「私のようなロールモデルを知ってもらうきっかけになる」
多様性を認める動きが加速している。それはそれでいい動きだとは思うけど、どこに問題があるのかを把握しないまま一緒くたにするのではなく、声が上がっていることに対して、具体的に改善していくアプローチがとれたらいいのになと思う。
例えば人種差別のように、必要のない区別があったら、その壁を取っ払って平等にしていくのはいいことだと思う。
でも、最近言われているジェンダーは、その垣根をなくすことが必要な部分もあるけど、何でもかんでも「同じ」にするのは不都合があるんじゃないかなと思う。
分ける必要のないところはどこで、分けないといけないのはどこなのか。
突き詰めていくと、きっと「個人を尊重するべき」ということになるんだろうけど、それでは個人的なことになりすぎて、多くの人は「自分には関係ない」と捉えてしまう。みんなが無関心になって、結局は何も変わらなくなる。
だから、いろんな視点から全体を捉えなおしていく方がいいと思う。
そのためには、ふんわりしたイメージで話すのではなく、具体的な声に耳を傾けた方がいいと思う。
前言撤回になるけど、やはり個人的な意見を聞くところから始まる気がする。
「男女差をなくそう」という抽象的なイメージだけで何かを変えようとしても、何が本質的な問題なのかを分かっていないと、男女で違うところに目を向けて、どっちかに合わせるというアプローチになると思う。
自分の持ってる価値観の中でしか思考することができないし、むしろ男女差を意識することになる。
逆に、男女差を意識しないように意識しすぎて、何も考えずに男性と女性を一律にしてしまうこともあると思う。
例えば働き方。男性も育休を取るように勧めるのはいいことかもしれないけど、残業も休日出勤も同じようにさせられるのは、女性としてはきつい。やはり生物学的な差は無視してほしくない。
さらに、女性の地位向上を求めすぎて、「女性管理職○%」という中身のない提案には賛同しかねる。個人的に、この提案は、「女性だから」という理由だけで管理職に上げるという失礼な方法になるし、女性を「お飾り」としてしか見ていないのが、逆に女性蔑視に思える。
女性の中でもトップの座につきたいという人もいるし、時間を気にせず働きたいという人もいる。「無能な男性よりは自分が上に立った方がいい」という人もいる。
「仕事はバリバリしたいけど、体力がないから、長時間拘束されるくらいなら仕事ぶりをあまり認められたくない」という人もいれば、「管理職になるのは構わないけど、プライベートの時間も確保したい」という人もいる。
いろんな人がいて、その分だけいろんな価値観がある。
固定観念の中だけで考えようとしても壁はなくせない。一度すべてを取っ払って見ないといけない。でも、それもなかなか難しい。
だから、「セブンルール」とか「情熱大陸」で個人にスポットを当てると、そのパイオニアの生き方が、みんなのロールモデルになっていく。
そういう新しい道を切り拓いた人の働き方や価値観を知ることで、他の人にとっても適用できる働き方の土壌を作ってあげられるんじゃないかと思う。
そしてその価値観が、女性に限らず、いろんな人に波及していくといいんだろうな。
社会生活をしていく中では、ある一定のルールが必要なのは分かるけど、誰もがそれぞれの価値観を大事にしていける環境になればいいな。