見出し画像

ゲームと私[作品別編]:DanceDanceRevolution#1

90年代後半以降、ストIIの登場に端を発した
対戦格闘ゲームのブームは下火になり始めていた。
かく言う私も鉄拳3で燃え尽きた感じがしていた。

そんな中、格ゲーに代わる勢力が現れ始める。
音ゲー(リズムゲーム)である。
その火付け役となったのが『beatmaniaビートマニア』だ。

懐かしの初代『beatmania』。
当時はまだ”5鍵”で1P側のターンテーブルも右側にある。
KONAMIの音ゲーブランド『BEMANI』シリーズの祖。

ゲームも音楽も好きな私は当然飛びついた。
その斬新なゲームデザインに、最初はノーツを
追ってボタンを押すだけでも精一杯だった。
これが慣れてくるとノーツの空白部分(判定が
ないので違うキーを押してもMissにならない)を
利用してアレンジまで始めてしまうのだから、
ゲーマーの順応力は恐ろしいものである。

こうして各社から”便乗”とばかりに多種多様な
リズムゲームが生み出される。
そんな中”老舗”KONAMIはbeatmaniaと並行して
シリーズ第2弾として『pop'n musicポップンミュージック』を、
そして第3弾としてかつてない、とんでもない代物を
アーケードゲームとしてデビューさせる。
それが『DanceDanceRevolutionダンスダンスレボリューション(以下DDR)』である。

これまた懐かしい初代『DanceDanceRevolution』。
その異様な迫力ある見た目の筐体に最初は度肝を抜かれた。

「足でゲームをする」。

もうその着眼点からしてスゴい。
意味がわからない(褒め言葉)。

流石に最初にプレイするまでには躊躇いがあった。
とにかく”目立つ””見られる”のである。
しかしSNKでプランナーを務める後輩YAくんは
そんな事お構い無し、面白ければいいのである。
そのプレイを観察しながら、後ろで”エアダンレボ”を
やってみる。傍から見たらただのアホである。

やがてYAくんに促され、隣りでステージに立った。
最初はテンポのゆっくりした簡単な曲から入った。
そしてこの曲・・・

Smile.dk『Butterfly』
(⬆YouTubeの公式MV、アーティスト名に脱字あり)

ゲーム内のアドバタイズ画面やTVCMにも使用された
DDRを象徴するダンスミュージックの名曲である。
DDRが設置されてない店舗でもない限り、
ゲーセンに入ってこの曲を聞かない日はない。
それくらいの人気曲だった。
「♪アイアイアイ~」
そのポップでキャッチーなテンポとメロディは
とにかく人を惹きつけた。
通常1クレジットで3曲遊べるのだか、ほとんどの
プレイヤーがそのうち1曲にButterflyを選んでいた。

これをひたすら練習した。
やってるうちにコツが掴めてきた。
慣れていない人はどちらかの足に体重をかけて
しまいがちなのだが、それだと咄嗟に軸足を
動かしてパネルを踏むことが出来ない。
このゲームは前後左右にフットパネルがあるため、
左右どちらの足も使わなければならないのだ。
軽くヒザを曲げ力を抜く。
全身でリズムを取りながら、慌てずにパネルを踏む。
ちょっとしたスポーツさながらである。
この辺りは小中でやっていた卓球が活きた。

ある程度安定してクリアが出来るようになると、
より高難度の曲にも挑戦しつつ、遊び心も出てくる。

Butterflyのノーツには『↑・→・↓・←』という順に
踏んでいく場面が何度も出てくる。
これを始めのうちは『↑・→・↓』を右足で、
残りの『←』を左足でそれぞれ踏んでいた。
この『↑・→・↓・←』を左右の脚で交互に
踏んでいくようにすると”一回転”出来るのである。
早い話が単なる「ボックスステップ」なのだが、
そんなダンスの基礎も知らないゲーム好きの
オタクには「なんか知らんけどスゴい」事だった。

こうして最初はプレイする事すら躊躇していた私は
日々ステージの上でクルクル回っていたのだった。


まったく書ききれないほど書きたいことが
山ほどあるので続く。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集