マガジンのカバー画像

手指衛生

4
運営しているクリエイター

記事一覧

手袋着用が必要な同一患者ケア中の手袋の上からの消毒

はじめに
手袋を着用したまま手指消毒(手袋消毒)することはタブーとされています。しかし、SDGsの観点から、手袋の安易な使い捨てに対して、リサイクルが可能かを模索する企業も散見されつつあります。また、救急医療の現場では同一患者のケア中に、ある局所から別な局所へケアの中心を移動する際などに、手袋消毒するとケアの時短に繋がります。
今回ご紹介する論文は2017年に発表された、同一患者に対してのケア中に

もっとみる

医療従事者における手指衛生の有効性比較 最新のシステマティックレビュー

はじめに
世界保健機関(WHO)は、手洗いならびに手指消毒の方法として、6ステップ法を提唱しています(図の2-7)。この6ステップ法による手指衛生は手指表面の微生物低減にどの程度有効か明確ではありませんでした。
今回ご紹介する論文は、WHOが英国の研究センターに委託し、6ステップ法の有効性を他の手指衛生方法と比較・検証したレビューです。


方法
Medline、CINAHL、ProQuest、

もっとみる

手指衛生遵守率:事実か、虚構か?

はじめに
オーストラリアでは国の施策として、公立病院に対して直接観察法による手指衛生の遵守率を公表することを求めています。直接観察法はホーソン効果の影響があるといわれていますが、その度合いはこれまで明確になっていません。今回ご紹介する論文は、直接観察法による手指衛生のホーソン効果の度合いを明らかにすることと、直接観察法による手指衛生遵守率と、同時に実施した自動観察法による遵守率を比較し、その効果的

もっとみる

手袋装着手指へのアルコール手指消毒剤による汚染除去効果

はじめに
米国疾病対策予防センター(CDC)と世界保健機関(WHO)は手袋を着用すべきケア時の手指衛生ゴールドスタンダードを、「手袋を外した後に手指衛生し、その後、新しい手袋を着用する」としています。しかし、この流れは、現場スタッフの負担となり、手袋の大量消費にも繋がります。
今回ご紹介する論文は、アルコールベース手指消毒剤を使用中の手袋に直接塗布することが、効果的で効率的であるかを検討した、米国

もっとみる