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銅冶勇人さん DO!の精神でアフリカに教育と雇用を(前編)

堀口ミイナ)早速今日のゲストをご紹介して参ります。
認定NPO法人Doooooooo代表理事、そしてアパレルブランドCLOUDYの創業者、銅冶勇人さんをお招きしております。よろしくお願いします。

銅冶勇人)よろしくお願いいたします。

ミイナ)銅冶さん・・・「Doooooooo」「Dooo」、同じじゃないですか?

銅冶)いや、若干これかぶってるんですよね・・・

ミイナ)はい、かぶっちゃいましたね。

銅冶)正直、この番組がはじまったときに「おやおや?」と。名前かぶってきたぞと。「どっちが先だ?俺だぞ」みたいなことを思ってたんですけど、逆にこの「Do」がこの番組を経て広がってるのはうれしいことですけどね。

ミイナ)ご縁ありですよ。ただゼロ(オー)8こ。私たちはゼロ(オー)3つ。しかも後発ということで。えらいのはこっち(Doooooooo)です。

銅冶)後発なりに遠慮していただいたんですかね、数は? 番組のタイトルと「なんかやってこうぜ!」っていう、意味合いっていうのは非常に同じような方向があるのかなとは思うのですが、何かまずはアクションを起こしていこうという意味での「Do」と、あとはこの「O・オー」の8個なんですけど、この「O」を大陸に見立てていまして。世界は大体「7大陸」と。色々説はあるんですが言われていて、8大陸目の「新しい大陸」を築いていけるような人材を 我々のNPOから発掘していこうっていうのが、この「O」8個の意味になっています。

ミイナ)思ったより大分・・・壮大な(笑)

銅冶)綺麗にまとめてしまいましたかね・・・

*****Dooo*****

ミイナ)銅冶さん、自己紹介を・・・

銅冶)銅冶勇人、現在はアフリカで学校を作ったり工場を作ったり、その工場を経てアパレルのブランドを今日本とハワイで展開をしております。それが僕の仕事です。

ミイナ)どういうビジョンの学校なのか

銅冶)NPOをスタートしてからまず教育にフォーカスを置いて、アフリカで学校をずっと作り続けてきてるんですけど、今年の3月に3つ目の学校がチョコレートで有名なガーナでスタートしまして、その学校はこれまでの学校と違って公立の学校を作りました。それは今まで学校作ってる中で私立の学校、つまり僕たちがお金を捻出してずっとお金を払い続けて、その学校を運営していくっていう形を取ると、子どもたちの教育レベルって上がっていくんですけど、なかなか現地の大人の人たちの危機的意識というか、大人たちの成長というのはすごく止まってしまう現状がそこにあって・・・

要は与えられることを当たり前だと思ってしまって、それ以上の努力をしなくなってしまう。その経験を元に今回は公立の学校を作って現地の人たちも政府も自治体も村の大人たちも含めて全員でリスクを持って運営していかないとなりたたないよ、という学校を作るっていうことを今回チャレンジをして作ったという形ですかね。

銅冶)我々のNPOでのアクションっていうのは、やっぱり継続していくっていうことが非常に大事なポイントになっていて、やっぱり一つのビジネスとしてNPOも継続できるような仕組みを作っていかなきゃいけないっていう。
僕たちもその学校の建設、それからアパレルのブランドっていう二つの事業を作ってしっかりと利益を生みながらモノを作っていくっていうことを大事にしてるんですけど、その中でも公立の学校を作るということはちゃんと現地の現場の国と連携をし、何かをやっていくこともそうですけど、しっかり地域の人たちが成長していくっていうことが何より大事なポイントにはなってますね。

ミイナ)そうですよね。公立となると地元の政府とか地方と組んでコミュニケーションしながらやっていかないといけないってことですよね

銅冶)そうですね。現地で人々が何を考えてて、どんなことが問題で、本当は何を求めてるんだろうっていうのは、意外とみんな分かってるようで分かってないというか・・・それこそ現地も学校作ってて、「半年現場に建設業者が来ませんでした」みたいなこともあって、その時はとん挫されたと思ったんですけど、帰ってきて「ごめん、ごめん」と・・・


「どうして休んだんだ?」って聞いたら、「神様が休んでいいって言ったんだ」って言われたときに、「これは面白い」と。これがアフリカかと。

*****Dooo*****

ミイナ)CLOUDYというアパレルのブランドも、ご紹介いただけますか?

銅冶)今、僕が着ているのもCLOUDYという、僕のブランドの洋服になるんですけど、これ全部アフリカの民族衣装の生地を使っています。やはり我々のNPOとして教育を作ることと雇用を作ることっていうのが一番大事にしていることなので、現地に工場を作って、今460名ぐらいの方を雇用させていただいて現地で商品を生産して、現地の素材でそれを日本でCLOUDYとして展開しているという形ですね

ミイナ)これすごくアフリカならではの珍しいというかユニークな柄でポーチとか小物も作ってらっしゃる・・・この生地の選定なんかも銅冶さんが行かれるんですか?

銅冶)そうですね。この生地は現地の人たちが体に巻き付けて生活をしているような民族衣装の生地なんですけど、これも含めて選択をして、現地の人たちにこのポーチ含めた色んなプロダクトを作っていただいてます。

実はこのポーチのビーズなんですけど、これもガラスの廃材からこれを作っていて、アフリカってゴミの問題っていうのが非常に国家問題になっていて、この間ケニアでもビニール袋を使用すると罰せられるっていう法律ができたぐらい・・・ゴミもみんな路上に捨てたりとか、それが国家問題になっていて、ゴミをどうお金に変えていくかっていうのがこれからのテーマになっているんですけど、このビーズもガラスのゴミから廃材を砕いて溶かしてこういうのを作って雇用を生んでるっていうのが一つのポイントになっています。

*****Dooo*****

ミイナ)アパレルということで小物以外に実は学校の制服も素敵なデザインのものがあるんですよね?

銅冶)自分たちの制服とか通学のバッグとかないので、それを今回SUPER THANKSというブランドと一緒にCLOUDYが作らせていただいた。

ミイナ)かわいい。この首元の蝶ネクタイの刺繍・・・これ子どもたちが着たところがまたね、かわいいんですよ。

銅冶)今回この制服なんですが、makuakeのクラウドファンディングを使って、みなさんに賛同いただいてこの制服が誕生したんですが、その中でもスポンサーであるサントリーさんに大きなサポートをいただいて、サントリーさんのロゴを袖にちょっといれさせていただいてるんです。

ミイナ)銅冶さんの事業って結構大きな会社も巻き込んで一緒に進めてらっしゃいますよね、プロジェクトを。

銅冶)本当にこういうことに興味がなかった人たちが、簡単に身近に誰かのためにアクションするっていうのはこんなに身近なことなんだな、すごく幸せなことなんだなっていうのを感じていただくっていうのを僕たちの大事にしていることで、色んな方を巻き込ませていただいて、一緒に何か面白いものを作り上げていくっていうことは新しいシナジーをどんどん生んでいく。一つになっていくし、そういった方々と一緒に何かをするっていうことで新しいビジネスを生んだり新しいきっかけがそこで生まれたり、そこでサイクルが生まれていくことが継続的になにかを作っていくきっかけにもなるので、色んな方々にサポートをいただいて、色んなものを作っていくって感じですかね。

*****Dooo*****

ミイナ)今後の事業で「女性が苦しんでいる状況を変える」とあったんですが、具体的にはどういうことなんでしょうか?

銅冶)具体的には女性の雇用という部分と、あとは女性の教育という部分。この二つを中心に我々のプロジェクトは走っていく形なんですけど、アフリカも含めた途上国の現状っていうのが、例えば女の子が生まれました、その女の子が学校に行くことができませんでした。学校に行くことができない女の子たちが将来的に仕事に就けるかと言われれば、やっぱり仕事にも就けない。じゃあどういう現状があるかというと親戚の家をたらい周りにされたり、ずっと働かされてしまったり、それから親戚の大人の人たちに子どもを産まされたり・・・っていう現状が結構容易にあるんですね。

そういった方々がまた大人になって子どもを生んだときに、同じように子どもに対して教育を受けさせることができない。じゃあどんどんどんどんそのサイクルが永遠と続いていってしまうっていう現状がある。そうしたら女性に対して教育を作っていく、雇用を作っていくっていうことが新しい何かを変化させられるようなきっかけになるんじゃないかなと僕らは思っていて、そのために女性にフォーカスをしてこれからアクションしていくってことが大切にしていきたいなと思ってることですね。

ミイナ)世界的にやっぱり女性の問題って今メディアでも報じられてると 思うんですけれど、アフリカの現状は本当にまだまだ一番つらいところですよね

銅冶)そうですね。やはりどこの国も男女格差っていうのはどうしても拭えないといいますか。僕の個人的な意見かもしれないですけど、女性に救われる瞬間て人生の中でもいっぱいありますから。母親に始まり、僕の最初の上司が女性だったていうのもありますし、色んなターニングポイントで女性が色んな形で助言してくれたりサポートしてくれたり、はたまた一緒に仕事をしていると女性の繊細さとか意外と全体を見る力っていうのは女性のほうが本当に優れてたりしますし、何かを作っていくっていう上でも段階を計画的に作っていくっていうのは女性のほうが長けてるなと思うときもすごく感じたので・・・

*****Dooo*****

ミイナ)実は私、銅冶さんのことを初めて知ったのは就活時代。

銅冶)こう見えてサラリーマン時代がありまして・・・僕も金融(ゴールドマン・サックス証券)で働いてた時に、堀口さんが学生として会社を受けに来てくださって・・・(編集注:結局、堀口さんは商社に就職)

ミイナ)アフリカに行かれたきっかけみたいなものがあったんでしょうか?

銅冶)これはちっちゃいころからの色んな・・・マイケルジョーダン、デニスロッドマン、NBAかっこいい!とかオリンピックのアメリカの黒人の選手すごいなとか、色んなそういう思いとかがある中で、「ウルルン滞在記」って番組がございまして、そちらが大好きでして・・・いつか僕もこんなホームステイしてみたいな・・・なんて思っていた時に、最後に学生生活どうするんだと、思い積もったアフリカにホームステイ行くしかないな!という、軽い気持ちでアフリカのケニアのマサイ族にホームステイに行ったっていうのが僕の最初のアフリカになります。

まさか今のような仕事に繋がるきっかけになるとは自分でも思ってなかったんですが、現地を見て、これは一生かけて何かやっていきたいなという出会いがあったという感じですね。

ミイナ)やっぱり現地でのインパクトはそれだけ大きいものだったんですね

銅冶)ケニアの中でスラムという場所に行って、五感で感じる衝撃と言いますかね・・・目で見て臭いで感じて、人と触れ合って色んなものを感じた時にやっぱり自分の今まで生きてきた中で感じたことのない感情。「あ、この人たちのために何か自分がアクションできるんじゃないかな」っていう気持ちに・・・スラムの現状っていうものを見たときにさせてもらったっていう感じですかね。

ミイナ)学校を作ったりも、すでにサラリーマンの時にされてましたよね?

銅冶)そうですね。それこそ働きながら社会人2年目でNPOを作って、すごくそういった活動に理解のある会社だったので、会社にちゃんと申請をして二足の草鞋としてずっと活動をさせてもらっていう感じですかね。

会社の中も非常にグローバルな雰囲気もたくさんある会社だったので、みなさんが活動に対してすごくサポーティブだったり、会社辞めてからもそうですけど、一生懸命一緒に応援してくれて、一緒にアクションしてくれてる方が多い会社でしたね。

ミイナ)実際に最近チャリティーオークションをされたと?

銅冶)そうなんですよ・・・

ミイナ)結構前の上司の方とかも駆けつけてくれたり?

銅冶)初めての我々のNPOのイベントだったんですけど、どうにか前の職場の六本木ヒルズでそのイベントをやりたいと思っていて、自分たちの新しい学校の開校のお話とか、これからのプロジェクトのお話をしつつ、色んなスポンサーの方に商品とかご提供いただいて。

チャリティーオークションやらせてもらったんですけど、まあ・・・みなさん、思いを持って、びっくりするぐらいの数字をコールしていただきまして、たくさんのお気持ちをご寄付いただきました。

学校の建設から工場の運営から全てを自分たちでやっている中で、それをみなさんと一緒にリアルを感じていただきながら、何か一緒に作っていくっていうことがすごく大事にしていることなので、そういう部分も含めてみなさんにちょっと感じていただけた時間になったかなって思ってるんですけど。

ミイナ)実はここで銅冶さんにコメントをいただいています。

ラグビー元日本代表キャプテン 廣瀬俊朗さん

「めちゃくちゃピュアで熱い奴だと思いますね。人をすごく大事にして、みんなに幸せを渡している・・・そういう所が素晴らしいと思います。同世代が世界で羽ばたいているのは素晴らしいなと思いますし、僕自身もすごく刺激を受けているので、これから彼と一緒に何かやっていけたら良いなと思っています」

銅冶)びっくりしました!

ミイナ)本当に、銅冶さんの活動に共感してる方がたくさんいるんだなって

銅冶)元々ラグビーの日本代表キャプテンとして活躍されて、いま東芝というチームでコーチをやられてますけど、ラグビーのチームだけじゃなくて日本のラグビー界、それから日本の子どもたちの教育含めて何か自分でできることをどんどん貢献していきたいってすごく思って、まさに行動してらっしゃる方で・・・

いつも彼からは僕も刺激をたくさんいただいてるので、来年ワールドカップ・ラグビーありますけれども、やっぱり日本で開催するっていうことの意味合いとか、ラグビーを改めてみんなで感じてもらうっていうことっていうのは、日本の皆さんの中でものすごく大きな刺激になると思うんですよね。それは廣瀬さんを中心に、今なんとか盛り上げていこうってやってらっしゃるんですが・・・本当に一緒に何かやっていこうって言ってくださってるのもうれしいですし、いろんな方が一緒に活動してくださらないと僕らの活動も含めてですけど、僕自身がやっぱり何もできない人間なので誰かと一緒に何かをやっていただけるっていうのは一番うれしいことですから。ありがとうございます廣瀬さん、ありがとうございます。


後編につづく・・・