ツナグ ツナゲル +hanaネットワーク GLOWER'S FILE ②〜日本の四季や文化をカーネーションで彩る、精華園 後編〜
前回ご紹介した、カーネーションの生産農家である精華園さん。明日は+hanaの出荷日ですが、2週間前にお届けしたカーネーションは、皆さんのご自宅でまだ美しく咲いているのではないでしょうか?引き続き、どのような想いでどのようにして岩田社長たちがカーネーションを育て、出荷されているのか、今後の展望とともにお話を伺いました。
花を育て続ける種となった、仲間からの大きな支え
Q:染めのカーネーションづくりを始める時、特殊な道具や技術などいろいろ大変だったのでは?
かなり大変でした。全くうまくいかなくて大失敗を繰り返し、何千本も捨てることになったり…。困ってFacebookで発信したら、同業者の方がポイントやノウハウを全部教えてくれたんです。
Q:なかなかそのような教え合いはないですよね。
そうなんです。日ごろから情報交換などもよくするけど、思わず「同業者がそこまで教えちゃダメでしょと」笑いながら返したくらいです。でも、災害でのこちらの大変な状況を分かってくれていたので「社外秘だけど」と教えてくれました。その方も随分年月をかけて開発したはずなのに…。本当にびっくりしました。
Q:災害の時というのは、令和元年の房総半島台風ですか?
はい。その台風で、うちの農園もビニールハウス全棟が倒壊して、大被害に遭いました。この時、同業である花業界の人が遠方から何人も助けに来てくれたんです。他の農家さんなどには一般のボランティアさんが来られていたんですけど、同業者ではなかった。友達から「花業界の人はみんな助けにきてくれて、うらやましいよ」と言われたくらいで、花業界は特殊だと思いました。
Q:そこからの再建は、大変だったでしょうね…。
廃業も考えたくらいでした。それでも周りからたくさんの応援をいただいたので、気持ちを奮い立たせてがんばりました。特に同業者からの応援は心強かった。ライバルでもあるのに、独特のネットワークというか仲間意識なのか、身体を動かしてまで助けてくれて。こういう人たちとの付き合いがあることも、この業界を続けている理由のひとつなのかもしれません。
さらに上を目指し、追究し続ける日々
Q:以前、精華園さんのSNSで「シングルゴルファーが作るカーネーション」と書かれているのを拝見したことがあったのですが。
一時期そう書いていましたね(笑)。私は趣味のゴルフのスコアで70台が出ることもあるんですけど、それでも納得がいかないんです。「そんなに上手いのに文句ばかり言ってるんじゃないよ」とよく怒られるけど、もっといいスコアが出せたんじゃないかと悔しくなって。ゴルフもカーネーションづくりも、思いはまったく一緒。良い花とみんなが言ってくれても、自分の中ではまだまだ納得がいっていないので、ずっと試行錯誤や追究をしている感じです。美しいカーネーションをお届けして喜んでいただけるよう、常に上を目指したくなって、もっと突き詰めていきたいというストイックさやこだわりが普通ではないのかもしれない。自分でもメンドクサイ人だと思います(笑)。
Q:お客さまにもっと知っていただきたいことはありますか?
カーネーションは、植えてから開花までに110日くらいかかります。1本を作るのにものすごく手間暇がかかっているので、少しでも長く、じっくり楽しんでいただけると嬉しいです。
それから、カーネーションは母の日に重宝されてよく販売されていますが、一番きれいな時期は1〜3月の寒い時。ここが品質のピークで美しく、大きくて花持ちもいいので、ぜひ寒い時期に楽しんでいただきたいです。飾る場所も2〜5℃の寒いところに置いておくと長く持つので、冬の玄関に飾るのをおすすめします。
その際には水かえもこまめにして、切り花栄養剤も入れていただけたらベストですね。水あがりがよくて管理がラクななことも、魅力のひとつかと思います。
カーネーションのお手入れ方法の記事はこちらから↓
救われる花が増えた、+hanaのプロジェクト
Q:+hanaのプロジェクトの話があった時、どう思われましたか?
非常にありがたいと思いました。ただ、どこまで使えるのかということや、規定外品を出すことでうちの評判も落ちてしまうことにならないかなという懸念も、正直なところ最初はありました。でも今となってはそういうことはないと分かったので、とてもありがたく思っています。
Q:+hanaに期待することや希望などはありますか?
とにかく末永く続けていただきたいということですね。
Q:+hanaに出荷を始めて、何か違いはありましたか?
廃棄する花が減りました。先日+hanaさん用に出荷した「色ミックス」はさまざまな色のカーネーションを必要数買っていただくものなのですが、これは廃棄予定だったので、とても助かりました。
ちなみに、その中に1輪で2色が半分ずつ混ざっているような花も入っていたのですが、1/50000くらいでしか咲かない激レアの花だったんですよ。当たった人はかなりの幸運!規格外のものですが、花としては全く問題なく美しいものなので、ぜひそのラッキーな花も楽しんでいただけたらと思います。
Q:今後挑戦したいことなどはありますか?
今の目標は農林水産大臣賞を取りたいですね。
そしてカーネーションの生産を今までの倍に広げ、たくさんのカーネーションをみなさんの元へお届けしたいです。カーネーションの美しさを楽しみ、和んでいただけたら嬉しいので。
そのためにも、いつか自然の色で、青色や、見たことのない色のカーネーションを咲かせてみたいですね。
苦境を乗り越え、時代とともに進化し続ける岩田社長たち。大切に、丁寧に、スタッフのみなさんと力を合わせて育てられる精華園さんのカーネーションを+hanaで取り扱わせていただけることは、本当に嬉しいことです。この精華園さんの美しいカーネーションは今後もお届けしていきますので、ぜひお楽しみに!
次回は番外編として、岩田社長に同行させていただいた、種苗会社への視察についてご紹介します。
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+hana クッキー(プロフィール)
『あなたの楽しみは花のために、花の魅力はあなたのために』をコンセプトとし、季節に合わせた素敵な花を、手ごろな価格でご自宅のポストにお届けするサステナブルな花の定期便「+hana(タスハナ)」の、リーダー&立ち上げメンバー。実現したい思いや夢を中心に、花のあるくらしや魅力、花の世界にあるさまざまな情報をお伝えします。