自己評価が異常に低いが仕事のできる人に新人を預けてみたら
「僕なんかにそんなことできないですよ」と。
いいから、お前ができることと同じことができるように育ててみろって。
と半ば強引に新人を預けた。
とはいえ、作業工程や納期が決まっているので、のんびりやっていくというわけにはいかない。そしてサービス残業をさせるわけにもいかないし、残業もさせたくない。
さて、どうするのかね?とウォッチする。
彼がやっているのは、まさにこれだった。きっと無意識なんだろう。
やって見せ
言って聞かせて
させてみて
褒めてやらねば人は動かじ
山本五十六の言葉だ。
加えて彼は
わからないことは言葉だけじゃなく
文字にするともっと分かりやすく伝わる
と、交換ノートを始めた。
指導の方法を誰かに教わったわけではない。
自分で考えやり始めたことだ。
逆を言えば、自分が教えられる立場のときにそうして欲しかったってことをやっているのだろう。
で、しばらく様子をみていると、なんともはや新人君の育つのが早いことよ。
元々の資質が良かったこともあるのだろうが、想定の倍以上のスピードで育っていった。
次のフェーズに入るため、軍曹タイプの中堅に新人君を預けた。
その後、第二新卒で入ってきた無垢の新人君2を別の中堅が育てていたのだが、なかなか育たない。
資質も悪かったのだろうが、まず覚える気がないようだ。
どうしたものかと思案していると、新人君を育てた、自己評価の低い中堅の彼が手を上げた。
僕に任せて貰えないですか?と。
また自己評価低くされてもなぁ。と躊躇したが、他にいい方法も見つからず、任せてみることにした。
ふむ。
資質の問題ではないな。
教え方の問題だった。
新人君2は見事に成長しました。
以前、異常に自己評価の低い、自分の仕事だけはよくできる彼だったのが、今では新人の育成担当として活躍している。
向いてたんだろうね。
成功体験は人を育てるね。
職人からマネージャーになれるんだね。
こんな世知辛い時代に、少しは救われた気がした。
そんな話。