利用者の過剰な要求への対応は、結局のところ『毅然とした態度で断る』しかない

介護サービス全般で、多い少ないはあるが、利用者や入居者の過剰な要求にへの対応に困ることがある。
サービスごとで言えば、おそらく訪問介護が一番多いと推測はできる。
デイサービスや施設系でもそれなりにはある。

まず大前提になるのが

  • 尊厳の保持

  • 自立の支援

  • 自己決定件の尊重

これが判断の大前提にならなければダメなのだ。

そして!さらに大事なことは、法人や事業所として、職員・ヘルパー個人の判断に委ねないことだ。

全部を事業所の管理者が判断しろと言うわけではない。
法人や事業所として、どのような判断基準で、どういう姿勢で臨み、どう応えて行くのかということを職員に徹底し、職員がいざというときに、困らないよう教育しておけということだ。

その上で!『やってはならないこと』、『やらない方がいいこと』は

  • 介護保険制度で決められている、やってはならないことだとはっきりと伝える。

  • 制度で決められているわけではないが、介護計画に反することだとはっきりと伝える。

  • 制度で決められているわけではないし、介護計画に反するわけではないが、事業所が決めた、やらない方がいいことも、はっきりと伝える。

そのために、事業所として職員を教育することは当たり前なのだが、職員も自ら『具体的に何がダメで何がいいのか』を考え、どう応える(答える)のが事業所としての正解なのかをシミュレーションしておくことが大事だ。

クレームを言われようが、サービスを断られようが、上述ができていれば知ったことではない。サービスを提供するかどうかは事業所が決めるのだ。
不当なサービス拒否だと思うのなら、行政に苦情申し立てをすればいい。ケアマネに文句を言えばいい。
あとは事業所管理者や法人の代表が対処すればいいだけだ。

お金を払っているからといって、当然のように過剰な要求を言うのは筋違いだと、ヘルパーが強く思っておかなければならない。

支払っているお金は、介護保険サービスに対してであり、サービス提供時間に、自費のサービスはしてはならないという前提に立っているのだ。

そしてヘルパーは、決して感情や道徳心に流されないことが大事だ。

繰り返すが、介護保険制度の中で行えることをやるだけなのだ。
それ以上の要求は、「自腹でお手伝いさんを雇ってください」とキッパリと断らなければならない。

感情や道徳心に流され、禁止されていることをして、なにか問題が起こったら、最終的に一番困るのが利用者だからだ。

ただ、冷たく機械的に断るのではなく、やれる/やれない、をきっぱりと伝える(これが毅然とするということ)ときに、言い方の工夫が必要なだけだ。


やってあげたいのは山々なんですが、それやったら私クビになっちゃいます。

介護保険で禁止されてるのでダメなんですよ。バレないからいいやってのは私にはできませんよ。

法律で決められてることなのでダメなんです。

やってもいいかケアマネさんに聞いてからじゃないと私お仕事無くなっちゃいます。


などなど、言い回しには色々ある。

結局は、『好ましい結論にするための言い方の工夫ができるかどうか』が大事ということ。

一人のヘルパーが勝手にやっていることが、利用者にとって当たり前のことだったとしても、そのヘルパーがずっとサービスを提供し続けることなんてできない。
持続的に一定の質のサービスを提供し続けるためにも、やってはならないことを明確に伝えることが大切なのだ。

これを介護業界が一体となって行うことができれば、利用者や家族からのモラハラなどへも正しく対処できるようになる。

少なくとも、保険者単位のエリアで、事業所同士が連合を組んで、理不尽な要求やモラハラへは毅然とした態度で臨むということはできるはずだ。

わがまま言い放題の利用者やは、単に調子に乗っているだけなのである。

お客様は神様などではなく、お客様はビジネスパートナーなのだと思うことだ。

付き合いきれない取引先だと思えば、切ることもやむ無しだ。

利用者はビジネスパートナーであり取引先なのだ。

これを業界の常識にしていくためにも、正しいことを正しく行える環境を整えることだ。


まあそうは言っても、ケアマネが医療行為に当たることをヘルパーにさせたり、図に乗った利用者と一緒になって事業所をいじめる構図はなかなか変わらない。

だからこそ、明らかに不当な要求やあからさまな事業所差別をするケアマネ事務所はネットに晒していけばいい。


全介護職員に次ぐ!

負けるな!



そんな感じ。

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