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第1話: 痩せる!…はずだったのに?! ~確証バイアスにご用心~


ストーリー
会社員の真由美は、最近、体重増加が気になっていた。

「このままじゃ、夏までに水着が着られない…!」

彼女は、インターネットで見つけた「〇〇ダイエット」という新しいダイエット法を試してみることにした。
このダイエット法は、「〇〇を食べるだけで、簡単に痩せる!」というキャッチフレーズで話題になっていた。
真由美は、このダイエット法の効果を信じ、早速、〇〇を買い込んだ。
そして、毎日欠かさず〇〇を食べるようにした。
しかし、1週間経っても、体重は全く減らなかった。

「あれ?おかしいな…。」

真由美は、不安になりながらも、インターネットで〇〇ダイエットについて調べてみた。
ここで、真由美は、2つの行動に出ます。
1つ目は、〇〇ダイエットの成功談ばかりを熱心に探すこと。

「こんなにたくさんの人が成功しているんだから、私もきっと痩せられるはず!」

彼女は、成功者の体験談を読み漁り、モチベーションを高めようとした。
ダイエット開始当初の体重や体質が自分と似ている人のブログを見つけると、より一層希望を持つ。

「この人も私と同じように、最初は効果を感じなかったけど、2週間後には効果が出始めたんだって!私も頑張ろう!」

彼女は、成功談に強く影響され、自分のダイエットも成功すると確証を深めていく。
2つ目は、〇〇ダイエットの批判的な情報を目にすると、それを無視したり、反論したりすること。

「〇〇ダイエットは効果がない」という記事や口コミを見つけても、「この人はやり方が間違っているんだ」とか「体質に合わなかっただけだろう」と、都合よく解釈してしまう。

あるいは、「〇〇ダイエットは危険」という専門家の意見を見つけても、「専門家なんて、新しいダイエット法に反対するのに決まっている」と、その意見を否定してしまう。

このように、真由美は、自分の信じたい情報だけを受け入れ、都合の悪い情報は排除することで、〇〇ダイエットの効果に対する確信を強めていった。
そして、さらに〇〇を食べる量を増やした。
しかし、体重は減るどころか、逆に増えてしまった。

「なんで…?」

真由美は、落胆し、〇〇ダイエットを諦めてしまった。
彼女は、確証バイアスの罠に陥っていたのだ。

解説
確証バイアスとは?
確証バイアスとは、自分の考えや信念に合致する情報ばかりを集め、反証する情報を無視したり、軽視したりする傾向のことです。
真由美の場合は、「〇〇ダイエットは効果がある」という自分の考えに合致する情報ばかりを集め、「〇〇ダイエットは効果がない」という情報を無視してしまいました。
その結果、〇〇ダイエットを続けるという誤った判断をしてしまい、体重が増加してしまったのです。

確証バイアスのメカニズム
確証バイアスは、なぜ起こるのでしょうか?
それは、私たち人間が、**「認知的不協和」**と呼ばれる状態を避けるためだと考えられています。
認知的不協和とは、自分の考えや信念と矛盾する情報に接したときに感じる、不快な精神状態のことです。
私たちは、この不快な状態を解消するために、自分の考えや信念に合致する情報ばかりを集めようとしてしまうのです。

確証バイアスの影響
確証バイアスは、ダイエットだけでなく、様々な場面で影響を与えます。
例えば、

* ビジネス:新しい事業を始める際に、成功する可能性が高い情報ばかりを集めてしまい、失敗するリスクを過小評価してしまう。

* 投資:特定の銘柄に投資する際に、その銘柄のポジティブな情報ばかりを集めてしまい、リスクを正しく評価できない。

* 人間関係:特定の人物に対して、良い印象ばかりを持ってしまい、その人物の欠点に気づかない。
などがあげられます。

確証バイアスへの対策
確証バイアスに陥らないためには、以下のことが重要です。

* 情報源を確認する:情報源が信頼できるかどうかを確認しましょう。

* 証拠に基づいて判断する:感情や主観ではなく、客観的な証拠に基づいて判断しましょう。

* 異なる意見にも耳を傾ける:自分の意見と異なる意見にも、耳を傾けましょう。

* 自分の考えを疑ってみる:自分の考えが正しいとは限らない、ということを意識しましょう。

まとめ
確証バイアスは、私たちが陥りやすい認知バイアスの一つです。
確証バイアスに陥らないためには、情報収集の際に注意し、多角的な視点を持つことが重要です。


次回予告
第2話では、「第一印象の呪縛 - アンカリング効果」について解説します。
お楽しみに!

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