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1DKのごみ箱からの脱出

僕の部屋は、「大きなごみ箱」と言えるほど散らかっていた。


服は床に散乱し、台所には洗うべき食器が山積み。
生活の乱れがそのまま部屋に反映されていた。
それは、僕の内面にもじわじわと影響を与えていた。


帰宅するたび、部屋に漂う「負のオーラ」が僕の心に絡みつき
やる気やポジティブな感情を奪っていく。

そんな僕が「断捨離」という言葉に出会ってから人生が少しだけ動いた。
使っていないモノを感謝の心とともに捨てるというコンセプトに惹かれた。


何より、何かを捨てることで僕のメンタルにも変化が生まれるのではないかという期待があった。
この大きなごみ箱から脱出しよう

最初に手をつけたのは、使わなくなった食器や古びた家電。
それらを捨てること自体は意外と簡単で、捨てるほどに部屋に余白が生まれる。その余白が僕の心の余裕を作っていくような感覚があった。
空いた空間は、まるで新しい風を呼び込むように、僕の心の中に清々しさをもたらした。

ある日、帰宅した時のきもちの変化に気づいた。
以前は、部屋の散らかり具合を見るだけでため息が出ていたのに、今は少し嬉しい気持ちになる。物が少なくなり、空間が整うことで、自然と料理をしたり、掃除をすることが苦ではなくなった。まるで僕自身が、規則正しい生活を送る「立派な大人」になったかのように感じた。

断捨離を進めることで、心の中のモヤモヤも晴れていく感覚があった。台所の掃除をすると、次第に気持ちも落ち着いていく。これは単なる物理的な変化以上に、僕の精神に深い影響を与えているのだと感じた。
物を捨てることは、心の整理整頓でもあった。

「大きなごみ箱」から脱出することで、僕は新しい自分に出会ったように思う。心と空間はつながっている。断捨離を通じて、僕は自分自身をもう一度見つめ直す機会を得た。


今、僕は少しだけ軽やかに生きている。

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