『服と賢一』は、ファッションの参考になるのか?
俳優・滝藤賢一によるファッションスナップ大成『服と賢一』(主婦と生活社)の 雑感。
滝藤賢一といえば、俳優きってのファッショニスタとして知られているようです。
で、最近いろいろファッション関連の本を読んでいる身としては、年齢も近くまたテーマも面白いと思ったので手に取った次第。
結論から言えば、これは滝藤賢一によるファッション・チキンレースですね。
チキンレースというのは、アメリカの不良の遊びですよね。
車やバイクで猛スピードを出して、港の岸壁ギリギリのどこまで迫れるかみたいな遊びです(※ この辺、チキンレースについてうろ覚えのママ適当に書いてますw)。
で、滝藤賢一がこの本でやっているのは、そのファッション版ではないかと。 何がギリギリかと言えば、そのセンスです。
この本の巻頭には、「滝藤賢一の着こなし10か条」の3番目にこんな文言があります。
これですね。なんというか、これは中味がカッコいいという自信がなければ言えないことです。
よく、かっこいい人は何を着てもかっこいいし、ダサい人は何を着てもダサいなんて言われます。その意味では、この「服と賢一」のテーマは、何を着てもカッコいい滝藤賢一ということになります。
実際、どのカットもカッコいいです。本書のオビに「173日間218スタイル撮り下ろし」とあります。どのカットも別のカットにほぼ似ていない。
では、そこに通底する原理原則があるのかと言えば、それはおそらく、上述の10か条でしょう。
そして、ほんとうにギリギリな感じのカットがいくつもあります。
ファッションスナップなんだからまねをしたいと思って手に取るとちょっと裏切られた感じがあるかもしれません。
ただし、考え方は応用可能。
ここで出てくるのがまた10か条。
たとえば、
この2つは実は簡単にまねができる。そして意外なポイントでもあります。
これならまねができる。参考にもなる。逆にまねが出来ないのは、
これはまねが出来ません。これは俳優・滝藤賢一のような人に許された特権ではないかと。
というわけで、『服と賢一』は、見る楽しみはあるけれど、直接参考にするには、むずかしい。でもって、見ながらも10か条のマインドを読み取り感じ取る。そういう本ではないかと思いました。