秘められたソウル Richard "Dimples" Fields
力強い Soul Music やR&B を好んで聴いてきた僕からすると、ソフトな印象のものが多い1980年代の Soul Music の中で、他の歌手よりも一見さらに弱々しく歌っているような Richard "Dimples" Fields の歌が、なぜかとても好きです。アルバム『Give Everybody Some』は繰り返し聴く、お気に入りの1つです。
アルバムを通して、この人はかわいい声で歌っているけれど、強烈な Soul を内に秘めているように思える。それを全開では出さずに、当時のはやりの音楽に合わせながら、しかし端々にそっとのぞかせている。しかもそういう風に歌う事を、どうも楽しんでいるような感じがする。なんだろう、この余裕は? 曲調も多彩で、それを歌いこなす腕も凄い。しかしあくまでもさりげなく、それを感じさせない。それでいて、けっこう酷な現実も歌う。独特のリアリティがある、実に Funky なアルバムです。
『Give Everybody Some』 所収
「People Treat You Funky
(When Ya Ain't Got No Money!)」
どういう人なのだろうと少し探ってみると、Richard "Dimples" Fieldsは1970年代を通して、Funky で Soulful な音楽を作ってきたベテランであることが分かって来る。
生年は前に書いた James Carr と同じ1942年。New Orleans 生まれ。なるほどと納得した次第です。
(以前にinstagram(philosophysflattail)に書いた記事を手直し加筆したものです。)