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☆「何事も、ナスが肝心と言いますが(?)」~葉月の旬(2013年8月)

昭和1ケタ代の産まれ」であった両親が、共働きだったので・・・私こと山野亜紀は、明治産まれの母方の祖母に育てられました。

 ・・・なにしろ、かの方は明治でしかも岩手県は一関の産まれ。
 私こと山野亜紀の小学生時代は、昭和の50年代
 いよいよバブルか・・・というご時世にも関わらず、さしたる影響もなく。😅
 私は自分を、とても古い教育を受けて育てられた人だと思っています。(^_^;)

江戸期を意識して撮影してみたお膳カット☆(2013年8月)

 ・・・なにしろ、かの方は明治でしかも岩手県は一関の産まれ。
 私こと山野亜紀の小学生時代は、昭和の50年代
 いよいよバブルか・・・というご時世にも関わらず、さしたる影響もなく。😅
 私は自分を、とても古い教育を受けて育てられた人だと思っています。(^_^;)

 時代を問わず、彼女が語る話をよく聞いて育った私です★
 その中には、彼女の息子(昭和19年12月、九州門司から台湾に向かう処を魚雷で戦死・享年22歳)が中学で英語を習ってきたんだけど、なんて話もありました。

●当時は曜日について、こんな風に教えていたそう★

「月桂冠を、のぞマンデー」
「火に水かけて、チューズデー」
「水田(みずた)に苗を、ウェンズデー」
「木刀、腰にサースデー」
「金髪料理で、フライデー」
「お土産持って、ごぶサタデー」
「日本大将は、乃木サンデー」
 ・・・まぁ、祖母からすれば、少しでも孫の教育の一環にでもなれたらという思いでした話だとは思うのですが。😅

乃木希典さんを紹介する書籍

●その折には、こんなお話も聞きました。

 乃木将軍がまだ子供の頃に、家に帰って来ると食卓の上には何故か、ナス料理ばかりがずらりと並んでいます。
 料理を作った母親に問いかけると、落ち着きはらって母が言う事には、
「何事も、成す(茄子)が肝心ですから」
 それを聞いて乃木大将も、恐れ入ったのだと聞きますが、このお方こそ(!)
 明治の軍国体制の中を日清・日露戦争と戦い続け、メトロ千代田線にある駅名「乃木坂」の由来にもなった乃木希典(のぎ・まれすけ)さんのことだったのです。

 かの方は「江戸時代の武家の産まれ」だったといいますから、この献立も当時は余り食材が豊富ではなかったからなのかしらとも、推察できます。 (^_^;)
 ・・・今も乃木坂に行くと、神社から公園から、乃木会館なんてのもありますよね。👀 

●はてさて、インドが原産だという茄子は、
奈良時代には朝鮮を経て日本に伝来したのではないかとも言われています。

今月の旬食材のナス☆

 初夏の頃から、ナスは市場に出回り始めますが。👀
 本来なら夏の終りから秋口に掛けてがホントの旬なのだそうで、秋口に出るナスは夏に出るモノより実がしまり、肉厚で種やえぐ味も少なくて美味なのだそうです。

 そんなナスは、暑い夏をようやく乗りきって口にできる口福♡
「これで、ようやく涼しい季節がやってくる・・・」と、いった具合でしょうか。

 江戸の頃は、扇風機もクーラーもありませんから。
 夏に始り、また秋の走りの風物詩としてももてはやされているナスは、例の「江戸の初物食い」にも一役買っています。
 なんと、あの時代から促成栽培をしていたと記録にあるそうです。

 この時代の促成栽培は、江戸市中から出てくるゴミなどを地中にまいて、踏み固めては発酵させて炭火も使います。
 よしずで囲って、よくよく日光を当ててを繰り返しますが。

 砂村新田(すなむらしんでん・現在の江東区南砂北砂付近)という地の利を生かして農民・木村久四郎(きむら・きゅうしろう)が研究。
 寛文年間(1661〜73)つまり四代・家綱の時代には、「早出し野菜」として旧暦5月の処を3月にはもう、幕府に献上したらしいです。
 当時は、まずは時の将軍が味わってから、そのおこぼれを庶民が頂戴していたハズだったのですが、どこがどうなっていったものか。(゜-゜)

 ・・・なにしろ高値で売れる(!)ものだから♡
 どんどんとエスカレートしていき、とうとう幕府が早出し野菜を抑制するまでに至った事は有名な話なんだそうです。
 ・・・でもでもっ、取り締まり切れなかった辺りにも、庶民の力強さを感じますよね。(^_^)v

●また今も言われる、「初夢に見て、縁起が良いモノ」として「一富士、二鷹」、三にナスビがあげられています。

 これは、徳川家康が好んだからという説があり。👀
 まず第一位には、駿河産まれの家康を象徴する富士山が。
 二位は家康が健康の為にもと好んだと言われる、「鷹狩り」。
 三位のナスビは、家康が好んで口にしたからとかで、ナスは日本に馴染み深い食材と思います。

 料理の先生も、「ナスは煮てよし、揚げてよし、炒めても焼いてよし」
 と仰るくらいで、漬け物に始まってとにかく、ありとあらゆるレシピがナスにはあります。
 ・・・にも関わらず、何故っ!?
 ナスに関わる具体的な歴史話を探しても、私の調べ方が悪いのか、ほとんど何も出て来ません。 (T_T)

「和心きらり」で紹介している、丸ナスの田楽

 江戸の頃には、その種類も豊富で。
 例の「何たら百珍」のような料理本にも、その名があるらしいですし。👀
 しかも、江戸の頃からほとんど料理法が変わっていないというのに・・・★

 そして、やれお盆だ、行事食だのに使われたり食べられていたりで、その名前を見つける事は出来ます。
 なのに、ナスの歴史を語ろうとすると余りにも何も出て来ないのには、笑ってしまいました。
 余りにも馴染み過ぎて、日本人の魂の一部になっているのかもしれませんね。(^_^;)

●そんな・・・ナスですが、「秋ナスは嫁に食わすな」という言い伝えもあります。

犯人は、こいつです★

 熱を冷ましたり、のぼせを解消する効能がナスにはあるので、食べ過ぎるのは良くないとのこと。👀
 ・・・ところが、この元ネタというのは本来の意味とは違い(!)
 実は、鎌倉時代に編纂された歌集「夫木集(ふぼくしょう)」に基づくものなのだとか。
 「秋なすび 早酒の粕につきまぜて 棚におくとも嫁に食わすな」という歌なのだそうですが、この「嫁」というのは・・・実は、ねずみの忌み詞なのだそうです。

「酒粕で漬けた秋ナスを棚の上に置いて、ねずみに食べられないように注意しなさいよ」という意味なのですって。👀
 そんな・・・歴史の表舞台には、あまり出て来てくれないナスですが。😅
 昨今では、どんどんと種類も増えているようです。
 「和心きらりレシピ」で、今年もお楽しみ下さい。
 (文責・山野亜紀 2013.8.1)

〇2013年8月のお膳
「和心きらり(http://wagokoro-kirari.tokyo/)」より転載
  ・・・700以上のレシピ・旬エッセイ・ブログを現在、移築中。😅


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