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【分析レポート】清水エリアとクルーズ船
こんにちは、静岡市人流データ運用チームです。
記事に足を運んでいただき誠にありがとうございます。
今回は、分析レポート2回目となる
清水エリアとクルーズ船の関係性について紹介したいと思います。
静岡市では清水港にクルーズ船が多く寄港していることから、インバウンドによる経済効果を非常に期待しています。そのため、清水エリアとクルーズ船の関係性についての人流データ分析の依頼を受けています。今回、データから分かった分析結果を紹介させてもらいます。
クルーズ船の寄港状況
現在、清水港にはクルーズ船が多く寄港し、今年度(2024年4月~2025年3月)だけでも、国内/外国船併せて90隻以上寄港する見込みです。
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清水港客船誘致委員会ホームページより
クルーズ船の種類には主に3つの区分に分けることができます。
①スタンダード
お手軽料金、大型船でアクティビティが豊富、家族連れが多い
②プレミアム
料金やや高め、スタンダードよりも落ちつた雰囲気
③ラグジュアリー
さらに料金高く、ツアー込みのオールインクルーシブが多い
清水港へ寄港するクルーズ船は多くの人が見込まれる①やお金持ちの方が多い③の船が寄港するようで、静岡市としては経済効果の期待感が更に高まっているようです。また、なぜ、清水港に寄港するかというと、「日本=富士山」の需要が高く、特に海外の方にとってはこの清水港への寄港が楽しみの一つにしているかもしれません。そのため、クルーズ船の運営会社のホームページを見ると「富士山」関連施設を多く掲載しています。
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4月実績:清水エリアとクルーズ船寄港
ここからは、人流データの分析結果を紹介させていただきます。2024年4月には、18隻クルーズ船が寄港しました。
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清水港客船誘致委員会ホームページより
清水エリアの4月センサー接続数推移を確認するとクルーズ船が寄港する日は全体的に接続数/新規接続数が増加していることがわかりました。
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黒矢印はクルーズ船の寄港があった日
また、国籍分析を確認すると接続数と同様に外国籍の方が増加していることもわかりました。
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4月実績:回遊分析
次に移動分析を確認すると「清水マリンビル(定着所付近のセンサー)」を拠点に近隣の商業施設である「エスパルスドリームプラザ」を中心に「みほしるべ」や「日本平夢テラス」といった富士山がどのスポットからも奇麗に見える観光施設への回遊が多いことがわかりました。
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この分析結果より推測すると、クルーズ船の観光客にとっては「富士山」は魅力的に映り、移動してまで行きたい場所であることが透けて見えた気がします。静岡市にはこれらの観光施設以外にも静岡駅付近にある、徳川家康が晩年過ごした地の「駿府城公園」や「静岡浅間神社」など多くの観光施設があります。ですが、そこまでの回遊性が見られませんでした。クルーズ船の滞在時間は短時間に限られてる場合ですと、難しいとは思いますが、半日以上であれば、電車で数十分で行ける場所になります。静岡市には魅力的な観光施設が多くありますので、ぜひクルーズ船の観光客の方にも訪れていただきたいたいと思いました。
最後に
今回は清水エリアとクルーズ船の関係性について、4月実績から人流データの分析結果を紹介させていただきました。5月以降もクルーズ船は多く寄港しています。次回はもう少し詳しい分析をして、何か手を打てないかを私なりに考えてみたいと思っていますので、次回の報告を楽しみにして頂ければと思います!
ライター
株式会社TOKAIケーブルネットワーク
企画部