中欧・アルバニアへの旅-準備編③
見出し画像は、アルバニア南部に位置するGjirokastër という都市にある建物です。
外国語の単語をそのまま日本語に変換しようとしたときに違和感を持つことがあります。なんというかスペルをそのままローマ字読みで無理やりカタカナに翻訳している感じがするのです。
ことアルバニアという単語関しても、このような何とも言えない日本語翻訳のセンスに物申したい衝動が抑えられません。
Albania-英語で綴るとこういうスペルになります。確かにローマ字に忠実に従って読もうとすれば、あ・る・ば・に・あ、でもおかしくないような気がします。
しかしながら、これ、英語の発音に従えば、アル"べ"ニアの方が忠実です。発音記号は、【ælbéɪniə】です。もっといえば、エルベイニァの方が自然でしょう。※スマホだと発音記号が正しく表示されない場合があります。
すみません(笑) ちょっと熱く語ってしまいました。余談はここまでとして、本題に入りましょう。
今回のテーマは、アルバニア人の人口・経済事情・慣習・宗教についてです。
前回までの記事はこちらをご覧ください。
アルバニア人の人口・経済事情・慣習・宗教
宗教観
まずは、先にアルバニア人の宗教について話していきたいなと思います。
アルバニアの中で、最も大きな割合を示すのがイスラム教です。外務省のデータによると、人口約284万人(2021年)のうちの57%がイスラム教徒です。ローマカトリックは10%、正教は7%です。
イスラム教徒が多いのは必然で、もともとオスマン帝国の支配下にいましたからね。1912年にオスマントルコから独立しています。その後、鎖国したり、宗教禁止政策をとったり、ややトリッキーな方向へと国が動いていきました。
ただし、私がこの宗教の割合を知ったのは、20,30人ほどのアルバニア人とオンライン英会話で会話をした後でした。すごく驚いたのを覚えています。
なぜなら、彼女たちからはイスラム教徒の面影を全く感じられないのです。なぜなら、彼女たちは全くイスラム教徒らしい服を纏っておらず、露出度が高い服をむしろ好んで着ているし、礼拝をする様子もない。おまけに、豚肉を食べる文化が普通にあるからです。
しかし、後に何人かのアルバニア人に彼女らの所属する宗教について尋ねたときにイスラム教徒であるというのです。私のムスリムの対するイメージからかなりかけ離れていました。
ある女性に話を聞くと、アルバニアは宗教に寛容であり、人にもよるがそれほど強い規則もないとのことです。ただ所属しているだけという感じでしょうか。断食の経験もほとんどないという方も普通にいました。
話を今度はキリスト教徒について移します。外務省の統計のように、一定の割合でいるキリスト教徒の方とも話しました。ある方は、熱心に布教活動をされている一方、別の方は信仰を辞めたと話していました。
要するに、人それぞれ事情が違うので、お互いがお互いの宗教についてそんなに気にしないということでしょうか。これは、地域差もありそうなので、現地に行ったときにわかることも多そうです。
人口・経済事情
人口というテーマで書くとするならば、通常はほんの数行で話は終わってしまいそうです。現に、全体の人口は上述しましたし。実際に、約300万のアルバニア人がアルバニアに住んでいます。ここで、ポイントなのは、アルバニアに住んでいるアルバニア人がその数という訳だけであって、別の国に住んでいるアルバニア人が実はたくさんいるということですね。
別の国に住むアルバニア民族を合わせれば、全体で1,000万人いるとも言われています。つまり、アルバニアに住むアルバニア人よりも、他国に住んでいる数の方が多いんですよね。これは、日本人的な価値観からすれば、想像しづらいです。
この理由は、二つあると思っています。一つは、歴史的問題。アルバニアの北側にはコソボという国があります。ここは、アルバニア人とセルビア人が住んでいる場所でして、たびたび両者が衝突しているようなのです。
有名なのはコソボ紛争ですね。1998年から1999年にかけて起こりました。それ以前からコソボに関しては両者の対立がありましたし、近年ではコソボとセルビアのサッカーの試合で、暴動が起きました。
コソボ以外にも、近隣の国だとマケドニアやモンテネグロにもアルバニア民族は住んでいます。
二つ目の理由は、経済的豊かさを求めて、海外移住をするケースです。アルバニアはヨーロッパの最貧国と言われることもあり、非常に経済力が貧弱です。主だった産業が見受けられませんし、物価も物凄く安いです。そのため、特に若い世代は、外に出て行ってしまうという傾向が相次いでいます。主な彼らたちの移住先は同じヨーロッパ圏内です。
例えば、私が直接聞いた話だと、イギリス、イタリア、ドイツに住む方が多い印象でした。ドイツは、特定の職業の方しか受け入れていないようですが。イギリスに渡るアルバニア人については社会問題となっており、不法移民が相次いでいるとか。私が話したアルバニア人の方の故郷の人口の9割は国外に出てしまったとのこと。これは、驚きですね、、、
こういう話だけだと、マイナスな印象しか感じられませんが、彼女らの中には愛国心が強い方もいます。家族、友人がアルバニアにいて満たされているため、移住は考えていないということを話す方も何人かいました。
また、国外に住むために、物凄く努力して勉強されている学生の方もたくさんいます。将来の暮らしを夢見て、就きたい職業に就くために一生懸命頑張っている方もいますので、こちらも応援したくなる気持ちが生まれます。
彼女らは聡明で語学が堪能で数か国語話せたり理解できるのは当たり前のようですし、良い暮らしをする切符を手に入れるのは、そういった能力を示す機会に恵まれれば、、、ということなのでしょうか。
慣習
まず慣習として、私が強い印象を持ったのは、彼女らが家族付き合い・友達付き合いを大事にするということですね。
特に家族については、親戚によく会っている感じがあります。向こうで家族というものを考えると、親戚も広義で家族という括りに入るみたいなんですよね。人にもよると思いますが。
また、友人の家に友人の家族公認でしばらく住んだり、友達とシェアハウスをしたりというのはかなり一般的なことのようです。あまり、自他の区別をしないような習慣を持っている感じはあります。初対面の人にもフレンドリーなため、そういったオープンなマインドを持つ国民性なのでしょうか。
友人との交流についてですが、友人とカフェで過ごすことはアルバニア人の最もメジャーな余暇の過ごし方みたいです。経済的な問題で、そんなに多くのレジャー施設がないため、友人たちと談笑することが彼女たちの楽しみとのこと。基本的に、オープンな性格な方が多いので、人と長時間過ごすことを厭わないのでしょうか。
もちろん、そうじゃない方もいましたが。それから、面白いことに、国土の狭さからか、私が以前話した別のアルバニア人のことを知っているケースが多いんですよね。住んでいる地域が隣街だとしても、お互いの顔と名前を知っていたり、はたまた親友だったり。日本に田舎みたいな感じでしょうかね。
それから、彼女らは、親友とそれ以外の友人をよく区別します。アルバニア人だけに限った話ではないですが、友人のことを親友と自ら公言しますし、親友ではない方の話をするときは、ただの友達である、というような説明をしたりします。
日本だとどうでしょう。たとえ仲良い友達がいるとしても、他人にその方のことをわざわざ親友だと公言するでしょうか。また、ただの友達であったとしても、わざわざただの友達であると他人に自ら話すでしょうか。
次に面白い慣習だと思ったのは、食事の時間がすごい遅いんですよね。例えば、お昼ご飯に関して言うと、皆さん16時ごろに食事を摂りますし、夕食について言えば、21時とか22時とかザラにあります。
大学生なんかは、お昼休みが存在しないみたいなんですよね。つまり、お昼の時間であっても、授業と授業の合間の休憩時間は10分程度。そのため、必然的に昼食をとる時間が遅くなってしまいます。
以上のことは、すべて私がアルバニア人から直接聴いた話です。この他に多くの慣習はあるでしょうし、そういったものを現地で発見できるのは楽しみです。
では、今日はここまで。
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