R&B 稀代のダンサー Aaliyah
Aaliyahの3つのアルバム『Age Ain't Nothing but a Number』(1994年)、『One in a Million』(1996年)、『Aaliyah』(2001年)とアルバム未収録の "Are You That Somebody?" はどれもとてもいい。
当時はほとんど興味がなかった。The Fugees の気だるいライブ映像を見て驚いていたから、この頃の Hip-hop・Rap・R&B をちょこちょことは聴いていた。だけど Aaliyah はその外だった。ステージ上でのダンスにその頃はあまり興味がなかったからだと思う。Aaliyah は優れた歌手ではあるが、なんといっても Dancer だから。
"Are You That Somebody?" Aaliyah
気だるくはじまりつつ盛り上がる The Fugees の野卑な魅力の方が分かりやすかった。Lauryn Hill や Wyclef Jean のあくの強いやり取りも好きだった。
The Fugees Live
それに比べると、Aaliyah は洗練されすぎているように見えた。
今はこの当時の Hip-Hop・Rap・R&B の中で Aaliyahの『One in a Million』(1996年) はちょっと頭抜けていると思う。地下から湧き上がる力のようなものを感じる。
Aaliyah Live 1997
『Age Ain't Nothing but a Number』の2曲の後
『One in a Million』の4曲
Timbaland・Missy Elliott らの大きな支えの元とはいえ、凄いと思う。
Aaliyah feat. Missy Elliott & Timbaland - Hot Like Fire (Timbaland's Groove Mix) (Original Video)
Timbaland & Magoo
Up Jumps da Boogie feat. Missy Elliot
Aaliyahの姿も見えます
アルバム『Age Ain't Nothing but a Number』の時点でもそうなのだけれど、ステップを踏みたくなるというよりも、踊っているのがこちらに伝わって、体の芯が震えて来る感じがする。
ステージを好み、Performer で Entertainer である事に徹した Aaliyah の音楽だけを聴くのは、本来ではないのかもしれないが、『One in a Million』は、歌・コーラス・ラップ・セリフ・演奏のやりとりが、さりげなくもスリリングで、ステージでの実演をアルバムで表現していると思える。言葉の使い方も面白い。
彼女がステージで得てきた力に、Timbaland・Missy Elliott らが培ってきたものを注ぎ込んだ。といっても「Aaliyah、あんたはこのくらいのことできるでしょ?」と背中を押している感じがする。
最後のアルバム『Aaliyah』を聴いても、まだまだ手の内はいくらでもあって、やる気に溢れている感じがする。
Aaliyah Live (アルバム『Aaliyah』所収の曲)
22歳で飛行機事故で亡くなる事がなかったら、今はどうしていたろうと思わずにはいられない。
2001.9.11のテロの17日前に起きた事故だった。
(以前にinstagram(philosophysflattail)に書いた記事を手直ししたものです。)