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09 喉を開ける

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 今回から、いよいよ楽器を演奏する「発音法」の解説に入ります。
 さまざまな楽曲への応用事例を紹介していきます。それらを教材にして、息を自在にコントロールする練習を重ね、最適な表現を可能にするテクニックを身に付けてください。

喉を開けるとは

 管楽器の演奏時には、喉(のど)を開けることがきわめて重要です。これについては、いくら強調しても足りないくらいです。でも、難しく考えることはありません。「喉を開ける」とは、「あくびを噛み殺す」時の喉の状態なのです。
 ではどうすれば、演奏時に喉をあくびを噛み殺す状態にすることができるのでしょうか。

①「あくびを噛み殺す」状態のつくり方

喉(のど)の三方向の動き(イメージ)

 イメージとしては、①喉仏を下げると同時に、②喉の奥を首の後方に引っ張りながら、③斜め上方に吊り上げる、という三方向の動作をします(図を参照)。

 口を大きく開いて「あくび」をする時、喉はこのように動きますが、楽器を吹く場合は口を軽く閉じて「あくびを噛み殺し」てください。ただし、絶対に歯を食いしばってはいけません。口の周りの力もできるだけ抜いてください。

 この動作を何度か繰り返して、あくびを噛み殺す感覚に慣れてきたら、喉を大きく開けた状態で楽器を吹いてみてください。以前とは違って、美しく伸びのある音色になっていることに驚くでしょう。

② 喉を開けた状態での発音練習

譜例:楽器に合わせて上か下の譜面を使ってください。

 発音の練習では、まず、目いっぱいに喉を開けます。次に、喉をその状態に保ち、下腹を凹ませて息を吐いてから、お腹を膨らませて息を入れます(note記事03 管楽器の音が変わる「完全呼吸」参照)。そして、譜例を見て発音してください。ひと息で1小節です。音高は譜例どおりでなくても構いません。自分がいちばん出しやすい音域で練習してください。音量も楽に出せる大きさで結構です。

 この練習のポイントは、①「演奏中に喉が開いた状態を保つこと」にありますが、同時に、②息を下腹から吹き上げていること、③音が滑らかにレガートで移行していくこと、にも留意して音を出してください。何度も繰り返して練習しているうちに、意識しなくても喉が開いた状態を保って演奏できるようになります。

③ ヒント:首を動かして「喉を開ける」

 「喉を開ける」ことは、美しい音色で楽に楽器を吹くのに不可欠です。しかし、言葉で説明することが難しい動作でもあります。そこで、とっておきの“秘策”を披露しましょう。

 まず、首を左か右に傾けます。すると、首筋が突っ張るのが分かります。そのままの姿勢で楽器を吹いてみてください。この時、喉の奥は「開いた」状態になっているのです。首を傾けたまま楽器を吹くことはお勧めできませんが、これで喉の奥が開いている感覚をつかめると思います。

 次に、お腹を凹ませて息をゆっくりと吐きながら首を回してください。右左どちらからでも構いません。口は自然に開くのに任せます。首が半回転して真後ろにきたら動きを止め、首を二、三度ゆすって力を抜きます。これが、「喉の後ろ上方」が開いた状態です。この状態の喉の感覚を覚えてください。


→ 次回へ続く

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