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全盲11歳少年 将来の夢はプロのドラマー! その驚きの腕前

JNN 2018 新春 こどものチカラ 1月4日放送より

2歳のときに病気で両目を失った11歳の少年が大阪にいます。「勇気を与えるドラマーになりたい」。家族の愛情に包まれながら、夢に全力の少年です。

酒井響希君、11歳。目が全く見えません。

 「(Q.将来の夢は?)プロドラマーになりたいです」(酒井響希君)

指先でドラムセットの位置をこまめに確認しながら演奏する響希君。ドラム歴は7年あまり。今では各地の吹奏楽団から声がかかるほどです。

響希君は5人家族。両親と中学1年の姉、小学2年の妹と暮らしています。

響希君は2歳のとき、目の小児がんで両目を摘出しました。

「私生活すべてができなくなったので、いちから手で触らせて、ひとつひとつ教えていった状態でした」(母 康子さん)

そんな響希君、視力を失って1年ほどたったころから音に強い興味を示すようになります。

「このへんとか、叩いていた跡ですね」(母 康子さん)

家中の柱や壁を棒で叩いて、いろんな音の違いを楽しむようになっていきました。ドラムに出会ったのは3歳のとき。迫力のある音に感激し、もっと叩きたいと思うようになったと言います。

「すごく大きい音で楽しかった。すごくたくさんの太鼓がある感じがした」(酒井響希君)

希望を響かせながら人生を歩んでいけるようにと名づけられた響希君。

ドラムを響かせるようになって、視力を失ったという絶望が希望に変わっていきました。

「ひとつずつできることが増えていった、ドラムの上達と一緒に。できないことを嘆くことから、できることを喜べるようになっていきました」(父 健太郎さん)

これは、響希君が小学3年生のときに書いた作文です。

「『見えない世界』酒井響希。僕は2歳の時に小児がんで目が見えなくなりました。(中略)目が見えていても見えていなくても、僕には違いがないと思います。できないことは努力や工夫をして、人の倍、練習をすればできるようになるからです。

(中略)僕は将来、プロドラマーになって世界中で演奏するのが夢です。人に勇気を届けられるドラマーになります。僕は多くの人に出会わせてもらって、すごく感謝しています。これからも人との出会いを大切にして成長していきます。見えない世界もいいものだよ」


JNN 2018 新春 こどものチカラ 1月4日放送より