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育児は「次世代人財」への道標

column vol.604

昨日は、自分のできることはどんどん任せて新しいことに挑戦し、成長に繋げるという話をさせていただきました。

しかし、それでも時間が足りないのが「育児世代」ではないでしょうか?

働きながら子どもを育てる。

これは考えれば考えるほど凄いことだと思います。

仕事も出来ることをこなすのが限度で、なかなか勇気のある挑戦ができないという人も多いでしょう。

私個人としては仕事だけが自己成長の術ではないと考えていまして、「育児」「自己の成長」に繋げることも大切だと感じています。

それは、育児ならではの貴重な経験が得られると思うからです。

「育児ならではの経験」を得る

仕事の現場で育成していると、ついつい自分基準で部下を見てしまうことがある気がします…。

自分が当たり前のようにできていることに対して、できない人の理由を正確に推し測れているかというと…、若干自信がなくなります…。

最初は「できなくて当然」と思っていても、本人の成長速度よりも早いスパンでの成長を知らず知らずのうちに期待していてもおかしくはありません。

子育ては、何もできない生まれたばかりの赤ちゃんから、自立するまで非常に長い年月をかけなければなりません。

「できないこと」を前提とした育成がずっと続く。この経験はたとえ職場でもきっと活かせるはずです。

また、子育てをしていると、一番期待し愛する子どもが自分の理想通りには成長しないことに直面することもあるでしょう。

それは自分自身の成長もそうですね(笑)

でも、それぞれの子なりの花を探して、そこに期待や敬意の水を注ぐ

この経験も仕事に活かせないはずはありません。

よく「クライアントやお客さまを家族や恋人のように愛せ」と言われますが、リーダーシップ社員育成も同じだと思います。

寄り添わなければ、社員が期待通りに成長し、成果をあげることはないと思うのです。

育児は「自己成長」への気づき

子育てで学べるのはマネージメント力だけではありません。

自身の成長に繋げることもできます。

私はちょこちょこ教育関連のニュースをチェックしているのですが、その理由はこれからの時代に求められる人材像(スキルやノウハウを含めて)が見えるからです。

例えば、「個性教育」「プログラミング教育の必修化」「高校の金融教育」など、子どもたちに何を学んでもらいたいかを紐解いていくと、私たちが次に学ばなければいけないことが見えてきます。

そして大学教育で注目されている「リベラルアーツ」もそうですね。

今年の4月から東京女子大学学長に就任される森本あんりさんは、「分断の今こそリベラルアーツが必要」と語っています。

〈朝日新聞EduA / 2022年3月18日〉

「自分は歳をとったし…」と思いがちですが、以前書いた【40歳からの脳トレ学】では、「人は死ぬまで学んだことに応じて脳が進化する」という希望をお伝えさせていただいたばかりです。

さらに、フィンランドの教育の現場では、「我慢強い」「思いやりがある」「好奇心が強い」といった人間力は一生かけて学んでいくものとされているそうです。

〈現代ビジネス / 2022年3月19日〉

人間は一生成長しますし、100年人生は長い。

育成の時に触れた次世代教育のエッセンス自己学習に活かしていく。

誰もがセカンドキャリアを求められる時代ならば、ミドル世代の一時、仕事の比重を抑えて育児に力を注いでもキャリアへの変換意識さえあれば、その経験はきっと貴重なものになると思います。

育成は「コネクト・ザ・ドット」の一部

私のコラムでも度々ご紹介している17年間の専業主婦を活かし、60代外資系ホテルの日本法人社長まで上り詰めた薄井シンシアさんは、まさにそのロールモデルです。

外交官の旦那さんの仕事のため、3年に一度は海外に転勤する。日本語はもちろん、英語も通じないような場所で、一日も早く家族が住みやすい環境を整える

娘さんハーバードイェールプリンストン大学など世界の名門校に合格し、今は弁護士として活躍しているのですが、娘さんが真っ直ぐに成長してもらいたいと、観察力対話力を磨いたそうです。

そういった経験が、一つ一つ社会復帰してからも役に立つ

コネクト・ザ・ドット

点と点を結びつける。

一つも無駄な経験(点)はない。それは遊びで得た経験ですら、転換思考さえあれば、キャリアに役立てることができると信じています。

100年人生は長く、予想不能なVUCA社会と呼ばれている今の世にとって、何が正解になるかも分かりません。

さまざまな経験をし、その全てを活かしていく

それは仕事だけではなく人生を豊かにするためにも最適です。

今、育児に力を注がないといけない時期なら、そこに注ぐ。そして、会社と社会がしっかりとサポートする。それが理想です。

少なくても当社はそうありたい。そんなことを改めて思う今日この頃です。

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