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誰でも公務員になれる時代になってきた。
2025年になりましたね。遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。
公務員。かつては高倍率で、難関。という時代があったようです。
特に40代あたりの方たちはその激戦を勝ち抜いたためか、職員数が少なめな印象を受けます。
しかし、今では、行政需要が増え、採用増に舵を切っている自治体が少なくありません。
でも、世は人材不足。貴重な若手を採用しようとどこの自治体も躍起になっています。
1.下がり続ける倍率で公務員になろうと思えばなれる時代に
急ですが、ここで特別区の採用状況を見てみましょう。一番古くて平成26年度の情報が見れます。
事務職の倍率を見ると、平成26年度は7.7倍に対し、令和6年度は2.3倍になっています。
採用数は平成26年度と比較し、令和6年度が約500人多いですが、第1次試験受験者数は、平成26年度と比較し、おおよそ半減しています。
しかも、令和6年度の第1次試験ですが、ほどんどの受験者(約9割)が合格しているように見受けられます。
公務員試験といえば、民間の就活にはない、教養試験や法律・経済学などの知識を問う専門試験があります。また、論文試験もあります。
特別区の採用試験も、同様の試験があるようですが、令和6年度の実施状況を見ると、筆記試験(第1次試験)にあっては、ほぼ「ザル」に見受けられます。
第2次試験は口述試験といい、面接を行っているようです。これについては、ある程度、選抜が行われていますが、採用数に対して、2倍以上の最終合格者を出しています。(これは特別区の採用事情(独自日程のため、他の自治体志望の受験生が多く、採用辞退者が多い)があるためですが。)
試験制度の変更などがあるかもですが、この10年で公務員を取り巻く採用事情は大きく変化し、圧倒的な売り手市場となっています。
倍率だけみると、特に公務員試験対策しなくても、いけちゃうな。って思ってしまいます。
2.採用試験の早期化、特別な試験対策は不要になりつつある。
それに加えて、公務員試験はどんどん早期化し、また試験対策不要で民間の就活と同様にSPIのみで受けられるようになりつつあります。特別区もそのような試験を実施しているようです。
公務員試験といえば、最終合格(採用候補者名簿に登載されること。内定ではないが、地方公務員ではほぼ内定に近い。)がかつては民間就活よりも遅かったと記憶しています。
どんなに早い自治体でも、試験は5月上旬で、最終合格発表は7月下旬から8月上旬ぐらいでした。
それが、こちらの試験方式では、3月には試験を始めて、5月下旬には最終合格発表とあります。
昔の地方公務員試験を知っている者からすれば、異常に早すぎです。
まず、次年度の採用をするのに、採用をする前年度から試験を始めること自体、かなり衝撃です。
地方公務員の世界では、だいたい、5月上旬ぐらいに人事担当部局から次年度の採用計画が上がってきて、それを人事委員会の委員たちが合議をし、採用数や採用試験の日程を決定、採用試験の要綱などを示す。というのが大きな流れでした。
そうした流れをぶった切って、とにかく人材がほしいので、早期の採用!早めの最終合格!が地方公務員のトレンドになっています。
また、他の試験方式によっては、「採用候補者名簿の有効期間が3年間」というのがあります。
これは簡単にいうと、採用試験に最終合格したら、「あなたが入ってくれるまで、役所は最大3年間待ってあげるよ!」という制度です。
これも、かつてはあり得ませんでした。原則「有効期間は1年間」で、採用試験に最終合格した年内に入庁するか決めないと、その合格はなかったことになりました。
3年間も待ってくれると、大学院にも行けるし、それに加えて1年間海外留学ってのもできますね。
3.そんな試験状況で、現場はどうなっているのか。
こんな入庁希望者に超有利な状況で、実際に新規採用者を迎える現場はどうなっているのかご存知でしょうか。
あまりいうと老害扱いされそうですが、ぶっちゃけいうと、「法律や制度、仕組みをあまりわかっていない子が増えたなぁ」というのが印象です。
公務員の世界は、法律を扱いますし、独自に条例を定め、それを使って公権力の行使をすることだってあります。
専門試験を廃止したことによって、「あまり法律とかに触れてこなかったのかなあ」と違和感を覚えることがあります。
まあ、これはぶっちゃけ仕事をちゃんとすれば、身につくスキルなので、それほど気にしていません。
それより、少し気になることは、嫌になったら、スパッと辞めちゃう若手が増えたなと思うことです。
今の時代、どこの業界も人材不足なので、若いうちならどんどん転職もできてしまうのでしょうか。
損切りかのようにこの業界をさっぱりと去ってしまう子が増えように思います。
まあ、かつて、こんな記事書いたので、去るものは追いませんが。
確実にいろんなものが揺れ動いているのは事実なんだなぁと感じています。