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読書記録(18)天神様の花一匁
日本には八百万の神々がいると言われていますが、その神々が人間の日常生活にいるとしたらどんな感じになるでしょうか?
そんなどこかとぼけた神様たちの日常譚がこの「天神様の花一匁」という小説。
主人公の学問の神様として有名な菅原道真が神様として生まれ変わり、人々の願いに耳を傾けていくというものです。
卵かけご飯が好物で、4畳半のアパート暮らし。どこか世俗的なサラリーマンの風体の菅原道真が紡ぐどこか風変わりな日常コメディを読みたい方にお勧めしたいです。
ということで今回は「天神様の花一匁」についてご紹介していこうと思います!
それでは参りましょう!どうぞ!
神様たちの日常がどこか微笑ましい
春の章では神様たちが花見をしている人々の中に混じって一緒に花見をしたり、子供たちに混じってサッカーに興じたりと微笑ましく描写されています。
時には受験に落ちてしまった女子高生に慰めの助言をしたり、ほとんどうつ状態で死相が出ているサラリーマンの転職を手伝ったりと優しい神様の温情が暖かいですね。
バリエーション豊富な神様たち
この小説には国づくりの神である「少彦名命(すくなびこなのみこと)や有名な須佐之男命(すさおのみこと)といった日本神話に出てくる神様も登場しますが
現代に馴染んだハイカラな神々も登場するのが今作の魅力の一つです。
スターバックスコーヒーが社の「コーヒー豆の神」、家電屋で働く「家電の神」といった感じですね。
個人的に好きなのがコーヒー豆の神なのですが、「コーヒーがないと力が出ません」とぼやいて「あん⚪︎んマンみたいだな」と恵比寿に突っ込まれたのがツボでした。
菅原道真が雷神になるまでの話
四季の話を終えて結の章で語られるのは菅原道真が太宰府に左遷されて雷を落とすまでの話。
他の話に比べて一気にシリアスで重い話になりますが、とてつもなく引き込まれます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「天神様の花一匁」についてご紹介してきました!
著者の嗣人さんは前回ご紹介した「夜行堂奇譚」シリーズをはじめとする作品を出版されているのでご興味がある方はお手に取ってみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました!