
「非実在型ネット炎上」に対し、企業や個人がとるべき唯一の対応策
今、SNSで話題の『赤いきつねCM炎上』について、企業の神対応と失敗例を解説します。
※ この記事は20日昼まで特別価格で公開中です。
どうも、ウェブメディアやSNS大好きな徳重です。
先日、「赤いきつね」のCMについてのnoteを書きました。
その後、「非実在型ネット炎上」(ごく一部の少数ネットユーザーの批判をネットニュースなどメディアが取り上げることで、まるで大多数の総意によって炎上しているように拡散されること)についての東洋水産の対応が素晴らしかったと投稿したところ、Xで大きな反響がありました。
「赤いきつね」CMの件で感心したのは、東洋水産がXを休まず平常運転をし燃やそうとする人の相手をしなかったことだ。東大の炎上研究でも、炎上に対応した方が株価が大きく下がるとされている。だったらなおのこと「非実在型ネット炎上」については無視が得策といえる。 pic.twitter.com/GOxIKFLRJg
— 徳重龍徳-Tatsunori Tokushige (@tokushigesecond) February 18, 2025
多くの人にとって関心が高い話題ですので、noteで改めて書いてみます。
赤いきつねCMでの「非実在型ネット炎上」とは
すでにご存知の方も多いかと思いますが、改めておさらいします。
発端は東洋水産が2月6日に出した「赤いきつね」「緑のたぬき」のアニメCMです。
だしって…なんかホッとしないですか?
— 【公式】東洋水産株式会社(マルちゃん) (@toyosuisan_jp) February 6, 2025
CV:市ノ瀬加那 @ichinose_1220#ひとりのよると赤緑 pic.twitter.com/G8IZ3I2dtM
このCM自体は全体的に好評だったのですが、ほんの一部の、主にミサンドリーのフェミニズムの人から「性的にキモい」「何だよ、この頬を赤らめた女がクネクネするCMは」などの批判の声が上がりました。
ただ全体の高評価から見れば、あきらかに極一部。ですが、女性向けメディア「LASISA」はこの話題を「炎上」として取り上げました。僕は長年ウェブメディアに携わっているのではわかりますが、このメディアは炎上と煽ることでPV稼ぎをしようとしてました。

しかし、これはメディア側のあきらかにミスリードですし、そもそも「赤いきつね」のCMは高評価の方が多いのです。
ネット炎上の著書を出されている国際大学GLOCOM客員研究員の小木曽健さんは、これは炎上ではなく「非実在型ネット炎上」であるとこのLASISAの記事のコメント欄で語っています。
このケースは「非実在型ネット炎上」に属するもので、ほとんどの方はこの記事を見て、はじめて騒動を知ったのではないでしょうか?それくらい「ごくごく一部」のユーザーによる、きわめて局所的な批判ムーブでした。炎上させようとして、できなかった、に近いです
大勢の人が見る広告ですから、中にはそれを「嫌いだ」と思う人もゼロではないでしょう。そのごく少数の意見に焦点を当て「こういった声もある」とメディアが報じた結果、あたかも炎上しているように認識されてしまう。これが非実在型ネット炎上
SNS、特にXは過激なこと、極端なことを発言をすればアルゴリズム的に注目を集められます。またそうした強い声に賛同が集まりやすくなっています。これを「フィルターバブル」と言います。
こうした極端で声は大きいけれど少数派のことを「ノイジー・マイノリティー」と呼びますが、近年のSNSではこうした少数の声を「賛否両論ある」「炎上している」と一部の志の低いPV稼ぎのメディアが記事で取り上げ、必要以上に騒動を大きくし、そこに過敏に企業や社会が反応し、企画や広告の取り下げ、出演者の起用停止などの「キャンセル・カルチャー」が増え社会問題となっています。
今後の企業対応の手本を見せた東洋水産
今回の件で僕が素晴らしいとXで取り上げたのが「赤いきつね」を展開する東洋水産の対応でした。騒動の起きていたXでも公式アカウントは謝罪をするでもなく、更新を控えるでもなく、いつも通りに更新を続けたのです。
おはマルです😊
— 【公式】東洋水産株式会社(マルちゃん) (@toyosuisan_jp) February 17, 2025
今日はカヨカヨ火曜日です。
カヨカヨ~( ੭ ・ᴗ・ )੭
カヨカヨ~( ੭ ・ᴗ・ )੭
今日は寒そうです🥶
無理せずがんばりましょう!
マルラー🍥
謝罪という対応を取らなくても、普通の会社であれば「ちょっとSNSも荒れているし、更新は控えようか」となってもおかしくありません。しかし、変わらずに更新することでクレーマーのようなノイジーマイノリティには対応しませんよという暗にメッセージを送れました。
実は東洋水産は過去に今回のようなケースで炎上に巻き込まれそうになったことがあります。2020年の「マルちゃん正麺」のPR漫画「親子正麺」です。
🍜 親 子 正 麺 🍜 1/2 全8ページ
— 【公式】マルちゃん正麺 (@maruchanseimen_) November 11, 2020
【第1話】本日配信❗️
あの夫婦にかわいい家族が増えて、ページ数も大増量!#ながしまひろみ 先生(作画)のかわいい絵に悶絶です。#親子正麺 #マルちゃん正麺 #漫画 #月水金で連載中 #第2話は11月13日 pic.twitter.com/6ixPoYUSeG
🍜 親 子 正 麺 🍜 2/2 全8ページ#親子正麺 #マルちゃん正麺 #漫画 pic.twitter.com/EtJKnGybch
— 【公式】マルちゃん正麺 (@maruchanseimen_) November 11, 2020
当時、多くの読者は「ほっこりした」など好意的な意見を寄せていたのですが、一部からは「ママが出かけた昼に食べたラーメンの皿をなぜ、ママが洗うのか」との批判がありました。
この2020年のケースでは2話の公開を延期。下記のような投稿をしました。
11月11日に投稿した「親子正麺」第1話に関しまして、様々なご意見を頂戴しております。
— 【公式】マルちゃん正麺 (@maruchanseimen_) November 13, 2020
今後の掲載につきまして現在精査しております。
ご迷惑をお掛けし大変申し訳ありませんが、
しばらくお待ちいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
批判の時点ではそれほど大きくない話題でしたが、企業側が対応をとったことで多くの人が認知するようになり、この投稿の翌日にはXのトレンドに「マルちゃん」が入るなど話題となりました。
ただ反応は「息苦しい世界」「何故炎上したのか本気で分からなかった」など、問題ないのではとの声が大半でした。
この後、東洋水産は漫画の停止などの対応はせず、最後まで公開しています。また投稿の最後に「※『夫婦正麺』並びに『親子正麺』の原作は弊社責任の元に制作し、作画のみ作画者の方に依頼しております」と注意書きを入れることで、漫画の作者への誹謗中傷をストップさせるようなメッセージも発信しており、非常に丁寧な対応でした。
🍜 親 子 正 麺 🍜
— 【公式】マルちゃん正麺 (@maruchanseimen_) December 4, 2020
1/4 全16ページ
【第5話、最終回】一挙公開❗️
家族の小さな物語も
いよいよフィナーレへ。
ぜひご覧ください。
※「夫婦正麺」並びに「親子正麺」の原作は弊社責任の元に制作し、作画のみ作画者の方に依頼しております。#親子正麺 #マルちゃん正麺 #漫画 pic.twitter.com/qA5Ifreu8M
東洋水産の例を見ると、「非実在型ネット炎上」やキャンセルカルチャーが増える時代に企業側に求められるのが毅然とした態度、あと些細なことには動じない胆力であるとわかります。
一方、こうした炎上やキャンセルを恐れるがあまり過敏に反応し、問題がない笑福亭鶴瓶さんの広告を停止。逆に世間から反発を喰らい、広告再開の上に本来はしなくてよかった謝罪までしたのが「スシロー」でした。
企業対応の失敗例として未来永劫、教科書に載せたほうがいいでしょう。
ただ闇雲にキャンセルカルチャーを怖がって、結果下手を打ったのが笑福亭鶴瓶さんの広告停止→世間から反発→謝罪および広告再開となったスシローです。 pic.twitter.com/ZRKA3qtEjx
— 徳重龍徳-Tatsunori Tokushige (@tokushigesecond) February 18, 2025
「非実在型ネット炎上」へのたった一つの対策
「赤いきつね」CMの件で感心したのは、東洋水産がXを休まず平常運転をし燃やそうとする人の相手をしなかったことだ。東大の炎上研究でも、炎上に対応した方が株価が大きく下がるとされている。だったらなおのこと「非実在型ネット炎上」については無視が得策といえる。 pic.twitter.com/GOxIKFLRJg
— 徳重龍徳-Tatsunori Tokushige (@tokushigesecond) February 18, 2025
ではこうしたノイジー・マイノリティによる“お気持ち”的な批判に対して、企業側はどう対応すればいいのか。
いや企業だけではありませんね。個人でも対応の仕方を今は知るべきでしょう。
僕もXでよくわからない人に絡まれ、メンタルが疲弊した時期もあります。Xをやっている限り、東洋水産のようなことに巻き込まれることは結構あると思います。
では、企業や個人がこの“非実在型ネット炎上”に巻き込まれたとき、どう対応すればいいのか?これについて、ネット炎上の専門家の見解や、僕自身の経験から得た“具体的な対策”を詳しく解説します。
定期マガジンでご購入いただいた場合、記事単体の半額となっていますのでかなりお得で、そちらをお勧めしています。
よろしければサポートお願いします。 書きたいものはあるのですが、なかなか手に付かない時があります。そんなとき、貴方のサポートがあれば背中を押してもらえます。 けして文才があるタイプではないですが、10本に1本は面白いものを出せます。 その後押しをお願いします。