ツナグ ツナゲル +hanaネットワーク GLOWER'S FILE ①〜日本の四季や文化をカーネーションで彩る、精華園 前編〜
今回は「ツナグ ツナゲル +hanaネットワーク」の取り組みから、みなさんの元へお届けする花がどこでどのように育てられているのかをご紹介します。12月1日出荷でお届けしたカーネーションは、千葉件南房総市の精華園さんのもの。精華園の3代目となる岩田秀一さんに、カーネーションの成育現場の様子についてお話をうかがいました。
カーネーションは母の日に贈る花として親しまれ、年間を通してブーケなどでもよく使われる花ですが、今回はもしかすると買い手がつかず捨てられてしまうかもしれなかった「ミックス」で市場に入荷した花をお届けしました。
色が揃っていないだけで、1本1本はとても新鮮で美しい花たちです。みなさまに届いたのはどのカーネーションでしたか?中には、岩田さんも驚きのレアな咲き方をしている花も含まれていたようです!一期一会の出会いをお楽しみください。
「ミックス」についてはこちらの記事も是非ご覧ください↓
美しく、鮮度の良い花を届けるために
Q:現在の精華園さんの様子や、育てているものを教えてください。
現在は6棟のビニールハウスで、約30品種以上のカーネーションを育てています。ここで年間約50万本を育て、市場に卸したり直売したりしています。他にも、3棟のビニールハウスでゼラニウムも育てています。
Q:いつから花農園をされているのですか?
1926年に私の祖父が花の仲卸業をスタートさせたのが、精華園のはじまりです。父が2代目を継ぎ、戦後にカーネーションの成育を始めて生産農家になりました。その後私が3代目として、この農園を引き継いでいます。
Q:精華園さんのカーネーションは、私の自宅で2週間以上も大きく華やかに咲いていたので、初めて飾った時は驚きました。そんな見事なカーネーションをお客様にお届けするために、心がけていらっしゃることはありますか。
丁寧に育てることもですが、その後の鮮度にかなりこだわっています。お客さまのお手元に届くタイミングを考えて収穫し、その後、カーネーションが影響を受けて劣化しないようエチレンガスから守る溶剤で処理をして、鮮度を保っています。さらに出荷前の時間を短縮すればお客様に1日でも長く楽しんでいただけるようになるので、私たちの作業を素早くするように心がけています。
Q:タイミングが重要なんですね。
それに加えて、品質にもかなりこだわっています。少しでも傷みのあるものを出荷しないことが絶対条件。ですからすべて私が厳しく細かく1本1本チェックと選別をしています。
Q:どのようなことを基準に選別するのですか?
まずは虫と傷みをチェックして、茎の固さと曲がり具合を見ていきます。それから長さも1cm単位できっちり間違いのないように確認して、花の大きさや揃いなども見ていきます。
多彩な魅力を秘めている、品種の多いカーネーション
Q:岩田社長が感じられる、花の魅力はどのようなところですか?
花自体の美しさもですが、私はまず、やったらやっただけ自分に返ってくるという花の経営がおもしろくなってきたんです。そこからいろんな人からアドバイスをもらったり営業に行ったりしているうちに花業界の人の良さを感じ、花に関わることでの楽しさや喜び、やりがいに魅力を感じました。
Q:ここまでずっと生産を続けてこられる、カーネーションの魅力は?
青色以外は全色あるし、世界で流通しているカーネーションは500品種くらいあるので、その中から選ぶことができるし。育て方もいくつもあって、選択肢が多い自由度の高さに魅力を感じています。それだけいろいろと挑戦していけるので、楽しいですね。皆さんにも、たくさん種類があることで楽しんでいただけるのではないかと思っています。
Q:500種くらいの中から、どのように選ぶのですか?
毎年30種くらいを選んで育てているのですが、半分は花屋さんが欲しいというものを作って、もう半分は自分が作りたいものを作って。安定した人気の品種を基本に、より魅力的な品種や珍品種も選ぶようにしています。今まで見たことのない色だったら、すぐに苗を買っていますね。
ニーズに応えて、喜ばれる花を
Q:生育にあたって、ご苦労されたこともあるのでは…?
害虫対策ですね。農薬は使わない方が良いと思ってはいるものの、虫の多くなる春先から夏にかけては使わざるを得なくて。とはいえ、20年前に比べたら20分の1まで減らせていますし、1〜3月は農薬をほぼ使わないので、食べられるレベルです。花の健康には頭を悩ますことが多いですね。
Q:いまイチオシの品種を教えてください。
「うたげ」と染めの「レインボー」です。
Q:オススメのポイントは?
「うたげ」は、みんな可愛いと言ってくれる人気の高さです。
「レインボー」は、自然にない色や、今までにない色が出せるので魅力的だと思います。これを初めて見た時は、自然に逆らっているし正直邪道だと思ったんですけど、この3年くらい、特にコロナで葬儀結婚式が止まって白いカーネーションの出荷が激減したので、その対策で染め始めてみました。するとものすごく反響が良かったので、続けています。
Q:作り手の思いと、ユーザーのニーズの違いの、難しいところですね。
自然にこだわっていたんですけど、よく考えると、カーネーション自体が今は自生する花ではないので、そこにはこだわらなくてもいいかなと考えて。変なこだわりは捨てて、ニーズや時代に柔軟に対応しようと思うようになりました。
精華園さんのカーネーションは、その新鮮さと美しさでとても好評なのですが、そこには厳しい基準や丁寧に育てられている深い愛情がありました。
次回はさらに、岩田社長たちが仲間たちと乗り越えてきたことや、+hanaへの想いをご紹介いたします。
カーネーションの精華園 公式サイトはこちらから
カーネーションのお手入れ方法はこちらの記事もご覧ください↓
公式サイト https://tasuhana.com/
+hana クッキー(プロフィール)
『あなたの楽しみは花のために、花の魅力はあなたのために』をコンセプトとし、季節に合わせた素敵な花を、手ごろな価格でご自宅のポストにお届けするサステナブルな花の定期便「+hana(タスハナ)」の、リーダー&立ち上げメンバー。実現したい思いや夢を中心に、花のあるくらしや魅力、花の世界にあるさまざまな情報をお伝えします。