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《転がる母に苔は生えないvol. 31》スイッチ、ぐいーん

週末に、息子の小学校で開催されるお祭りがあった。
何日か前から、
「土曜日、何かある?」(英語塾あるけど・・・)
「学校でお祭りがあるんだって」
「友達と行くことになったから!」など、
楽しみにしている様子を伝えてくれていた。

そしてある日、
「ママ、これはね、僕にとって
 チャンスだと思うんだ。(友達に)僕という人
 を知ってもらえるチャンス!」

普段の学校の中では見せられない、
「自分」というものがあるのだろう。
学校という意味合いから少し離れて、
素の自分をアピールするチャンス、
ということかな。
(分からないことがありすぎて、学校では
 どうしてもいい子ちゃんになっているみたい。)

「ママもそう思うよ。行っておいで。」

当日の朝、お祭りが始まる数時間前に
家を出ていった息子。
聞けば、お友達の家に行ってから、
スーパーに行ったりして、
お菓子を買ったり食べたりするらしい。

へぇ、なんかよく分からないけど、
「気をつけてね。楽しんでね。
 予定が変わったら連絡してね。
 それから、嫌なことがあったら…
 帰ってくればいいよ。」

と送り出した。
私と娘も後からお祭りに行ったら、
お友達たくさんに囲まれて楽しそうに、
フランクフルトを頬張っている息子に出会えた。
お友達を紹介してもらって、
お話しできて、安心した。


3週間ほど前、
ベトナム在住グローバルキャリアコーチであり、
ポジティブ心理学コンサルタントの
大野由佳さんの読書会に参加した。
松村亜里さんの
『うまくいかない人間関係逆転の法則』
(すばる舎)を指定図書として、
「子育てにまつわる人間関係」をテーマに
本を読まない読書会だった。

この人間関係逆転の法則の学びを
海外を移動する家族と子どもたちに
使うと大変役立つスキルだと感じた。
親がよきコーチとなり、
子ども自身が自ら状況を好転させることができると
信じて勇気づけて、そっと応援する。
(見守る、星 飛雄馬の姉のようにね。古)
そして子どもが助けが必要な時は
親を信じて伝えてくれる。
そんな関係性があってこそ、
子どもの周りの人間関係すらも
好転させるきっかけとなる。

その好転させるスイッチは、
ON/OFFのスイッチじゃなくて、
レバー式の少し重たいスイッチ。
少しずつ、少しずつ
重たいレバーを倒していって、
たまには重さでまた戻っちゃうんだけど、
でもまた少し休んだら、また倒して、
そして最後のひと押しする感じ。




「今日は楽しかった。本当に楽しかったんだ。」
と終日、嬉しそうに言っていた。

その夜、歯磨きをしている私のそばにやってきて、

「最初は、日本なんて来たくなかった。
 連れて来られて嫌だって言っててごめんね。
 でも、ママ、
 こんな経験をさせてくれてありがとう。」



どういう法則で好転できたのかという
読書会で学んだことと、
TCKの概念で私がずっと持っていた視点を
明日解説します。

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ピンときたら、インスタDMまでご連絡ください。
《プロフィール》
子安 芙美
東京出身
夫、長男11歳、長女5歳の4人家族
東京外国語大学大学院 日本語教育修士

2013〜2024 タイ駐在帯同
2024.07〜 日本(数年後再び渡航予定あり)

帯同中に2人出産し、初めての子育てが海外でスタート
自分が育った環境や感覚、世界観が違う子どもたちを
海外でどのように育てていけば良いのか悩み、
2018年にサードカルチャーキッズという概念に出会う
子どもの視点から見る、海外で育つということ、子どもたちの苦労、
そこに必要な親からのサポートについて学ぶ

近年、日本語教育については複数言語を話す子どもの
言語教育に興味がシフト
タイにおける母語・継承語としての日本語教育研究会から学び直す

主な活動:
・臨床心理士によるTCK Podcast ナビゲーター
・OVER THE BORDER -読む聴く知る 世界の教育- 
 ボーダレスライター
・海外子育て(TCK)講座講師
・『ジャーナル「移動する子どもたち」
  ーことばの教育を創発する』第14号
  特集:「子どものことば」を育むとは一親子の視点から
  エッセイ部門に掲載

所属学会、研究会:
・タイにおける母語・継承語としての日本語教育研究会   
 (JMHERAT) 会員、オンラインWSメンバー
・母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会会員

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fumi @ 海外転勤する家族の子どもnote
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