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おいしい料理だけでは勝ち残れない

『安くて旨い』の相対的な価値が下がってきたと以前の記事で
書きましたが、今回はそこを深掘ってみます。
※前回記事リンク:https://note.com/tasty_food/n/nb3194621ac97

◆そもそもマズいお店が減った

たまにスーパーやコンビニで冷凍食品を買って食べるんですが、
驚くほどにクオリティが高い!
これと同時に飲食店も作業効率化から冷凍食材を使用しているお店が多いかと思いますが、冷凍食材のレベルは以前に比べめちゃくちゃ上がっているので相当変な調理をしない限りマズい料理は提供されないでしょう。。。

他にはサービス提供者が増えたという事も理由の一つです。
1970年代まで飲食業は『家業』でした。
父ちゃんが料理を作り、母ちゃんが接客して息子・娘がお店を手伝うというのが一般的でした。

ところが、1970年代に入り外食が一気に産業化します。
POS革命ですね。
PSOレジ(販売時点情報管理)の普及により商品の売上データが分析可能となり『稼業から産業化』が始まりチェーン店の時代が到来。

この頃は広告メディアも限られていたのでテレビ・新聞などを使い纏まった資金を投下して効率よく宣伝可能する方法が効果を発揮します。
こうなれば、仕入れもまとめて購入できるし宣伝もまとめて行えるスケールメリットが発生しチェーン店の拡大が加速。

わずか15年間で市場規模が7兆円から21兆円へ急成長した時代です。

◆差別化の時代へ

チェーン店が普及したことで均一化した料理を提供しているお店がたくさんでてくると差別化の競争が始まります。
美味しい料理というのはもちろんですが、分かり易い例でいえば価格競争や他には業態開発もそれに含まれます。

安いに越したことはありませんが原材料が高騰する時代では限界がありますし、業態開発での差別化も30年間続くとさすがに出尽くした感がありますよね。。。

SNS映えする商品という選択肢もありますが、そもそもこの類の商品を購入する理由は『投稿ネタ』なので顧客リピートは考えにくくメニューを開発してもすぐに消費される傾向に。

◆UberEatsは時間と場所からの解放

美味しい料理だけで勝ち残るのは厳しい理由の一つとしてあげられるのは他にUberEatsの存在もあげられます。

コンビニではちょっと物足りない、本格的な料理を手軽に食べたいというニーズを満たしてくれるサービスがUberEats。好きなときに好きなものを好きな場所で。

言い方を変えると専門料理を食べるというニーズを満たすだけであればわざわざお店に出向かなくてもUberEatsで解決できるということとなります。
コロナによって自宅で食事をする機会が増えた方にとっては、移動するコスト(電車賃と時間)が可視化されてしまったので飲食店はここも設計に織り込む必要が出てきましたね。

◆飲食店には『料理』『レシピ』『空間』の3つかがある


UberEatsには本格料理が提供できますが空間、飲食体験までは演出できません。
また、誰かと一緒に食事をすることはコミュニケーションが含まれます。
UberEatsでは美味しい料理を食べる以外の付加価値は創造が難しいので料理や空間というツールを使って真のニーズを満たすことにこそ飲食店の真の価値ではないでしょうか。

モノやサービスが少なかった1970年代と今では時代背景が違う、つまりサービスのクオリティの価値は時代によって変化するということを念頭に入れてアップデートしていく必要がありますね。

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