【千葉】3度の台風で“三重苦” (11月12日 Nスタ)
台風15号、19号、21号。立て続けに3つの台風の被害を受けた千葉県館山市。
小松玲葉 記者:
「千葉県南部館山市の布良地区です。台風被害から2ヶ月がたった今も多くの住宅にはブルーシートが張られたままです」
復旧が進まない理由、それは・・・
工事業者の不足です。
今年9月ー。
台風15号で屋根を破壊され、その後、補修したブルーシートがたびたび飛ばされるなど途方に暮れていた小谷登志江さん。
11月12日、行ってみると・・・。
まだ工事は手つかず。それでもやっと年内に着工できるめどが立ったと言います。
三つの台風による、“三重苦”。隣の南房総市でも深刻です。明治32年創業の老舗旅館「魚拓荘鈴木屋」。
台風15号では窓ガラスが割れ屋根もはがれました。
全16部屋の客室の内、5つの客室が使えず、かき入れ時の9月には予約の9割がキャンセル。
宿泊費だけでおよそ800万円の被害が出たと言います。
経営者の鈴木さんは・・
台風19号で再び屋根の一部が飛ばされたといいます。
客室にはカビに加え・・・
さらに10月25日の台風21号に伴う大雨でも再び館内が浸しになりました。現在も被害を免れた11室で営業していますが、少しでも早い全面復旧を目指しています。
取材後記
TBS社会部 小松玲葉 記者
台風15号の直後から千葉県南部を中心に取材を続けてきました。9月からの3か月間で3度も台風に見舞われ、追い打ちを掛けるように雨が降り続き厳しい状況が続きました。特に、館山市布良地区は屋根が飛ばされるなどの被害が大きく、約3か月になる今でもブルーシートに覆われた住宅が多くあります。寒さが増していくなかで屋根のないまま冬を越す不安もあります。
その中でも前を向いて生活している人がいます。台風直後はショックで体調を崩していた人が、晴れの日に笑顔で散歩をしている姿や、船が壊れ、漁ができなかった人が直った船にのり大きな魚をとって沖から戻ってくる姿を目にしました。
今回取材した魚拓荘鈴木屋さんもそうですが、皆さん口をそろえて、「遊びにきてくれることが元気になる」と話します。取材をする中でも「よく来たね」「話を聞いてもらえて良かった」と温かい言葉をもらいました。「被害を受けた人のために何ができるのか」と考えている方にはまず足を運んでほしいと思います。それが支援の一つだと思います。被害が続いていることを忘れないで欲しい。また一方で、その困難を乗り越えて強く生きている方がいることも伝え続けたいと思います。
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