型破りなボーカルグループ Labelle
癖のある強力なPatti LaBelleと勝るとも劣らない力強い声の Nona Hendryx と Sarah Dash。3人が繰り出す、なだれ落ちる分厚い滝のようなコーラスと喧嘩のような掛け合いは強烈です。それでいてアンサンブルとしてちゃんと成り立っています。なんともいい。
The Who の "Won't Get Fooled Again" をカバーし、Funky な仕上がりの「Moon Shadow」(1972年)、有名な "Lady Marmalade" が入った、仕掛け人 Allen Toussaint プロデュースの「Nightbirds」(1974年)、解散前の集大成ともいえる「Chameleon」(1976年)と、どのアルバムもそれぞれにいい。ですが LaBelle の歌の醍醐味が一番出ているスタジオ・アルバムは、なんといっても「Phoenix」(1975年)だと思います。
有名な "Lady Marmalade" は派手に見えるけれど、抑えるところはぐっと抑え、ポップに仕上がっています。さすが はAllen Toussaint のプロデュースです。
Lady Marmalade
「Phoenix」も Allen Toussaint のプロデュースですが、「Nightbirds」で、自分たちの歌をよりポップな音の中で表現する経験を得て表現の幅を増した(それでいて強烈さも増した) 3人の歌声に、より焦点が当たっているように思います。実にすごいアンサンブルです。その中から伸び上がる Patti LaBelle の歌も冴えています。全体を支える演奏の腕前も見事です。 Nona Hendryx の書く曲もいい。本当に素晴らしい。
(2019年8月にinstagram(philosophysflattail)に書いた記事を手直ししたものです。)