三角ロジックで主張を伝える2つのパターン【ロジカル・シンキング】
みなさんこんばんは、福田達也です。
前回の記事では三角ロジックで論理を組み立てる話をしました。今日は、組み立てた三角ロジックで、どう文章として主張していくかについてお話をします。
前回の記事はこちら
三角ロジックとは
前回の振り返りになりますが、三角ロジックとは、データ・論拠の2つから、自分の主張を組み立てる論理のフレームワークです。データ・論拠と自身の主張は、「だからどうした?」の関係で結ばれています。逆に、主張とデータ・論拠とは「なぜ?」の関係で結ばれています。
すなわち、
「〇〇(データ)という事実がある。だから〇〇(主張)である」
「〇〇(論拠)という傾向がある。だから〇〇(主張)である」
あるいは、
「〇〇(主張)である。なぜならば、〇〇(データ)という事実がある。」
「〇〇(主張)である。なぜならば、〇〇(論拠)という傾向がある。」
という風に論理は構成されています。
それでは、このデータや論拠の間はどのように話をつなげて伝えれば良いでしょうか。この三角ロジックの論理展開には大きく2つの伝え方があります。
三角ロジックの2つの伝え方
三角ロジックで主張する場合、その論理構造は帰納法か演繹法のいずれかです。これらの違いについて説明していきます。
帰納法で伝える
帰納法は大量のデータの中から、その共通項を導き出す手法です。三角ロジックにおいては、個々のデータの中から論拠を類推し、その論拠をベースとして主張を組み立てます。そのため、論理展開としては、データ→論拠→主張という順番になります。
例をあげてみましょう。例えば、イワシ、サンマ、アジ、サケ、タイという生き物がいます。そして、これらの生き物を陸上に揚げると死んでしまったという事実があったとします。ここから類推される論拠は何でしょうか?
これらの生き物の共通項を括りだしてみると、どうやら水棲の生き物であることが言えそうです。すなわち、「水棲の生き物を陸上に揚げると死んでしまう」という傾向が導き出せそうです。
すると、帰納法で「イワシ、サンマ、アジ、サケ、タイという生き物を陸上に揚げると死んでしまった。これらは全て水棲の生き物だ。だから、水棲の生き物を陸上に揚げると死んでしまう」という主張を導き出すことができます。
このように、データが大量にあり、そこから何らかの主張をしたい場合には帰納法を用いると伝わりやすくなります。
演繹法で伝える
演繹法は一般論と、それに関係する観察事項を結びつけて、そこから結論を導き出す手法です。この論理展開は三段論法とも呼ばれています。三角ロジックにおいては、一つの論拠を決め、それに関係する個々のデータをあてはめて主張を組み立てます。そのため、論理展開としては、論拠→データ→主張という順番になります。
前回の記事では、「仕事をできる人はみんな読書をしていると言われている(論拠)。実際、読書量が多い人ほど年収が高いという結果が出ている(データ)。だからあなたも将来のために本を読んだほうがいいよ(主張)」という主張を紹介しました。これは、演繹法の論理展開の一つです。
「仕事をできる人は読書をしている(論拠)」に対して、それを裏付けるものとして「読書量が多い人ほど年収が高い」というデータをあてはめています。そしてこのデータは、多角的であればあるほど、その主張の説得力が増していきます。
このように、演繹法は何か一つの論拠をとっかかりとして、それに説得力を持たせるためにデータで裏付けする場合に効果的です。
おわりに
今回は三角ロジックを伝えるための論理の組み立て方として、帰納法と演繹法の違いを説明しました。
同じ三角ロジックで説明するとしても、どこからスタートするかによって効果的な伝え方は異なります。今自分が持っている情報がどこをスタートとしているのかを意識するだけでも、論理の組み立ては簡単になると思います。
本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。