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映画 Die Hard の社会性
若かりし頃にはやった1988年のブルース・ウィルス主演のアクション映画「Die Hard」を3回連続で観てしまった。英語で観て、日本語で観て、また英語で観た。細かい所を1つ1つ確認し、メモを取りながら。
むかし観たときも、ただのアクション映画ではないと感じてはいたけれど、何ともこれは、社会派というレッテルが貼られてもおかしくない映画だと思います。そのような画一的見方をされるのが嫌で、アクション映画の体裁をとったのではないかと思えてきます。中心にあるテーマも、あくまでもアクションを盛り上げる味付けの良うに見せ、その影に社会問題とは無縁と思える筋を入れる事で、むしろ別の社会性を浮き彫りにし、外縁にもドキリとしたりニヤリとする話題をちりばめている。
男女間、職種間、人種間の事、貧富の差、暴力。アメリカ社会の縮図が描かれている。ステレオタイプな描き方や大げさな部分も、問題を浮き彫りにする仕掛けなのだと思えます。若い頃には気が付かなかった事が実に多い。
全部をとても書けないし、ネタばらしになる事は避けたいが、少しだけ触れると、狙われた会社の日本人社長の経歴と人物像には本当に驚いたのと、ひねってはあるが、キング牧師(映像*)の演説を連想したシーンがあります。アクションには独特のリアリティがあり、黒沢
映画(「用心棒」「椿三十郎」「七人の侍」など)の影響が見られるように思います。
なぜ気付かなかったのかと、不思議に思うほどです。現在の日本と重なる事もあります。なんともはや。
原作は読んでいませんが、あらすじを読んだ限りでは、全くの別物の様です。
(2017年6月にinstagram(philosophysflattail)に書いた記事です。)
*文中のリンク映像 How Long? Not Long! Martin Luther King in Montgomery, Alabama on March 25, 1965.