台風21号豪雨【千葉】川の氾濫情報なぜ出なかった(10月29日 Nスタ)
台風21号に伴う記録的な大雨で大きな被害が出た千葉県で川が氾濫したという情報が住民に伝わっていなかったという声が相次いで上がっています。
どういうことなのでしょうか?
10月25日。千葉県を襲った記録的豪雨。
長柄町では町内を流れる一宮川が氾濫し2人が死亡しました。
町はこの日の午前10時に避難準備・高齢者等避難開始の情報を出し、午前11時半ごろに川の氾濫を消防団が確認していました。
ところが、住民からはこんな声が。
“川が氾濫した”という情報は町から入ってこなかったというのです。
長柄町では氾濫を把握した後も家の2階などへの避難を消防無線で呼びかけたものの、氾濫の発生自体を住民には伝えていませんでした。
長柄町は取材に対し・・・
としています。
そして、同じ一宮川が流れる隣りの長南町でも・・・。
流域面積が大きく水位の予測が技術的な可能な川は「洪水予報河川」に指定され氾濫が確認された場合は国などが大雨警戒レベル5に当たる「氾濫発生情報」を発表します。
しかし、中小の河川の多くでは“氾濫した”という情報を住民にどう伝えるかは各市町村の判断にゆだねられています。
養老川が氾濫した市原市はツイッターなどで氾濫の発生を伝えていました。
専門家は、すべての河川を把握するのは難しいとしたうえで自治体の対応についてこう指摘します。
取材後記
TBS社会部 若狭元氣 記者
千葉県・長柄町では避難情報を防災無線と電子メールで伝えていました。
ところが、浸水した地域で話を伺うと、「道が川のようになり、流れる水の音で防災無線が聞こえなかった」というのです。
また、「大雨で川の水が溢れるのはよくあることで慣れていた」「ここまでひどくなるとは思わなかった」と話していました。しかし、町には住民たちの想像を遙かに超える量の雨が降り、瞬く間に町は川の水に飲み込まれました。
“よくあること”
この慣れによって危機感が麻痺していたのです。
長柄町ではハザードマップの浸水想定域外でも浸水が起き、男性2人が亡くなりました。
いつもと違うという認識があれば防げたかもしれません。
今回の取材を通じて、最悪の事態を想定し日頃から防災意識を高めることがとても大切だと考えさせられました。
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