブルなどしていた時にうっかりボールが
どこかに転がってしまった場合などには方向が大きくそれるので、やり直す
か無理に追わずにそのまま直進してもらうように伝えておいたほうがいい。
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