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うつ歴4年のわたしから、漂うあなたに。

社会人2年生のはじめ、うつ病と診断されました。
それから4年。
上向いたり、沈んだりを繰り返しながら、今も付き合っています。
そんな私が、これまで感じたうつの症状の中で、特にしんどいことをいくつかを記録したいと思います。
新しい出来事にぶつかると、"うつ病 症状" で検索して、自分に当てはまらなかったり、この痛みはうつ病と関係ないのかなと考えてしまったり…。
不安の渦中に漂う方に、
こういうこともあるんだと、少しでも安心してもらえたら。
こういう人もいるんだと、少しでも知ってもらえたら。


背中の痛み

案外知られていませんが、うつ病による身体の痛みってあるんです。
傷む場所は人により様々で、首や肩、胸、関節など。
私の場合は背中でした。背中のどこというわけではなく、全面的に。
ずっと重たいリュックサックを背負っているような、内側に針のついた上着を羽織っているかのような、言葉にできない鈍い痛みです。
全身に弱い電気が走っている感覚の時もあります。
そんな時は、体を丸めて耐えるしかない。
地味につらいことナンバーワンです。

LINEの返信が出来ない

普段から通知の数は少ない、プラス、返信を考えることが苦手な私。
だからこそ、しんどい時に返信が出来ません。
LINEのアプリに赤丸がついても見られない。
家族(主に母)からの連絡もポップアップで開いて、緊急でなければ放置してしまう。心配になるから既読くらいしなさい、と言われますが、それすら億劫。
元気じゃないことも知らせたくない。知らせてもどうにもならないし、きっと打ち込む文字も攻撃的なものになってしまいそうなので。だったら、余裕ができてから、忙しかったーなどと返信すればお互い気持ちが良いのではないかとも思います。

誰にも会いたくない

孤独で、寂しくて、人恋しくなるけど、人に会いたくない。
個人的大きな問題として、うつの波により、ごく短い期間だけ調子良い瞬間があるのですが…、そんな時私は、急に明るくなり、友人と会う予定を入れてしまうのです。けれど、わくわくはすぐに消え、うつ状態に戻り、あとには約束だけが残る…。行きたくない行きたくない行きたくないと思いながら、行きます。誘うのは優しい友だちばかりだし、断る方が労力がいる。行ったら行ったで何とかなりますが、帰りの疲労感がすごいです。

この "人との約束をしていまいがちな時期" については悩みでもあるので、別の記事で記録しようかな。

小さな問題は、出かける=人のいるところに行くなので、美容院に行けない、スーパーに行けない。ピンポン(郵便屋さん、配送屋さん、消防点検の人)が恐怖。ごめんなさいと思いながら、居留守を使ってしまいます。一日中眠っている場合もありますが。

キャリアアップ、転職を急に考える

どん底に沈んだ状態から、ほんのちょっとだけ上向きになった時に現れる怪物です。「今のままではいけない!」という焦りで頭がいっぱいになります。すぐにでも行動しなきゃと転職アプリをダウンロードしたり、資格サイトにアクセスしたり…。
現状から逃げたいだけで、正常な判断が出来ていない状態なのでとても危険。大きな決断は、ピークから少し経ってからにすると吉です。
私は周りの人の助言もあり、転職したところで体調は回復していないのだから上手くいかない、現状維持の方が生活が安定しているだろうという考えに落ち着きました。あの時、勢いで転職していたらどうなっていただろう。
実は一年ほど前にも同じ怪物に支配されて…、気づいたら資格をとっていました。そこまで壮大な焦りでは無かったのと、易しい資格だったので、勢いで上手くいったのかも。レアな場合もあります。

音楽をシャッフル再生で聴けなくなる

applemusic愛用者であり、常に何かを聴いています。平常な時は、ダウンロードしたすべての曲をシャッフル再生したり、あなたにおすすめのプレイリストを使用して脳に引っかかる曲を発掘したりしていましたが、それが出来なくなりました。
朝から晩まで特定の2~3曲だけしか聴けない。同じ曲を一日中リピート再生していたこともあります。
怖いのです、次に何が流れてくるかが分からないことが。シャッフルだと自分の状態に合わない曲が流れてくる可能性があることが。
だから、付き合いの深い曲を聴くようになります。

優しい言葉も時に棘となる

うつ病は、こころの風邪。よくあるフレーズですよね。
以前の職場の上司にも面談の度に言われました。
誰にでも罹る可能性がある、治療すれば大丈夫だ、という意味で伝えてくれたと思いますし、その上司にはたくさん助けていただきました。
ただ、真っ暗闇の渦中にいた私には、"こころの風邪" は良い言葉に聞こえなかったのです。
風邪のように寝て休めば治るものじゃない。眠れないし、休めない。こころだけじゃない、身体もつらいのだ、と。
皮肉めいた考えですが、正常な判断ができない時なので仕方のないこと。
励ますつもりでかけてくれた言葉も、効いてくるのはずっと後。

当人も、周囲も、気のせいだよ、疲れているだけだよ、そういう時期なんだよ、で済ませないで欲しい。無理しないで、と言われるのもつらかった。じゃあどうすればいいの?って画面の文字に問いかけてた。とはいえ、どの言葉がベストなのか、今でも分からない。体調の度合いにより、人により本当にバラバラだと思うから。
でも、どんな言葉でも、優しさが含まれていることはわかります。何日か後、何か月か後に、効いてきます。

パニック

きっかけは様々です。薬が効かなくて眠れない、頭痛がひどい、悲しいことを思い出した、など。
布団の中で嗚咽し、耳を抑えて、頭を床に打ち付けたり、自分自身を叩いたり、引っかいたり。体力使うので短時間でもしんどい行為です。
私はこうなった状態をパニックと呼んでいます。ああまただ、とやり過ごすしかない。うつって、耐えることばかりだな。


おわりに

同じ病名でも、人それぞれ症状は違うもの。
最後に私の考える "うつ病" について話そうと思います。
くどいようですが、今回挙げたことも、今から話すことも一個人、nomoの場合です。「どういうことが今つらい?」って聞いてくれるだけで、落ち着くこともありました。
私が思うに、"うつ病" "不安うつ病" とは、
心も身体も、徐々に柔らかくなっていく状態だと。
力が入らず、形が定まらないくらい柔らかくなってしまう。

人間は、浮かんだり沈んだり、して生きていると思います。
永遠に海面にいるだけ、海底にいるだけの人はいないとも。
ぷかぷか、水に顔や足をつけたり、時にはいかだの上で日光浴したり。
深さは、人により違うけれど、私はその差が小さい方が楽に生きられると思っています。

うつの時って、おもりが少しずつ増えて、少しずつ海底に沈んでゆく感覚です。
気がついたら、深海にいるようで。はじめの内はもがいて必死に上がろうと頑張るけれど、おもりのせいで体力だけが消費される。だんだん疲れて、もがくのもやめて、この暗くて静かで誰もいない場所にも慣れてくる。
水に長く浸かっていると、心も身体もぶよぶよになり、しんどいです。

くじらのようになりたい。
深く浸水したり、呼吸するために海面に浮かんできたり。自由自在に動けたら良いのだけど。そう簡単にはいかないみたいですね。

こうやって言葉にすると、自分の位置が客観的にみえて少し楽になります。

苦しんでいるあなたが、この虚しい世界を楽に生きられるよう、祈ります。