夏のうた個人的15選【JAZZ編】
「夏のうた」と銘打っておりますが、ボーカルのないジャズ・フュージョン系の楽曲から選んでみました。ジャズ自体は20歳くらいに「洋楽も結構聴いてきたし、俺より早く洋楽やハードロック聞いていた奴はジャズとかが今一番いいとか言ってるから、俺も早よ行かな」と妙な焦りから背伸びして、ちょっとコンピレーションアルバムから入ったのがきっかけで少しずつ聞き始めていました。それからさらに10年後に通販大手と言っていいのかな、のディアゴスティーニから「クール・ジャズ・コレクション」という雑誌とCDがセットになったもののCMをやっていて月に2回発売とかで「これや」って直感してすぐに定期購読申し込んで結局それから10年くらいその次の「ブルー・ノート」シリーズまで全部で160枚くらい購入し続けて、ジャズにはかなり詳しくなったような気もします。で、今回は冒頭で言ったように「夏のうた」ということで、ボーカルは入っていませんが、ジャズのジャンルでもそのメタリックな響きがとんでもなくオシャレで、涼し気なサウンドのフュージョン系から選んでみました。個人的な好みの80年代サウンドにも近い琴線に触れるサウンドで昔から好きなジャンルの一つです。まあこのCDとかにはそこまでフージョン系はなかったですが、これからいろいろ探索していきたいジャンルではあります。ではそんな感じで、今回は年代順とかでもないですが、早速どうぞ。
Crosstown Kids / Larry Carlton & Lee Ritenour (1994年)
何とも言えないフュージョンのオシャレな涼しさを感じさせるサウンドで、聞いていて気持ちいいですね。都会的でいて耳障りでなく、どこまでも開放的で品がいい。大人の余裕というか葛藤をすべて越えた先にある世界を見せてくれるような成熟しつつも色気は失っていない。憧れしかないです。まだそこまで行けてはいない人生ですが。こんな大人になりたいと思わせてくれるようなサウンド。それが僕がこのジャズ・フュージョンというジャンルの音楽が好きな理由です。リー・リトナーはロサンゼルス・フュージョン・シーン最高のギタリストと呼ばれ、ラリー・カールトンはあのB’zの松本孝弘と制作したアルバムが2011年にグラミー賞受賞したことでも有名なアメリカを代表するギタリストです。
Room 335 / Larry Carlton (1978年)
80年代より少し前くらいにジャズ・フュージョンのジャンルが出来始め、ロックとジャズの融合と言いますか、やはり都会的なサウンドでビートルズ以降音楽シーンの最前線に立った感のある「時代の音楽」を元々いろいろな音楽を吸収して発展してきたジャズが取り入れていくのは必然とも言えるわけで、ロックにはない洗練さとジャズには少ない「聞きやすさ」「ポップさ」のハイブリットな感じが魅力だと思います。この曲も疾走感というか、僕が生まれたこの年の雰囲気が何ともいえない味があっていいです。
Sleepwalk / Larry Carlton (1982年)
何とも言えない夢見心地なサウンドで。夏のどうしようもない暑さをしのぐには丁度いいんじゃないかって思ったりします。クーラー効いた部屋でうとうとと昼寝して、外の地獄のような暑さを忘れて、夢見心地で空を飛んで歩いているような。しんどいばかりじゃ生きられないから、こういう音楽はもっと世界に降って欲しいですね。
Smiles And Smiles To Go / Larry Carlton (1986年)
この曲が収録されたアルバムは全米ジャズチャートで1位に輝いたそうです。ギターのエレクトリックな響きがフュージョンなんだってイメージがありましたが、この曲をよく聞けばギターはアコースティックで、そういうのがあの当時珍しくアコースティック・ジャズの先駆けとも言われたりしていました。ジャングルのような自然を感じさせるサウンドで、やはり涼しげでこの季節には合うかなと思ったりします。
Hello Tomorrow / Larry Carlton (1986年)
ああ、夏のリゾート地しか頭に浮かばない笑。行くお金も暇も持ち合わせていないですが、目をつむってこの曲に浸ればどこでも最高のバカンスに取って変わるような、魔法の一曲だとも思います。フュージョンに限らず、ジャズのバラード的なゆったりしたサウンドは至極の味わいがあったりするのが多くて、そこもジャズにハマっていった大きな理由の一つです。
Night Rhythms / Lee Ritenour (1988年)
あんまり詳しくない僕が言うのもあれですけど、ジャズ・フュージョン系は結構地味に裾野が広いと言うか、いろいろな世界の音楽も吸収してその地域のリズムも取り入れていく感じもあったりして、この曲はブラジルのリズム感というかその雰囲気を取り入れた感じの一曲だと思います。解説にそう書いてあっただけではありますが笑。まあやっぱりマニアックにはなっていきますね、なんでも突き詰めていくと。僕は基本ある程度まで潜って、またさっと広くみたいなスタンスで音楽聴いたりしてきたので、深海まで深く潜ったジャンルはほぼないです。MVはいいライブ映像があったので、それで失礼します。
Dancing On The Water / Bob James (2001年)
透き通るような水の流れをイメージさせる、これまた夏にはピッタリなサウンドだと思います。ギターとピアノだけで成り立っている曲で、ボブ・ジェームスがフュージョン系のプレイヤーなのでフュージョンという括りにこの曲もしてみました。いわゆるメタリックなサウンドではないですが、都会的でオシャレというイメージがいかにも僕の中でフュージョンかなと思ったりします。
Forever In Love / Kenny G (1992年)
ケニー・Gのジャズ市場最も売れたアルバムとも言われる(1500万枚以上)「ブレスレス」からのシングルでビルボードのポップスチャートで18位まで上がるスマッシュヒットともなったバラードの名曲です。この曲は件の「クール・ジャズ・コレクション」のCDには入っていなくて、洋楽コンピレーションアルバム全集「MEGA HIT 90s」からです。とんでもなく甘いラブソングをサックスで表現してしまうから、溶けていきそうですね、男であっても。ケニー・Gは見た目もハンサムでロックスターみたいにカッコイイから余計に売れたような気もします。もちろん、実力が伴ってのことだとは思いますが。
Hideaway / David Sanborn (1979年)
この曲のオリジナルは1979年ですが、この音源は1984年のライブからで。こっちの方がより僕がイメージするフュージョンサウンドに近かったので選んでみました。ライブ会場にいてこの曲を聴いて、少しの暑さを忘れるように海からの潮風が流れて来るみたいな、そんな感じだとたまらないですね。やっぱり一回くらいは生でフュージョン系の音楽聴いてみたいです。
Brazil / Kenny G (2002年)
ケニー・Gのバラードではない魅力がつまったフュージョン系のノリのいい楽曲です。冒頭からブラジルサンバのリズムが印象的で歌うように響くケニーのサックスがいいですね。やはり夏にはピッタリなサウンドで、ブラジル人みたいにどうしようもない暑い夏も踊ったりして陽気に過ごしていきたいなとか思ったりします。ひたすら家にこもるしかないってのも、不健全やなあっと思ったり。インドア派なのでなかなか難しいところではありますが。
Restoration / Bob James (1990年)
これも涼し気に響いて来るフュージョンサウンドです。もっとこういう曲を知っていきたいですね。コンピレーションアルバム全集とかだとイントロ的な紹介止まりだったので。あとは自分でやるしかないかって感じで、10年くらい思ったまま進んでいないですが。また余裕が出来たらいろいろ探索に出かけたいと思ったりします。古い人間なので、サブスクより偶然の出会いやCD屋さんやTSUTAYAとかで直接いろいろ見て触って探したい派かな。しんどいとは思いますが。
Songbird / Kenny G (1986年)
ビルボードで4位にまで上がったジャズでは珍しい大衆的なヒット曲だと思います。やはりとろけるような極上のサックスがいいですね。日本もバブルとかでこういう高級感あふれるリゾートサウンドがあちこちでもてはやされていたような気もします。小学生とかでしたが、バブルのお金持ちのイメージとまだ昭和の平和な豊かさがブレンドした豊饒さがこの曲に透けて思い出補正かもしれませんが、エデンの園みたいな、そんな感じも受けたりします。個人的な感覚かもですが、あの当時に僕はそんなイメージを子供ながら(現実を知らない子供だから?)持っています。
Maputo / David Sanborn (1986年)
この曲が収録されたアルバムはグラミー賞最優秀ジャズ・フュージョン・アーティスト賞をしました。ジャズは渋いですね、ロックやポップスのような入りやすさはやっぱりないような気もしますが、頑張って入ると結構、特にバラードとかに飛び切りいい曲があったりするので、その宝物探しみたいな感じで出会ったりするとテンション上がったりします。デイヴィッド・サンボーンとか全く知らなかったですけど、この人が特集された「クール・ジャズ・コレクション」のCDは5曲すべて良かったり。いろいろあのCD購入し続ける中でいい出会いも結構ありました。MVはいいライブ映像があったので、これで失礼します。
Straight To The Heart / David Sanborn (1984年)
この曲もライブ音源でして、現地にいるみたいな手拍子とか拍手とかいいですね。夏の終わりのサンセットにピッタリな雰囲気がたまらない一曲です。ロマンチックなその世界に浸っていたいと、情景までありありと見えてくるようなそんなライブのいい空気感が伝わってきます。
A Tear For Crystal / David Sanborn (1983年)
ラストもデイヴィッド・サンボーンで。これはヤバい名曲です。どこまでもどこまでも溶けていく。もう連れて行かれる感が半端ないです。人生の最後にこの曲を聴いて死んでもいい、みたいな。そうしようかな笑。それくらいスキがない、突っ込みどころがない珍しい曲だと個人的に思ったりします。ジャズの突き抜け感はやはりそれまで邦楽、洋楽聴いてきた中では味わえなかった快感でした。まあジャズばかりというのもちょっと物足りない部分はありますが、いろいろ聞いての中でたまにしんどい時に、落ち着きたい時とかに聴くとこれ以上ない癒しの時間に満たされたりするから、やっぱり頑張ってジャズまで行ってよかったと思ったりします。まあいい曲は貪欲にむさぼっていきたいタイプなので、これからもいい音楽に出会ってみたいです。
15曲を洋楽や邦楽のように選ぶのがなかなか大変でしたが、何とか思わって、夏も終わる前にこの「夏のうた」シリーズも完成させてほっとしております。ジャズは門外漢なのでコメントには苦労しましたが、あっちこっちいろいろなジャンルに飛んでいくと気分転換にもなるので、幅広く音楽は聴いていきたいと思います。まだまだ暑い夏はたぶん9月入っても終わらなそうですが、体調管理に十分気を付けて過ごしていきたいです。ではまた何かの10選とかで。
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