某大手運送会社の繁忙期引越アルバイトで二ヶ月働いた話(大学生がミニマリストになる⑤)
ことの発端は去年末くらいから、私がミニマリストになりたいと思ったことがきっかけでした。もちろん学生をやっていてお金が無いこともありましたが、お金をもらいながら社会経験もできてさらに他人の部屋を合法的にのぞき見ることができる、そこから私が今後生活していくためのヒントを得ることができるのではないか、といった思惑があってアルバイトに応募しました。
以降では詳しく章立ててレポしていきます!
アルバイトとしての労働条件
この記事では私が二ヶ月アルバイトとして勤務した運送会社をH社とします。私はH社正規の配送助手アルバイトとしての採用でした。正規のアルバイトは2週に1回シフトを決める電話がかかってきます。証拠が残らないので、今回はトラブルになりませんでしたがメールでのやりとりかSMSでのやりとりの方が良かったなと感じました。時給は1400円、7時間労働1時間休憩、8時間以上の労働は×1.25の賃金でした。県内の最低賃金は900円後半ですので、それで7時間は確定でシフトに入れるので学生からすればかなり条件が良いアルバイトだと思います。少なくとも某パン工場の夜勤よりはマシかと思います。パン工場のアルバイトには行ったことはありませんが、聞くところによるとかなりキツいみたいですし、H社での配送助手は日中のシフトで生活リズムはむしろ普通の大学生よりは良いかもしれません。
後述しますが基本的に肉体労働ですので体力の削られ方は、特に始めたてはキツかったです。慣れると作業によってはほぼダメージゼロになります。繁忙期は長時間労働になりがちでしんどいです。その代わりに一日15000円から18000円ほど稼ぐことができます。
実際の労働
実際は労働募集の文面にない要素が絡んできます。
ひとつは配送するものの内容です。
このアルバイトでは普通の宅急便では扱えない大きな宅配物、洗濯機や冷蔵庫などの白物家電やソファ、棚などの大きい家具などのもの、某フリマアプリにおける家財集荷配達などが主な商品でした。その中のひとつに「かご」に収まるような容量に収まる単身の引越が3月の主な商品になります。「かご」については「ロジスティックス かご」などと検索するとイメージしやすいかと思います。
それらの配送する商品が軽ければ楽なのですが、ドラム式洗濯機や大型のテレビ台や冷蔵庫などの配送は少ししんどいです。でも社員の方が実際に配送する際に運び方を教えてくださります。男性は部活動をしているくらいの基本的な筋力さえあれば問題無いと思います。なお、筋力はあればあるほど現場では重宝されます。
繁忙期に多く取り扱う「単身引越」ですが、こちらは家具家電の配送に比べたら圧倒的に楽です。ドライバーによっては時間をかなり意識して現場を回る人に付いた場合にはかなりの俊敏さを要求されます。タッグを組むドライバーさんについてはそれだけ別でまとめたいと思います。
タッグを組むドライバーさんは、アルバイトによって合う合わないがあります。これがピンキリで最もこのアルバイトでしんどかったです。アルバイトで組む社員さんは前日の夕方以降に不意に伝えられない限りは当日の朝事務所で知ることになります。当日行くまで相性のいい社員さんと組むのか、組んでいて疲れる、半ばパワハラのような扱いをされる社員さんと組むのか分かりません。これが当日朝までの行くテンションを大きく下げる大きな原因になっていました。やはり組んでいて波長のあう方とは肩の力を抜いて仕事ができ疲れにくいですし、波長の合わない方との仕事はかなり疲れますし、必要以上に労働時間が延びドライバーさんのストレスも大きくなります。建前にはアルバイトには腹は立たないというようなことをおっしゃいますが、本当に仕事ができない時にはかなり腹が立っていると思います笑(個人的な予想です)。さらに、ドライバーさんによっては電子たばこを吸う方もいらっしゃるので耐性もも必要かもしれません。吸わないでほしいと伝えれば良いかもしれませんが。
このような調子で週に2,3日シフトに入っていろいろな人の家に上がったり引越の集荷配達をしてミニマリズムについて少しずつ考えていくことができました。
お客さんの買い物と引越事情
ここでやっと本題のミニマリストになるためのヒントについて考えていけます。
今回のアルバイトの業務のひとつである、ECでの商品の配送から感じたことは、買い物上手はミニマリストの条件であることでした。大きな家具を配送する際に「こんなもんいるか?」と思ってしまうようないるのか分からない大きなものを買われる方は家が狭く実際にそれを使いこなせるのか?と思います。大きな物を処分するのにはかなりの労力も使うので細かい物だけではなく大きなものを買うときもやはり熟考が必要ですね。
さらに、ネットフリマなどで出品されている洗濯機を買われる方に共通することも発見しました。洗濯機は皆さんは新品を買われる方が多いと思います。中古品は中のカビなどがどのような状況か分かりませんし、前の使用者の細かな皮膚片など衛生的な観点で購入は控えたく思います。
そんな、中古の洗濯機、加えてそこまで高級な物ではないのに中古を買われる方について、家の中に入ると我々が入るために作られた道があるだけで他の居住スペースには細かい生活雑貨なのかごみなのかよく分からないものが大量に置いてあることが多かった。通路にでもテーブルにでも棚ではなく直に置いてある。
このことから買い物で積極的に他のデメリットを無視しても安価な商品をオンラインで購入する層は整理整頓ができないマキシマリスト(?汚いだけで物が多い人のことをマキシマリストと呼ぶべきでは無いと思う)であることが多かった。ここで追記すべき事項としては、あくまでも私から見た感想なのだが、このような方々はそれほど頭が良いとは言えず正確な定義からのカテゴライズではない。しかし貧困層もしくは現状で稼ぎが少ない人である可能性が高かった。家は持ち家なのだろうが、買い物のしすぎでお金が無くなっているのでは?と邪推した。
また、住んでいる地域によっても部屋のものの多さというのに相関があるように感じた。
具体的には交通の便がよくない地域ではものが少なく、交通の便がよい場所ではものが多くなる傾向にあると言うことであった。これは一人暮らしや若いカップルにかぎった話である事に留意されたい。単純に交通の便が良いところではものの購買による消費がカジュアルに行われやすいのでは無いかと思っている。逆に交通の便の悪い場所では消費活動がしにくく仕事と家族のことでいっぱいになってしまうのではないかと予想している。
しかし、ある程度以上の年齢を重ねられた大きな住居に住まれている方は逆に交通の便が悪くとも物が多い家になっていることが多い。逆に交通の便がよい値域で大きな家に住まれているいわゆる中間層から富裕層といわれる方の家はある程度整理された部屋で生活しているように見えた。
では実際に部屋にものが多い、買い物が下手そうに見える人は幸せそうに見えるかどうかですが、人それぞれだと思いますが、商品の引き渡し時には特にその商品が買った人を幸せにしているかどうかは分かりません。むしろ脊髄反射的な商品購入のドーパミンの作用で嬉しそうには見えます。ミニマリズムの実践は緩やかに低刺激に自身に効いてくると思います。だから商品お届けの際には正直なにも分かりません。
ただ、部屋に物が多い人は何処か暗い雰囲気を宿していた。
以上のことから思うこと
2ヶ月間、働いてみて思ったことは、所有するものや家にあるものの多さとは収入と家計の相関が大きそう、ということだ。これはあくまで私の所感であって根拠は私がみたことだけになってしまうのだが許して欲しい。
収入が多いからものが少ないかはさておき、今回のアルバイトで訪問する機会が多かった、収入が少ないであろう方たちの家を見るに都市部に住んで収入が少なそうな人の家には物が多かった。余裕がない暮らしでは私には捨てれば良い物でも家に置いてあることが多かった。逆にある程度。恐らく平均的な会社勤めの方などの家ではある程度ものが整理されており部屋が狭くてもすっきり(とした印象)だった。
この関係は整理整頓>収入ではなくて、収入>整理整頓なのではないかと仮説を立てたい。先も述べたように収入は生活するための余裕を生む。ある程度考えていればずっとお金のことを考えなくても必要なものを買うことができ、必要なければ買った物を処分することができる、そのような余裕が部屋をきれいに保つコツなのではないだろうか?
逆にお金が無い人は、絶対に部屋をきれいにできないのだろうか?私はそうは思わないが、条件があると思っている。これはお金がある人とは因果が逆で、お金を使わない、徹底的な節約と消費に対する熟考によってしか達成されないと思う。
生活するのも厳しいくらいお金が無いのならば、無駄な出費をしないことが一番である。無駄な出費を抑えることで部屋はきれいにものを少なくすることができるし、お金も従来であれば使ってしまっていた分が手もとに残る。
でもこれは、ミニマリズムだろうか?私にはただの清貧にしか見えない。
最近ミニマリズムを実践しているYouTubeを見ていると、その清貧とミニマリズムを取り違えている人が多く悩ましい。私は修行僧のような清貧になりたい訳ではない! ものはもっていてもそれを最小限に、お金にこだわらず身の回りの物質的な生活をsimplifiyさせたいだけなのだ。
ミニマリズムは元はというと1960年代に勃興した芸術運動のひとつで日本ではそれがもの派となっていく(このもの派とミニマリズムについても記事にしたいがアート好きの私だがもの派は詳しくないので勉強してからになる)。
結局現代の日本のミニマリズムの定義はなにであろうか?
まとめ
ここまでアルバイトからミニマリストインフルエンサーについて書いてきたが、結局のところアルバイトは今後の僕の人生を考える上で様々な角度から有意義なものになった。特に暇と体力を持て余している学生にはおすすめのアルバイトだ。
今後はこのアルバイトの経験から今一度私の部屋を見渡してものを処分していったり、買うものの基準を考えていきたい。
今後もこの連載「大学生がミニマリストになる」をよろしくお願いします。