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【読書メモ】『メメンとモリ』

基本情報

タイトル:『メメンとモリ』
著者:ヨシタケシンスケ

読了日:2024年7月13日
メモ:図書館から


引用と感想

どんなものでも、いつかは
こわれたりなくなったり
するんだから。
「ずっとそこにある」ってことよりも、
「いっしょに何かをした」ってことの
ほうが大事じゃない?

『メメンとモリ』より

何かが壊れたり、なくなったりしたことをただ嘆くのではなく、その先へ踏み出すための考え方。
「メメント・モリ」の教えが一番色濃く表れているセリフだ。

※メメント・モリとは※

ラテン語の警句:死を忘れるな
転じて「生を楽しもう」「今を充実させよ」の意味。

「自分では選べないことと、
自分で選べることがある」ってことよね。
それを、みわけられるように
なりたいわよね。

『メメンとモリ』より

私は特定の宗教を信じていない。
強いて言えば、神道に少し興味がある。

世界にはたくさんの宗教、
数えきれない祈りの言葉がある。

数ある祈りのなかで私が唯一覚えている祈りがある。
それは『嫌われる勇気』という本で出合った『ニーバーの祈り』だ。

神よ
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。

そして、
変えることのできるものと、
変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

ラインホールド・ニーバーの祈りの言葉

神や仏に関係なく、
「こういう自分になりたい」と思ったから、
私はこの祈りの言葉をモットーにしている。

メメン:
じつはたのしいことは
なくても大丈夫なんだよ。
だってそもそも
いきものはべつに
たのしむために生きてるわけじゃないからね。
モリ:
え?!
そうなの?
メメン:
そうだよ。
得だとか損だとか、
生きていることには
ほんとはかんけいないんだよ。
たのしくなくちゃいけないわけでも、
しあわせでなくちゃだめなわけでもないんだよ。

『メメンとモリ』より

むかし読んだ漫画を思い出した。
『だんしんち』という漫画だ。

主人子が進路に悩むシーンがある。
彼は自分に夢がないこと、周りの人がみんな夢や目標にむかって頑張っていること、その姿がキラキラしていることに苦しむ。

「夢」を持たないとダメなのか。
「夢」がない自分は変なのか。

むかしも今もフラフラと生きている私は、
青くて苦い共感を覚えた。

夢がないといけないのか。
楽しくないといけないのか。
幸せでないといけないのか。

生きるとは何なのか。

『メメンとモリ』はまぎれもなく「哲学」の本だ、と感じた。


全体まとめ

かわいらしい絵。
簡潔な文章。
共感できるエピソード。

そこかしこに散りばめられた教訓のエキス。

絵本なのに、絵本らしくない読了感だった。

歳を重ね、経験を積んだ大人が読んでこそ、身に染みるものがあるのかも知れない。

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