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虹が象徴する物語2

リズが初めて市販薬のODをしてから3か月がたった。ふとしたことがきっかけであの思考をして、リズの冷静さがめちゃくちゃになるたびに、リズはODをした。普段はあんなにケミカルを摂取することを避け、食品添加物からシャンプー、コスメまで無添加のものにこだわるリズが、かれこれ5,6回も大量に化学物質を摂取するようになった。ヘイゼルが言っていた、「生き延びる」っていうのはこういうことなのかもしれないと思った。ODは不健康だけど、健康的な方法は思考や感情や衝動を上書きするには強力じゃない。ODは延命措置のようなものだ。死にかけている人の家族がお願いして行う身体的なものではなく、精神的な延命措置。身体的なものとの違いは、本人の意思で本人がやるかどうかってとこだけど。でもやっぱり、何度も繰り返していては肝臓に負担がかかるし、心臓の電気信号が撹拌されて不整脈で突然死するかもしれない。生き延びるために死ぬなんて馬鹿げてる。リズは精神科で出される薬を飲んだほうが健康にとってはましなんじゃないかと思った。ヘイゼルが以前、近所の精神科に行っていたことを思い出してメッセージを送った。
「めちゃくちゃな思考、っていてもそれは私のせいなんだけど、その思考を上書きすることについて考えたんだ。市販薬よりも精神科の薬を少し飲んだほうが健康的な上書き方法なんじゃないかって。やっぱりケミカルは嫌い。死にたくはないからさ。」
「あんたのせいかどうかはともかく、あたしも前行ってた精神科、また行こうかなって思ってるんだ。もらいにいこ、ザナックス。また前の薬くださいって言えばくれると思うから、あの医者なら。リズもついてきてよ」
「わかった。いいよ。いつになりそう?」
「初診の予約はいらないから、明日にでも行こう。」
そうして二人は精神科のクリニックに行くことになったのだった。

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