「俺には味覚が2つしかない」とうそぶく よく食う男
僕の友人、大久保の話です。
大久保とは、よくバーベキューに行っていました。
よく食う男
僕らの仲間では、大久保は一番の巨漢です。
彼の体重は聞くたびに違うので、
覚えていません。
ある時、一昨日に聞いた時と比べて、
彼の体重が3kgぐらい違っていたので、
さすがに突っ込みました。
すると、
「 ああ、昨日ちょっと水を飲みすぎたんや 」
と彼は答えました。
3kgぐらいの差なんて、
彼レベルになると、それぐらいのものらしいです。
高い肉もガツガツ食べる
さて、仲間内でバーベキューに行くと、めちゃめちゃ楽しいですよね。
大自然に囲まれて、良い肉を食べる。
最高に幸せな時間です。
しかも、当時、独身貴族だった僕たちは、
どんどん良い肉を買うようになっていました。
しかし、大久保は、そういう値段の高めの肉でもバクバクとたいらげます。
肉の値段なんか関係ない。
「 めっちゃうまい! 」
彼の叫び声が森にこだまします。
あっと言う間に無くなります。
見ていて呆れるぐらいの食べっぷりです。
「 おまえ、ちょっとは味わえよー笑 」
いつも、イジられていました。
しかし、こういうことが続きました。
何度バーベキューに行っても、その大久保の食べ方は変わりません。
いつでも、なんでも、良く食べます。
良い肉であっても、止まりません。
味覚への疑惑
ある時、僕らは、
「 大久保に良い肉を食べさせるのはもったいないんではないか? 」
と気づきました。
そして、徐々に大久保の味覚に対しても話が広がります。
という仮説が、巻き起こってきました。
とうとう僕らは一度、
本当に本当に安い肉を買ってみました。
1kgぐらいで味付け肉になっている商品です。
真空パックに入っているようなものでした。
もちろん、友達である大久保に
内緒でそういうことをしたのではないです。
大久保にも、
「 これはおまえ専用な 」
などと伝えた上で、買いました。
大久保も
「 おいおい、めっちゃ安い肉やんけー 勘弁してくれよー笑 」
などと言って笑っています。
激安の肉
さて、バーベキューが始まります。
ある程度、序盤で良い肉を食べ切りました。
「 まだ食べたい 」
という大久保に対して、激安の肉を焼いて、出しました。
すると、大久保はその肉も
「 うまい、うまい 」
と言って食っています。
僕たちも食べてみたんです。
いや、全然美味くない。
味は濃すぎるし、食感がゴムのようですし、
決して美味しいものではありませんでした。
何よりも、塩味が強い。
塩辛過ぎる味でした。
僕たちはさすがにおかしいと思い、
と、様々に大久保に突っ込みました。
すると、大久保は、軽やかに僕らに答えました。
「 ああ、俺、味覚2つしかないからな 」
「 なんや、その2つて 」
「 『うまい』 と 『めっちゃうまい』 や 」
納得
振り返るに、彼との付き合いは長いですが、何を食べても
「 うまい! 」
か
「 めっちゃうまい! 」
しか言っていませんでした。
何か、物質が舌の上に乗った時点で
「 うまい! 」
以上の感想になるのですから、
これほど幸せな男はいないでしょう。
追伸 〜SDGsとは〜
noteの企画で
を見かけました。
SDGsと言えば、
「食べ物の廃棄を減らすとかかなぁ」
とぼんやりと考えました。
そして、「食べ物を残さない」ということを考え始めたら、ふと、今回書いた友人の大久保を思い出しました。
何を食べても「うまい」か「めっちゃうまい」ならば、そりゃ、食べ物を残さんでしょう。
彼こそが、SDGsの最終形なのでは?と思えてきました。
今日も読んで頂いて有難う御座いました😃
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