見出し画像

「何かに慣れるのと、何かを感じなくなるのとは別のことだ。」

何かに慣れるのと、何かを感じなくなるのとは別のことだ。
   ─ エティ・ヒレスム ─ (オランダ作家)

「20世紀の名言」


2021年の年末年始は、日記の整理にハマっている。

もっとアクティブなことに時間を割くべきかと思ったりもしたけど、自分で思っていたより、とても有意義な時間になりました。

昔の自分が書いた文章を読み返すことで、思いがけない発見もあり、予定より時間がかかって年内に終わらなかった。仕事始めにも間に合わない気配なので、いったん中断して、続きは普通の休みの日にのんびり片付けることにします。


日記には、5年前の私も、10年前の私も、
「もっとアクティブにならなきゃ」
「ブレないようになりたい」
「オシャレになりたい」
「日記を書いて心を安定させなきゃ」
とか書いてあって、笑ってしまうくらい今の私と変わっていなかった。


ただ、今よりアクティブだった。
人にも積極的に関わっていた。

そして、素直に喜怒哀楽を表現していた。
そう、素直だった。


例えば、飲み会。お酒が入ると必要以上に大きな声を出す人や、普段とあまりもキャラが変わる人が好きじゃない。それに、大人数の中にいると、なかなか発言できないので、居心地が悪いと感じてしまう。だから昔から飲み会は苦手。でも、2~4人くらいの少人数の飲み会であれば、行くハードルが下がる。

今は、飲み会に誘われても、規模にかかわらず、「まず断る」のが基本になってしまっている。どうやら「飲み会に行かないキャラ」も確立されてしまっているみたい。誘いにくいオーラも出してる。

でも、前職の時はいろんな人と飲みに行ってた。「こんな人とも行ってたっけ?」と、今となっては顔と名前が一致しない人たちとも行ってた。

日記を見返してみると、ほとんどが4人以下の飲み会だった。ハードルが低い飲み会にはちゃんと行ってたってことかな。職場全体の飲み会は嫌々行ってる感じはあったけど、少人数の飲み会は楽しみにしてるのが多かった。

仲良くなりたい人がいたら「あの人とちょっと話せたから、次は飲みに行きたい」って思って自分から声をかけることもあったし、日記にも「飲みに誘われて嬉しい」「また行きたい」と喜びを素直に言葉にできていた。

飲み会で話したり、職場で話したりしたら、「楽しかった」「有意義な時間だった」「もっと話したい」と、人懐っこい私が出てきていた。


昔の自分がとても楽しそうで、今の私にはまぶしく映る。

今も本質は変わってなくて、気の合う人を見つけたいと思ってるし、少人数の飲み会になら行きたいと思う気持ちはある。

昔は行く前は億劫でも、「行ってみたら楽しかった」ということが大半だったのに、今は「やっぱり楽しくなかった。時間の無駄だった」と思うことが大半になっている。

その理由を「前の職場はおもしろい人が多かったけど、今の職場はつまらない人が多いせいだ」と分析している。

ずっと前に聞いた「周りのことをつまらないと思う時は、自分がつまらない人間になっている」という言葉を思い出しては、「自分がつまらないからだ。直さないと!」と反省していたのに、その焦りもなくなってきている。


なんでこんなことになってるんだろう?

転職して環境が変わったのは大きい。

前職は個人商店の集まりみたいな働き方だったけど、現職はチームで仕事している。チームだと、どうしても距離が近くなりすぎてギスギスしてしまう。お互いに干渉しすぎない前職の方が、程よい距離で付き合えて仲良くなりやすかった。

前職は現職よりも時間の使い方が個人でコントロールできたから、飲み会の予定も立てやすかった。今の仕事は、相手の都合を考えない作業が突発的に入ってくるので、ドタキャンするのも嫌なので、前もって予定入れるのを避けている。


環境が変わったら、いつまでも「前が良かったのに」と思わずに、新しい環境に適応していかないといけない。それがきっと「慣れる」ということ。

新しい環境に入って抱いた違和感を「感じなくなる」のが良いとは限らない。自分の思い通りにならないことを、他に責任転換して、その環境に合う方法や考え方を見つけようともせずに、諦めてるだけだから。

今の私、すっかり後者だな。

「周りの人のことをつまらない思ってるのは自分がつまらないから」って事実だな。

自分で言うのも変だけど、昔の私はおもしろかった。私のことをあまり知らない人から見ると、クールで落ち着いた感じなのに、実は小さなことで一人でいろいろ考えて、「なんだそれ」とツッコミを入れられるようなアホらしい解決策を考えたりしてた。落ち込んだり元気になったり、喜んだり悲しんだり、忙しそうだった。それが「意外なギャップ」になってて、仲良くなるとおもしろかったと思う。

今の自分がその時に出会った人と話したら、おもしろいと思ってもらえるんだろうか。とても自信がない。


うん、また自分のための日記を書こう。

ネット媒体だと、本音のすべてをさらけ出せない。自分の文章力では、読む人の時間を奪うだけで、まだまだ本音は隠すべきだとも思うし。

だから、昔みたいに、自分のためだけの日記を書こう。かっこつけずに、その時に感じた気持ちをそのままに。

10年前の日記がいちばんおもしろいように、何年後かに読み返した時、今の私が書く日記もおもしろくなっていくといいな。

つまらない今を変えたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?