TVドラマ「全領域異常解決室」 第5話 感想文 ネタバレあり
今回は少年漫画の打ち切りのような終わり方。
今までの伏線の強引な回収。
味方が全員集合して雑魚の敵を倒すが、ラスボスはまだ登場せず、みんなでラスボスを倒すことを誓って終わる。
今回は「トリック(仲間由紀恵&阿部寛主演)」路線から「SPEC(戸田恵梨香&加瀬亮主演)」路線に変更した雰囲気。
もちろん伏線はあったし、企画側からすれば予定通りだったとは思うが、あまりに強引。
今回は妖怪ではなく、千里眼の持ち主を巡る事件。
千里眼は「トリック」にも「SPEC」でも扱われたテーマ。
「 SPEC」では千里眼の能力を持つと自称していた人物の超能力(SPEC)が、実は千里眼ではなく、異常な聴覚の持ち主(もちろん、これもSPECの一種)だったと言うドンデン返しなオチ。
第5話は今までヒルコを自称していた謎の少女(福本莉子)はゼンケツ(全領域異常解決室)のメンバーだったというドンデン返し。
予想していた人もかなりいるとは思う。
「敵だと思っていたら、実は味方だった」展開は「あるある」である。
もちろん、その逆の「味方だと思っていたら、実は敵だった」展開も「あるある」である。
このドラマで「実は敵だった」可能性が高いキャラは・・・
1 内閣官房国家安全担当審議官の直毘吉道(柿澤勇人)
2 荒波巡査部長の部下である北野天馬(小宮璃央)
しかし、それなら自称ヒルコである彼女の正体をよく知っているはずのゼンケツの人達が今まで彼女を敵扱いしていた理由が説明できない。
第4話で自称ヒルコが連続殺人事件の黒幕だった理由も謎。
ゼンケツは彼女の殺人を知っていて放任していたことになる。
< 第5話「連続爆破! 首都大パニック!千里眼VS爆弾魔」のあらすじ>
首都圏で連続爆破予告が相次ぐ。
しかしマスコミに爆破予告した後に爆破場所を知らせる電話(公衆電話)が毎回警察に来る。
主人公のオキタマ雅(藤原竜也)は爆破予告をしている人物と電話で爆破場所を知らせる人物は別人だと推理する。
薬剤師をしているシングルマザー生嶋未智(星野真里)は小学1年生の娘・未琴(諸林めい)を通学路の途中まで送ってから、勤めている薬局に行く。
薬局のテレビから爆破予告が流れ、急いで自転車で外に出て爆弾が仕掛けてある府中近くのスタジアムに向かう。
スタジアムの爆弾を仕掛けてある場所に迷わず向かい、爆弾の仕掛けている場所で偶然迷っていた子供(赤の他人)を助けて逃げるも爆風に飲まれて気絶して、病院で意識が回復する。
病院では警察(ユースケサンタマリアと成海璃子)とゼンケツ(藤原竜也と広瀬アリス)から事情聴取を受ける。
そして警察とゼンケツに爆弾の設置場所を警察に連絡したことを推理される。
生嶋美智は観念して千里眼の持ち主であることを告白する。
生嶋未智の子供・未琴を警察が小学校から病室まで連れて来る。
そして小学校の副担任(浦上晟周)と生嶋の知り合いで自称今彼の下平(池田良)の二人がお見舞いにやって来る(伏線)。
その時に新しい爆破予告がTVから流れる。
爆破まで、あと15分しかない(短過ぎる!)。
病院が東京都府中市にあると仮定して、調布飛行場からお台場までヘリを使っても15分じゃ難しい。
雨野(広瀬アリス)が生嶋未智に千里眼を使って爆破場所の予知を頼む。
生嶋未智は地図を広げてタウジングで予知する。
警察とゼンケツと生嶋親子で予知した爆破場所に向かう。
現場に着いたオキタマは生嶋美智に娘に爆弾の詳細な場所を聞くように頼む。
この時点でオキタマは予知能力はダウジングとは関係ないし、千里眼の能力は母親ではなく娘が持っていることを見抜いていることが視聴者にわかる。
オキタマは雨野に車の中で未琴を守るよう命令する。
しかし生嶋未智は予知した場所(ゴミ箱)に向かうが、爆弾が見つからない。
そこにオキタマに雨野から電話がかかり、「未琴が爆弾の場所は変更されたと予知した」ことを告げる。
生嶋美智も行こうとするが爆弾処理班の三木(菅原卓磨)に止められて行くことができない(伏線)。
変更場所は隣の建物で、雨野は未琴を連れて爆弾を発見するが、解除する時間がない。
オキタマが二人に追いつく。
オキタマはどうやって建物中の爆弾設置場所を知ったのか?
雨野はオキタマに詳細な場所を教えていない。
オキタマは爆弾を持って外に出て、爆弾を投げて空中で爆発する。
よくあるパターンだけど、時計で計ったわけでもないのに地面に墜落する前に爆発する。
主人公のオキタマだけは千里眼の本当の持ち主は未琴だったことに会った時に気づいていた。
しかし生嶋未智は誘拐されてしまい、犯人(ヒルコ信者)から未琴を指定場所に連れて来るよう要求する。
指定場所に行くと3人のヒルコ信者がいる。
病院にお見舞いに来た未琴の担任の林と生嶋未智の自称今彼の下平と爆弾処理班の三木の3人。
この3人は生嶋未智を監視することが目的で、普段の生嶋未智をずっと監視していた。
ヒルコ信者達は捕まっている生嶋未智と千里眼の本当の持ち主である未琴を交換すること要求する。
ヒルコ信者達は生嶋未智と未琴を交換した後に、ゼンケツの二人を捕縛して爆弾で二人を殺そうとするけれど、そこに自称ヒルコ(福本莉子)が現れて、ゼンケツの二人を助ける。
遅れてメッセンジャー芹田正彦(迫田孝也)のがやって来る。
< 第5話あらすじ紹介終わり >
見ていて矛盾を色々感じる展開だった。
千里眼の持ち主が母親ではなく娘だった・・・ドンデン返し。
この展開は面白い!
母親は薬局のテレビを見て急いで外に出て公衆電話で警察に連絡して爆破場所に向かう。
しかし千里眼の持ち主である娘とは連絡していない。
どうでもいいが、白衣のまま現場に向かう理由が不明。
なぜ母親は爆破場所に向かったのかも謎。
母親は爆弾を解除できないはず。
病院に娘の副担任と母親の自称今彼がお見舞いに来る。
自称今彼はお見舞いに来た理由を「連絡がつかなかったから」と言う。
しかし母親が薬局を出て、病院に収容されるまでそんなに時間が経っていない(2〜3時間ぐらい?)。
また自称今彼が着替えを持参したけれど、自称今彼はどうやって生嶋美智が入院していることを知ったのか?
母親が爆風のせいで眠っていて連絡できなかった。
もしかすると今自称彼は頻繁に連絡をするタイプでGPSで、生嶋美智の居場所を絶えず確認しているストーカータイプなのか?
副担任は警察から事情を知らされたのだろうけど、わざわざ見舞いに来ている。
もしかすると自称今彼に連絡したのは副担任で、互恵的な恋人関係(母親を含めた仲の良い三角関係)なのかも知れない。
誘拐犯のヒルコ信者の3人の内の1人は爆弾処理班のメンバーだけど、爆弾を処理する人と爆弾を仕掛ける人が同じ人というオチは良いと思う。
米倉涼子主演のドラマでも、そんなオチがあった。
しかしこの爆弾処理班・三木が爆弾を処理した描写がない。
過去の爆破予告の爆弾はどうやって処理したのだろう?
ヒルコは日本古来の神の1人であり、いわゆるSPECの持ち主らしい。
しかしヒルコは誰が本当の千里眼の持ち主か気づくのに時間がかかったことになる。
ヒルコがもっと早く小学校1年生の未琴が千里眼の持ち主であることに気づいていれば、爆破予告をする必要がなかった。
ナイトシャラマン監督の映画「アンブレイカブル」みたいな意図なのかも知れない。
しかしヒルコはいつ未琴が本当の千里眼の持ち主だと気づいたのか?
この秘密はゼンケツのメンバーと母親と未琴しか知らないはず。
母親を拷問あるいは超能力で自白させたのか?
それともゼンケツにスパイがいるのか?