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アスフレ観戦記「vs愛媛」

前回の勝利はいつだったか、なかなか思い出せません。この日に観測された月食と同じくらい、現地観戦の勝利は稀有なものになってしまいました。

今回は、アスフレが今シーズン初勝利を上げた『第8節 vs愛媛』についてお話します。

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第1Q "go to guy"

0勝13敗のアスフレと、3勝10敗の愛媛。互いに立て直しの契機と考えているはずの戦い。序盤に目立ったのは、愛媛ディフェンスの”緩さ”でした。

ボールマンに対するインテンシティの低さ。リムプロテクトに入るべきヘルプの不在。ゾーンディフェンスのコミュニケーションエラー。ディフェンスに対する意識の欠如と見受けられるシーンが散見されました。

PGがまともにボールを運べず、不本意なターンオーバー祭りに頭を抱えていたアスフレにとって、この緩さは本当に助かりました。他力ではありますが、ウーゴHCの目指す「人とボールがよく動くオフェンス」に滞りなくエントリーできる訳ですから。

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マーク エディ・ノエリア

出足につまずかなければ、後はスムーズ。ボールと人がテンポよく動き、確実にディフェンスのズレをつくって強い選手で勝負。これが面白いように決まりました。特に、俺達の"go to guy"増子匠の決定力がマジでやばかったです。

増子匠

先月にアキレス腱断裂から復帰した増子は、今月のパフォーマンスがとにかく素晴らしい。縦への推進力やアウトサイドのシュート力。持ち前の得点力を遺憾なく発揮しています。

この試合は第1Qだけで13得点。ロケットスタートの起爆剤となり、第1Qは17点リードを奪うことができました。

怪我前後のスタッツ比較
第1Qのスコア

第2Q「勝利に飢えた采配」

第2Qの序盤も、流れはアスフレでした。しっかりとオープン3Pショットを創出し、効率的にスコアを重ねます。残り7分、22点差までリードを広げたところで、ようやく増子はお休み。2ndユニットでの戦いが始まりました。

2ndユニット(3ハンドラー体制)
・ホアン ⇛ 栗原
・増子 ⇛ バートン
・高木 ⇛ 久岡

ただ、ここから流れは停滞します。代わりにバックコートを任せられた久岡、栗原、バートンの若手ハンドラー3人が、上手く機能しなかったからです。ボールが回らず、外国籍選手に仕方なく預けるような単調で稚拙なオフェンスが続いてしまいました。

苦戦する久岡

2ndユニットに代えてから約3分。リードは”2点”だけ縮まって20点差。まだまだ我慢できる状況だと私は思いましたが、どうやらウーゴHCは違う捉え方をしていたようです。若手ハンドラー3人にスパッと見切りをつけ、スタメンをコートに戻しました。

これまでは、ミスの多い若手にも我慢を貫いてきたウーゴHC。勝ちが現実的に見える状況では、さすがに采配が変わりました。勝負師として、危険な芽を早い段階で刈り取ったんでしょう。ウーゴHCの新しい一面、というか、本来の姿を見られた気がしました。

スタメンはウーゴHCの期待に応え、ゲームの流れは再びアスフレへ。リードを27点まで広げ、ハーフタイムを迎えました。

ウーゴ・ロペス
第2Qまでのスコア

大量リードに加え、試合内容も圧倒。非常に高確率で勝てる状況にもかかわらず、ツイッターのTLに並ぶアスフレ民は、誰一人として油断していませんでした。まぁ、気持ちはわかります。我々が歩んできた歴史は、ここで油断できるほど明るくなかったですからね。

「後半のスタート大事だぞ」
と選手にも自分にも、心の声で言い聞かせるハーフタイムとなりました。

第3Q「予兆」

前半とは打って変わり、後半は一進一退。オフェンスは相変わらずスコアできていたものの、ディフェンスが全然ダメ。

攻守の切り替えが遅れて連続ファストブレイクを許したり、ローテーションの受け渡しミスでワイドオープンの3Pショットを献上したり、簡単に得点を許す場面が増えてしまいました。

アンドリュー・フィッツジェラルド

大量リードしていること。オフェンスが上手く機能していること。これらが、気の緩みに繋がってしまったんでしょうか。

結果論にはなりますが、これが翌日ボロ負けの予兆でした。2試合通してパフォーマンスを保てたのは増子だけ。他の選手は、Game1で緩んだパフォーマンスのまま、Game2へ突入。いつものブローアウトされるチームに戻ってしまいました。

Game2 孤軍奮闘する増子

まぁ、点差が開くと大味な展開になるのは、アスフレに限らずよく見る光景。最終的にはきちんと勝利しているので、これを血眼になって批判するつもりはありません。繰り返しになりますが、あくまでも結果論ですし。

リードを大きく溶かさなかったことを素直に褒めたいと思います。

第3Qまでのスコア

第4Q「苦悩」

第4Qは、点差が30点前後で常に推移。いわゆるガベージタイムでした。お互いにベンチメンバーを使い、アスフレは日本バスケ期待の星「山ノ内勇登」を投入しました。

しかし、山ノ内は1分30秒の出場でファール3個。早々にベンチに下げられてしまいました。

山ノ内の苦悩
水澤ACのフォロー

ケイン・ロバーツと同様に、アスフレを中継地点としてNCAAを目指す山ノ内ですが、結果はまだまだ残せていません。バックコートの選手だったケインと違って、山ノ内の相手は外国籍ビッグマンばかり。やはり、18歳のフィジカルでは圧倒されてしまいます。

色々と苦しい思いを抱えているみたいですが、腐らず頑張って欲しいです。

最終的には、30点差でリードしていても、ウーゴHCはスタメンの多くを残り3分まで引っ張りました。石橋を叩いて渡り、確実に確実に勝利を迎えにいったのです。そして、いよいよ待望の時が。

勝利

試合終了「笑顔」

試合終了と同時に、安堵の表情が会場中に広がりました。割と明らかなガベージタイムだったこともあり、喜びを表現したくてうずうずしていたのが、試合終了でやっと開放されたといった感じでしょう。

私は、誰かと喜びを共有するでもなく、選手やコーチが喜ぶ姿をただただ目で追っていました。こんな表情もできるんだ。そんな新たな発見をした気分で。

勝利の喜び

最後に

たかが1勝。Game2は、結果も内容も酷すぎたんで、 この勝利が反撃のきっかけになるとは断言できません。アスフレの歴史を紐解いてみても、そんな都合の良い勝利は存在していませんから。

十中八九、 これからも彼らは苦悩で満ち溢れるでしょうし、それを見る我々も同じように苦悩するでしょう。

それでも、その時はその時。 ネガティブな感情を抱えきれなくなっても、自分なりに折り合いをつけながら少しずつでも進めばいい。きっとその先には、今日のようなカタルシスが待っているはずだから。

そんなような心持ちで、今季の残りはチームを見ていこうと思っております。では、彼らの笑顔をまた見られることを願って。
Go Win Z !

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