【活動報告】松坂屋静岡店
こんにちは、静岡市人流データ運用チームです。
記事に足を運んでいただきありがとうございます。
第9回活動報告
松坂屋静岡店様と人流データの活用について打合せを実施いたしました。
松坂屋静岡店について
松坂屋静岡店(以下、松坂屋)は1932年に「東海随一の実用的な百貨店」をキャッチコピーに、静岡県に初めて誕生した百貨店になります。開業90周年の2022年には、25年ぶりの全館改装を行い本館7階には都市型水族館「スマートアクアリウム静岡」がオープンし、最近ではお客さん自身の感じ方で入館料を決める「ポストプライシング」という料金制度を導入し、ちょっとした話題のスポットになっています。
催事については定期的に実施しており、地下グルメエリアに「ウィークリーグルメ」と題して週替わりで県内・全国各地の絶品グルメを販売。8階の催事場では全国各地のグルメ展やキャラクターコラボ展などを実施しており、大変、賑わっています。ライターも個人的に九州グルメ展や地下の限定グルメにはお世話になっています。
松坂屋は、ライターの所属している企業が運営する静岡市シェアサイクルのステーションを設置してもらっている関係で人流データの調査にもご協力をいただいています。
松坂屋静岡店の人流データ分析
人流データのセンサー設置場所は、静岡駅と繋がっている地下入口から入った地下グルメ付近に設置していることも関係しますが、松坂屋の人流データを分析すると静岡駅または新静岡駅を通過された方が地下道を移動し、松坂屋へと来られていることがデータ上で多いことがわかります。
駅以外の場所では、松坂屋と同じくJ.フロント リテイリンググループである静岡パルコや静岡伊勢丹など他商業施設との移動も見られました。特に、初売りやバレンタインデーの催事が開催されている時などは、他商業施設間の移動が活発化する傾向にあるとデータ上で見られました。
来訪者の属性を見ると、平日・土日祝ともに女性の割合が高く、年代では70歳以上の方が多い傾向にあります。年代については、この後にもう少し詳しく紹介しますが、催事を開催すると一気に20代や30代といった若い世代の来訪も増加する傾向にあります。
催事開催時の人流の変化について
上記で少し述べましたが、催事を開催すると松坂屋の人流は変化します。
例を挙げると、毎年2月のバレンタイン時期に開催する「ショコラプロムナード」では、世界各国のチョコレートが期間限定で集まることから開催期間中は女性の来訪者が増加、年代で見ると20代の来訪者が増加しました。
直近では、4月末に松坂屋で一番人気のある催事「北海道物産展」が開催され、開始日と同時にセンサーの接続数が増加したというデータも取得できました。新規接続数も同じく増加していることから松坂屋は催事で新規顧客を獲得していることが伺えます。
人流データの活用方法について
松坂屋静岡店施設担当者の石田様と髙野様に人流データ分析を見た上で取得データの活用方法についてディスカッションをさせていただきました。
ー紹介した人流データの率直な感想を教えてください。
石田様:催事をやると新規接続数が増える現象について、面白いなと思ってデータを見てたのですが、思い出したことがありまして、ちょうど1年半くらい前に駐車場料金サービスのお買い上げ金額の改定を行いました。その改定で2,000円から3,000円に値上がりしたのですが、6月に入りお中元特設コーナーが始まったら2,000円のレシートを持ってサービスカウンターに来るお客様が増えました。きっと年に1回お中元のためにしか松坂屋に来ないので値上がりしたことを知らなかったんでしょうね。つまりは、それくらい特定の催事のみだけ来るお客様も多いです。
髙野様:購買データと比較しても紹介してもらった人流データの接続数推移には相関性が見えます。一方で、国籍分析については松坂屋が持っている免税受付のデータと少し違っています。センサーを置いているのが地下グルメエリア付近なので、免税対象の商品とならないお惣菜系や食品を買っていることから、免税受付データと一致しなかったかもしれません。
ー人流データをどういった場面で活用できると思いますか?
石田様:大きな催事の会場は8階で行われている。施設として気になるのは催事場に寄った後にどこ施設に行っているのか。今も催事を実施すると来館者が増えることはもらったデータでもわかるが「施設内の回遊」といった面でも分析をしてみたいと思いました。
髙野様:日別実績をもう少し細かく見ていきたいです。月別実績としては、購買データと相関性が見えたので日別実績も共有いただければ来館者が減った月や増えた月の分析ができるのではないでしょうか。
最後に
「温故知新」という言葉が合うように、松坂屋静岡店は老舗百貨店としての風格を持ちながらシェアサイクルや水族館等、積極的に新しい物を取り入れて集客力を増やす取り組みを実施しています。だからこそ、有難いことに人流データについても、データ活用方法の質問やアイデアをいただき、運営チームとしても大変、勉強になります。
今回は、松坂屋が実施をしている催事を中心に人の流れが変わるという内容でディスカッションをさせていただきました。また、実際に取得したデータと松坂屋が持っている購買データ等を組み合わせるという段階までもって行きたいとお話しをさせていただきましたので、こちらについてはまた次回の活動報告で検討したみた結果を紹介させていただきます。
ライター
株式会社TOKAIケーブルネットワーク
企画部