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商品を考える時

 シンガポールに行ってきました。飛行機で6時間飛んだだけで真夏。
つい先日、日本ではサクラの撮影をしたばかりなのに、こちらではプールで泳げる。当たり前なんだけど、世界は広くて不思議ですね。

最近、新しいお店を作っているので、商品案をたくさん考えています。
今回はそのポイントを話したいと思います。
例えば、チョコレートバーを作っている時と、ケーキを作るのでは、意識していることが違うんです。
素材の良さをどう引き出すか?

理想の味にどうやって近づけるか?

何と組み合わせるか?
というような「味」に関して、取り組むプロセスはあまり変わらないのですが、どんなものを作るのかという前提条件が違います。

前提条件とは、食べる体験の違いを指しています。
greenの場合、ケーキは店内で食べる方が70%以上なので、「店内で、どんな風に過ごしてもらうか?」が考えるポイントになります。
(チョコレートバーは、家に帰ってから楽しむ方がほとんどです)
ケーキを開発する時に僕がイメージしているのは、お客様がショーケースの前で、どれにしようかと迷いながらケーキを選び、食べながら友人とおしゃべりを楽しむ風景です。
なので、作っているケーキがショーケースのどこに並ぶのか、隣には何があるのかがすごく気になるのです。
お客様が楽しい時間を過ごす、という目的を達成するためには、ケーキが主役になり過ぎずに、名脇役的な立ち位置として考えるようにしています。

以前に、お店で出す季節限定の商品を考える、というミーティングをしている時、スタッフから、去年とは違う新しいジャンルの物を出したいという意見が出ました。
一見、積極的な良い意見と感じますが、こんな時に気を付けるのは「新しい事をやること」が目的になっていないか? です。
「新しさ」は、とても魅力的なので、そこに気持ちが奪われてしまうことがあります。
気付かないうちに、お客様に「楽しい時間を過ごしてもらう」ための商品開発から、目的が「新しい物を作る」に変わっていないか?
または、売上を上げるための商品開発になっていないか? を見るのです。

顧客目線で見るということです。

新しいジャンルの物を作ると、お客様が喜ぶ。というのは、一見納得してしまいそうな意見ですが、実は根拠はありません。
正確には、新しいジャンルの物を作ると、お客様が喜ぶ時もあるし、喜ばない時もあるのです。
このように、自分がやりたいと思っている事に、何かしらの理由を付け、考えていくケースはよくあります。

では、どうするのかというと、新しいジャンルや新しい物を探そうとするのではなく、進化させていく、というスタンスで考えます。
僕は元々、「クラシックな物をモダンに作り変える」というコンセプトを立てていて、モダンなケーキなんだけど、どこか懐かしく、前に食べたことのある感じがする物を作りたいと思っています。

この後の商品開発も、独りよがりにならず、顧客目線を持ちながら、物作りをしていきたいと思っています!

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