ビックリマンシールの思い出(前半)
僕らの世代で子供の時に人気のあった遊びというかめちゃくちゃ流行ったものにロッテから発売されていた「ビックリマン」があります。僕は昭和53年生まれでビックリマンが流行っていた頃小学2年や3年で、僕はみんなより少し遅く「サタンマリア」がヘッドシールの第5弾から集め始めました。昭和61年の秋か、それくらいでしたかね。今思うとなぜあんなにも熱中して集めていたのか、不思議な気持ちもします。
ビックリマンシールはビックリマンチョコ、1個30円のものに付いてくるおまけのシールで「天使」「悪魔」「お守り」の3種類の属性に分かれていて「天使」が第7弾まで「銀色のアルミシール」で銀色に輝いていて「高価」な印象を与えていました。逆に「悪魔」は普通の印刷されたキャラのシールで「外れ」感が漂う残念な仕様に。「お守り」はシールをはがすとよくわかるのですが「透明」なシールで裏バックが水色だったり白っぽかったりしていました。「天使」のバックは第8弾からは「金色」仕様になりましたが、僕的には「銀色」の方が好きでしたね。
で、一番の売りは各弾に30個に一個の割合くらいであたるヘッドシール、通称「キンキラ」(僕らの住んでいた大阪の地域の呼び名、各地方で呼び方が異なるらしいです)が、プリズム仕様のシールでこれがまた子供心にとてつもなく「あかん、これめっちゃほしいやつ」と欲望させてしまう「悪魔仕様」のなんというか、破壊力を秘めたアイテムでしたね。
ここまで話して「何の話」しているのか分かりにくい方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単なストーリーみたいなものを。まあ天使と悪魔がそれぞれの世界に分かれて住んでいて、その争いをしている中でそれぞれに住む場所がいるということで、天使界でも悪魔界でもない「次界」というまだどちらにも属していないところを目指して天使界から「聖フェニックス」が悪魔界から「サタンマリア」が若きリーダーとして送られ、戦っていくと言うストーリです。途中「聖フェニックス」がパワーアップして「ヘッドロココ」になったりサタンマリアがパワーアップして「ワンダーマリア」になったり、また天使の「アリババ神帝」が悪魔の渦に吸い込まれて「ゴーストアリババ」という悪魔ヘッドになったり、とそのストーリー自体がまた面白くて、コロコロコミックとかで漫画が連載されたり、アニメにもなったりして1980年代後半に日本中の子供たちがテレビニュースに取り上げられるくらいにビックリマンに夢中になっていましたね。
ここからは個人的な思い出を少し。僕は第5弾から集めましたが、やっぱり最初は「悪魔」シールばかりあたったりしてました。たまに「お守り」とかさらにたまに「天使」があたったりしてめっちゃ喜んだりしていましたが、ついに一か月くらい経ったある日、友達は第4弾から集めていて「聖フェニックス」のキンキラ持っていてめっちゃ羨ましかったのですが、「俺もあんなん当たらんかな」と月にわずかな小遣いもって駄菓子屋さんやスーパーでひたすら「ビックリマン」を買っていて、いつものようにビックリマンtチョコ買ってはじめの一個を開けて、あのギザギザのところから縦に破って、ウエハースのチョコと茶色の厚紙の間から白地の枠なら、「ああ、また悪魔や、外れ」と落ち込んだり「おっ、透明や、お守りや」とか「あ、銀色に光っている、天使や、やったー」とか本当にギザギザ破るまで何が出て来るか分からないあのドキドキ感、大げさに聞こえるかもしれないですが、あのワクワク感って人生最高レベルのものだったんじゃないかっていうくらい、心がときめいていましたね。で、あそうそう、ついに……って話でしたね。そう、ついに僕はその瞬間に立ち会ったのです。第5弾におけるヘッド、キンキラシール「サタンマリア」がウエハースチョコと厚紙の間から出てきて、最初は銀色に輝いているから「天使」かな、とか思ったのですが輝きが七色で「うわ、これが噂のキンキラシール!」と、あの興奮たるや、まだ脳裏にかすかに残っているくらい、凄いものでしたね。シールを傾けたら、虹がキラキラ光っているあの「プリズムシール」の高級感は半端なかったです。で、さらにビックリマン集めにハマっていったのは言うまでもございません。
しかしながら、飽きやすいのも子ども心。僕はあんなに夢中になって集めていたビックリマンシール集めをたった半年くらいで辞めてしまいました。第6弾がヘッドが「始祖ジュラ」という恐竜のお化けで、サタンマリアほどかっこ良かったわけでもなく、天使とかも第5弾の「若神子」と呼ばれる物語の主要キャラほど華がなかったからです。一部には「ブラックゼウス」が凄いらしいと噂になっていましたが、それを知らなかった僕は「つまらないな、6弾」と急に熱が冷めてそれまで集めていた天使、ヘッドとかの貴重なシールとか捨てる目的で当時乗っていた自転車の空いているスペースに剥がして貼りまくって「どうや、ビックリマンのチャリやで」と得意そうに街中走ったりしていました。
で、第7弾「ヘラクライスト」とかの弾でしたが集めることなく、チョコも買うことなく過ぎていきましたが、子供心はまた急に変わるもので、第8弾の終わりくらいにまた「ビックリマン」集めたいと思うようになり、シール集めを再開しました。(後半に続く)