理想の学校
column vol.105
以前、執筆した【何のために学ぶのか?(column vol.59)】でご紹介した株式会社TimeLeap代表取締役の仁禮彩香(にれい・あやか)さんが、「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」の特別賞「ston賞」を受賞されたそうです。
〈Forbes JAPAN / 2020年10月21日〉
仁禮さんは、中2で起業、高1で母校を買収された若き経営者。現在は慶應義塾大学の学生でもあります。
日本の教育を変えたいという想いで会社を設立されましたが、彼女が目指す「理想の学校」とは何だったのでしょうか?
「自らの人生を切り拓く力」を育む
仁禮さんは湘南インタースクールという幼稚園に入園。その時、徹底的に自分で考えることを教わったそうです。
日常で起こるさまざまな問題を自問自答と仲間との対話の中から答えを見つけていく。「感情」と「理性」を分け、 “なぜそう思ったのか” 、“なぜそのようにしたいのか”ということを丹念に追求し、みんなが納得できるプロセスで解決していくことを求められたそうです。
一方、小学校に入ると全てにおいて答えがある世界を経験。「ねばらないない」に支配され、それに抗うように小2で母校の園長さんに頼み、湘南インタースクールの小学校をつくってもらい、転入したとのこと。
そして、「自らの人生を切り拓く力」を育むための教育プログラムを築き上げるため、中2で起業されたのです。
小学校5年生〜高校3年生の生徒を対象に起業家体験プログラムを提供していますが、起業が目的ではなく、あくまでも答えのないビジネス界の中で自らが考え、切り拓いていくための力を身につけることを目指しています。
〈TimeLeap Webサイト〉
本田圭佑さんの「理想の学校」
「月額1ドルで好きなだけ遊べる、中高生のためのオンラインスクール」というキャッチコピーで今年の7月に創設された「NowDo」。サッカー元日本代表の本田圭佑さんが立ち上げたオンラインスクールです。
〈朝日新聞EduA / 2020年10月20日〉
NowDoではほぼ毎日、各業界のトップランナーによる講義をライブ配信。講義のテーマは毎回異なり、AIやプログラミング、映像技術、ジェンダー、性教育、栄養学、起業など本当にさまざま。中高生なら誰でもライブ講義を月額1ドルで視聴できます。
本田さんがこのオンラインスクールを立ち上げる動機となったのが、現在の学校教育への違和感にあります。サッカーを子どもたちに教えていて、「大人の言うことは正解だ」という常識が刷り込まれていると感じたそうです。
ここでも、仁禮さんと同じ「自らの人生を切り拓く力を育んで欲しい」という想いがあります。
私も「ねばならない教育」に反発し、勉強もスポーツもやる気を無くし、暗黒の10代を過ごした身なので、切実に感じます。
もちろん、個性や自分なりの答えを大切にしてくれる先生もいらっしゃいました。ただ、仁禮さんとお会いした時にお話しされていましたが、今の日本の教育では先生のやるべきことが多すぎるし、子どもたちが「自分がどんな人間なのか知る課程」が少なすぎるのだと思います。
それが社会に出た時に大きな壁として立ちはだかる原因になってしまっているということです。
答えがないのに「ある」と思う
先日、とあるセミナーに行った時に「ねばならない」教育の課題に直面する出来事がありました。
VUCA&コロナ時代により、答えをいかに試行錯誤して見つけていくか。そして、見つけた答えが明日には変わるかもしれないから、常に今の常識(成功体験)を疑おうということがテーマだったのですが
誰もが知る超一流企業のとても優秀そうな社員さんが、講師の方にこんな質問をされていました。
「OMO関連の取り組みで確実に成功する施策は見つけられましたか?」
これには講師の方も唖然とされていました。確かにセミナーの場は成功法を学べることを期待する会なので、その質問をしたくなる気持ちも分かります。
しかし、今の時代は過去実績をもとに成功する傾向を示唆することが限界で、今回の講義の結論も「いかに常識を疑い、試行錯誤を重ね、その時その時の最適解に導いていくか」ということだったはずです。
逆に言えば、それだけ「答えがある」教育の子どもに与える影響ということが想像以上に凄いのだなと改めて痛感いたしました。
いかにして大人が「答えがある」呪縛から解放できるのか?それが日本社会ひいては日本の未来(子どもたちの時代)への革新につながっていくのだと思います。
当社の企業向けセミナーから素敵なお知らせ
ちなみにですが、仁禮さんは当社の企業向けセミナー「文化経済研究会」の12月10日(木)に登壇されます!
私は事務局長を務めておりますので、日頃、noteを見ていただいている方への感謝を込めて、今回特別ご優待枠を設定させていただきます!
通常は2万円の参加費なのですが、このnoteをご覧になっていただいている方は特別に2,000円という特別価格にいたします。
ただし、コロナの感染防止で参加人数に限りがございますので、先着で5名さま限定にさせていただきます。
「参加したい!」と思っていただいた方は、下記メールアドレスに必要事項をご記入の上、ご連絡くださいませ。
【メール送付先】bunkaken@jlds.co.jp
【記入事項】①会社名、②所属部署、③肩書き
【問い合わせ先】 080-4837-1586
何かご不明な点がありましたら、ぜひご連絡くださいませ。
最後は宣伝になってしまい大変申し訳ございません…(汗)!
明日は宣伝抜きで、大人の教育事情を最新記事とともにご紹介したいと思います!それでは、また明日もよろしくお願いいたします。