「書く力」を伸ばす「大切な基本」
column vol.525
三が日も最終日となりました。
徐々に日常モードに切り替えていく時期ですね。
noterさんも「そろそろエンジンかけていくか」と気合いを入れ直している方も多いのではないでしょうか?
というわけで、今日はnoterさんの投稿にもプラスになるヒントをお届けできたらと思います。
最近、ライティングにまつわる注目の本も多く、「基本の大事さ」についても触れられているので、今日はその部分にフォーカスを当ててご紹介いたします。
「ノウハウ本」を買うな??
まず、最初にご紹介したい本が『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法 「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』です。
最近、さまざまなメディアで取り上げられている「マンダラ広告作成法」の本です。
同書では「キャッチコピー本やライティング本を買ってきて広告を作るのは危険」だと警告しています…(汗)
こういったノウハウ本は、例えば
・画期的な~
・斬新な~
・新感覚の~
などの読み手を惹きつけるテクニックが満載です。
確かに注目させることは大切ですが、紹介する商品やコンテンツの内容が伴っていないと、読み手の信頼を失ってしまう危険性に触れられています。
よく世間で言われているのが、Yahoo!ニュースなのではないでしょうか?
派手な見出しに惹かれて、読んでみると「う〜ん…」と感じたという経験をした方は少なくないはずです。
Yahoo!ニュースは、もはや良くも悪くもPV数が基準の玉石混交サイト。発信元次第では話半分で見ることが通例となっていますね。
これが企業のサイトやnoterさんのアカウントだったらどうでしょう?
どちらも信用が要です。
ノウハウ本を参考にするのは良いとは思いますが、テクニックに走って内容を疎かにすると痛い目にあってしまうということですね…。
ポイント:派手な表現テクニックに御用心
「どう言うか」の前に「何を言うか」
広告業界では「何を言うか」→「どう言うか」の順で丁寧に考えることを教え込まれます。
広告する商品やサービスのベネフィット(顧客が商品やサービスから得られる効果や利益)を明らかにする。
お客さまが商品を手に入れる必然性を考えるというわけです。
買って良かったと思わせる点がどこにあるかをきちんと整理しないまま表現に走ると、なかなか共感(買っていただく説得力)をつくることはできません。
そういった基本が分かるのが、『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』です。
神田昌典さんと言えば、アメリカの広告業界で伝説的コピーライターとして活躍し続けたジョン・ケープルズの著書『ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則』の監訳を務めた方でもあります。
こちらは広告コピーのバイブルとして今も愛されている良書ですので、まだ読んでない方はぜひぜひオススメです。
『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』に話を戻すと、同書では
コピーライティングは「顧客と良好な関係を築き、継続した取引の中で利益を上げる」もの。それを十分意識して書くために、マーケティングの理解が必須となる。
と読者に伝えており、顧客との信頼を深め、利益を最大化するダイレクト・レスポンス・マーケティングの手法を紹介。
ステップ1:リード(買う可能性のある人を探して集める)
ステップ2:フロントエンド(買いやすい商品を一回買ってもらい、あなた個人や会社のことを信用してもらう)
ステップ3:バックエンド(高額商品の購入や継続購入で利益を出す)
という3つのステップを示し、顧客をロイヤルカスタマー(今の時代はファンカスタマーと言った方が正しいかもしれませんね)に導く方法論が語られています。
noteでマネタイズしたい方は、例えば、
ステップ1:新規閲覧者を増やすための無料記事
ステップ2:ある程度信頼してくれているフォロワーに対する安価なトライアル記事
ステップ3:ファンフォロワーの方々へのマネタイズ記事
という3種類を用意していくことも考えられますね。
私のように無料記事一本で投稿している方も
例えば、①拡散記事(いつもと違うテーマなど出会いを広げる記事)、②通常記事(基本となる記事)、③ディープ記事(よりコアなnote仲間を意識した内容)など、関係の深さを意識した記事の棲み分けをしていくこともありかと思います。
ポイント:商品(コンテンツ)の利点を丁寧に掘り下げる
広告名作コピーから学ぶ
広告コピーの最高峰を決める「東京コピーライターズクラブ(TCC)」の2021年度グランプリに選ばれたカロリーメイトのキャッチコピーが秀逸です。
「進もう すべてを栄養にして」
カロリーメイトと言えば五大栄養素をバランス良く配合した栄養調整食品です。
片手で手軽に食べられる形態から、忙しい日常の栄養サポートや、運動前後の補給として長年ユーザーから愛されています。
そういったバランス栄養食としてのアイデンティティを踏まえながら、このコロナで苦しむ時勢を捉えてつくったコピー。
「すべて」という言葉に五大栄養素を取り入れられるという商品の機能性を重ね、「さらにコロナの苦しみも全て栄養にして、進もうぜ」という前向きなメッセージを重ね、生活者の共感を呼び起こしていきます。
さらに、コロナ禍の時勢を踏まえて表現しているのが、コチラのコピーです。
見えないものと闘った1年は、
見えないものに支えられた1年だと思う。
コピーを見るだけで目頭が熱くなってきます。
カロリーメイトは生活の中での脇役商品です。
カロリーメイトはメインディッシュにはなりませんし、カロリーメイトを楽しみに生活をしている人は多くはないかもしれないかもしれません。
しかし、多くの人の生活を見えないところ(意識していないところ)でサポートしています。
そんなカロリーメイトの特性と苦しい中でも何かに確かに支えられている自分の毎日を重ねてことが、多くの人たちの共感に繋がっている。
この商品特性と時勢の重なりはCMで究極的に表現しているのでコチラもぜひぜひご覧いただけると幸いです。
ポイント:商品の利点を整理した上で共感点を探る
ネタづくりの「メモのコツ」
最後は書く前の努力、ネタづくりについてです。
料理と同じで、いくら技術があってもネタ(素材)が悪いとなかなか読み手の心は掴めません。
そこで、日常的にネタを書き留めておきたいところですが、このメモについて今、注目したいのが『TAKE NOTES! メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる』です。
ドイツの天才社会学者ニクラス・ルーマンが発明した『ツェッテルカステン』というメモのとり方が紹介されています。
これは、メモを
①「走り書き」②「永久保存メモ」
の二種類に分けるというもの。
①は誰もがやっているメモ。セミナーや本などで琴線に触れた言葉を書き留めておきます。
しかし、時間が経って後で見返すと、それがどんな意味だったのか、どんな文脈で語られていたのか、そもそも何で自分が重要だと思ったのか分からなくなることはありませんか?
つまり、走り書きだけでは時間が経つにつれ、活用できないものになってしまうのです。
そこで、できるなら一日以内に読み返して、思考の流れを整理したり、メモに補足を書き加えたり、その時思いついた展開のアイデアも書き添えおく。
それが②の永久保存メモです。
これにより、次見返した時に、要点や展開をちゃんと思い出せ、ちゃんと活用できるというわけです。
これに近いメソッドが前田祐二さんの『メモの魔力』ですね。
メモは整理してこそ宝になるのです。
ポイント:メモは整理し直して使いやすくする
「凡事の徹底」こそが成功への近道
上記のメソッドやポイントは本当に基本的なもので、目鱗なものではないと思っています。
ただ、全てのことは基本が大事で、私も含めて誰もがついつい忘れがちなものでもあります。
元プロ野球選手のイチローさんがバットの素振りを大切にしたように、常に基本を大事にする姿勢を新年だからこそ見つめ直したいと思いました。
皆さまはどんな本に刺激を受けていますでしょうか?
やはり、良書との出会いはありがたいものですね。本日も最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。