#18 Unschooling 大切な想いがあります
『ホームスクールをあたりまえに生きてる』エッセイ 第18弾
Unschooling ~大切な想いがあります
アンスクーリングを語ると言うのは とても難しいことだと感じています。定義があるわけでなく、その手法があるわけでもない。
ただ「スクール”ではない”」とだけいえることです。
Unschoolingを和訳するとき、「学校」を使う表現があります。「反学校」「脱学校」もなんだか違っている気がします。
学校改革のためのなにか…でもないんですね。「アン・スクーリング」なのですけれども、「スクール」とはとても遠いところにあって、かけ離れていて、ちっとも「スクール」要素を持たないような、そんなイメージがあります。
「スクール」とは、似て非なるものでありながら、こどもの”生きる”を尊重しているうちに、どうしたってそこにそうなってしまう本質的なものです。
ただ、最近は「アンスクーリング」もまた手法のひとつとして解釈されている印象も受けます。
・「非認知能力」を重視したプログラム
・「既存の公的な学習カリキュラム」とは異なること
そんな条件を兼ね備えている風でもあります。
だからこそ、こんなことが言われてしまうのかなとも思ったりします。
「アンスクーリングは(ホームスクーリングは)教育に詳しい保護者やアウトソーシング可能な裕福層のもの」。
条件があるために、条件に適う場合にのみ実現できるなにか…。そんな下制限のついた別物になってしまった感じがします。
・・・ちがうよね
だって、アンスクーリングにもっとも必要なことは
たぶんきっと
そこに こどもが居ること
こどもが こどもらしく
にんげんらしく
その存在そのもので 存在していること
そういうことなんだと感じています。
理屈ではないんですね。”そんな感覚”を肌で感じるのです。
だから、こんな言葉が口から出るのです。
「こどもがおしえてくれる」
この言葉はとても謙虚な表現だと思います。
こどもの姿を観察して、深層にあるココロを汲み取るようなことです。
言葉になる前のうったえかけが、心に直接響いてくるようなことです。
受け取る側の準備がなければ、難しいことのように思います。
こども観
昔の「こども観」というものは、”こどもは真っ白である。未熟な存在である。ちいさなおとなである。”というものでした。
「ちいさなおとな」の意味は、身体が小さいだけで、訓練すればおとなと同じことができるようになるということです。
「未熟な存在である」の意味は、”人間・ヒト”になるまでの何者かであって、立派な人間になるために必要なあれやこれやを教え込まなければいけないという考えです。「こども」という言葉が存在しなかった時代の話でしょう。
「こどもは真っ白である」の意味は、上記と同じものです。まっさらであるから、最初から順番に必要なことを教え、導かなければならない、というものです。
「大人」の基準があるようです。
「大人」は、社会を支えるメインキャラクターです。「社会人」の代表で、標準例です。そして、どうやら「完璧」でなければならないようです。
なぜって。
それ以外の存在は、だいたい「弱者」と位置付けられていて、だいたい「支援を受ける側」とみなされているからです。
でも、本当は。
完璧な人なんていなくて。
完成した人間なんていなくて。
だから本当は、「大人でない人たちから学ぶ」ことのほうが、ずっとずっととても大きいんです。
「大人でない人たちから得る気づき」が、ずっとずっとはるかにたくさんあるんです。
そのことを知ったら、おとなたちは、もっと謙虚になれるでしょうね。もっと学びたくなるでしょうね。もっと知りたくなるでしょうね。もっと教わりたくなるでしょうね。
「真実」に近い人だ、と感じるからでしょうね。
「大人」になるようにつくられた「大人」たちは、「大人」でない人々からこそ、多くを学びます。「学んでいる」ことを自覚すればいいだけです。
邪魔をしているのは「大人」のプライドですか?
アンスクーリングは、徹底的に「スクールではない」を追求しています。
だから、見えてくることがあるのだと思います。見えないけれど、確かにそこにあるなにかをつかみとるために、それはおこなわれてきました。
壮大な実験だったかもしれません。
「生きる」ということの、
「人である」ということの、
意味を知りたいために。
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ホームスクールをあたりまえに生きてる
「ホームスクールをあたりまえに生きてる」シリーズを集めたマガジン 2022年5月スタート。 更新中。基本的に全文公開としています。 気に入…
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